↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/313

154.条約締結

 ポルイスト王国との今回の戦争を終わらせるべく、ポルイスト王国に逆侵攻した遠征軍であるが、ポルイスト王国の国境を越えてから、ゴリアンブラハ市、ロジアンブラハ市、そしてそれに続くいくつかの市や町を順調に攻略し、ついにバルマトル市まで来たところで、ポルイスト王国からの停戦の申し出があった。


 ここで停戦の条件を伝えた。


1.今回フラ王国のルーズペルピ子爵領に侵攻し多大な損害を与えたことから、この補償金としてポルイスト王国はルーズペルピ子爵家に金貨200万枚を支払うこと。期限は1か月以内。


2.今回ルーズペルピ子爵家の救援に駆けつけたサウスブニューデン伯爵家がこれまで攻略した土地及びそこに居住する住民については、サウスブニューデン伯爵家をポルイスト王国の辺境伯として叙爵することにより与えること。

辺境領の領地はこれまでサウスブニューデン伯爵家が攻略した土地とその経済的な繋がりある土地とする。なお、具体的な領地の範囲はサウスブニューデン伯爵と関係ある貴族が協議して決める。


3.サウスブニューデン伯爵家は叙爵後も、ポルイスト王宮には臣下の礼をとらなくてもよい。


4.今回の侵攻に関して、ポルイスト王国とフラ王国の関係者と秘密に協議した条項等があれば、その条項等の詳細の提示と、その関係書類をサウスブニューデン伯爵家に提出すること。


5.今回の侵攻に対して、ポルイスト王国が被った損害については、ポルイスト王国はサウスブニューデン伯爵家やルーズペルピ子爵家に一切請求しない。


 これに対して、停戦交渉に出てきたポルイスト王国の事務官は、

「とりあえず要求は受け取った。王宮とも協議する必要があるので、ここでしばらく待つように」

と言った。

時間稼ぎをされても困るので、

「ここで3日間は留まるが、返事がなければ停戦の意志がないものとして、進軍を再開する」

と答えた。

これには事務官もあわてて

「早急に王宮と協議する」

との回答であった。


 事務官の態度から今回の事務官はあまり大きな権限は与えられていないようである。たぶん3日以内に返事は来ないと考えて、俺は魔道馬車550台を市街の城壁から距離をとっていつでも突撃できるような態勢で配置した。


 また、バルマトル市の領主館などが立ち並ぶ官庁街は港の近くにあったことから、港の沖合に我軍の艦隊を呼びよせ配置した。我軍の軍艦は吃水が深くあまり浜に近付けないので、配置した位置から官庁街までは距離があり、魔法攻撃や弓矢は届かない。そこで軍艦に砲塔を設置した。


 これには、ポルイスト王国の事務官もあわてて

「これは停戦協議の違反だと」

と抗議してきたが、

「我々は、攻撃はしていない。魔道馬車の配置換えをしただけだ。文句を言うより早く王宮の返事を持ってこい」

と答えた。


 そしたら3日後に返事を持ってきたが、内容は満足のいくものではなかった。内容は

1.については金額を半分にすること。支払期間も3年以内とすること。

2.については全く認められない。

従って3.は関係ない。

4.と5.は認める

とのことであった。


 俺は

「交渉決裂ということですね。明日の朝からバルマトル市への攻撃を開始する」

と伝えた。


 次の日の朝までに、バルマトル市を治める貴族からは降伏する旨の返事はなかった。


 そこで、沖合の艦隊に攻撃を命じた。沖合の艦隊が一斉に爆裂弾を放つと官庁街に火の手が上がった。


 ここを治める貴族家もまさか沖合の軍艦からの攻撃が届くとは思っていなかったようである。艦隊の攻撃が始まるとレンがうずうずしてせわしない。

「私にも攻撃させて」

と言ってくる。

しかしここでこれを認めると後で修復するときに金がかかる。出来ればバルマトル市は官庁街の被害だけで手に入れたい。もうどこまで行くかわからないが、俺の頭の中ではポルイスト王国からできるだけ領土を切り取りたい。そんな思いである。


 しかし、バルマトル市を治める貴族からは、依然降伏の申し出はない。仕方ないので、レンに

「魔力弾を打ってもいいよ」

と言った。

そしたらレンは待っていましたとばかり、魔力を込め始めた。我軍の近くで爆発させると、我軍にも被害が出るので、仕方ない。これも俺が転移魔法で遠くに飛ばした。


 1発目の魔力弾で城門が吹っ飛んだ。城門が無くなって、そこから城内の通りや広場や建物が見える。いつみてもレンの魔力弾はすごいと思う。


 魔力弾の威力に感心していたら、レンは次の魔力弾を放出した。俺は慌てて、この魔力弾を城内の建物に飛ばした。そして、

「もうやめておけ、これ以上被害を出すと後が厄介だ」

するとレンは

「でもまだ降伏してこないよね」

俺は

「少しは向こうにも考える時間を与えないと」

と言った。


 それからしばらくして「降伏する」と言ってきた。それで俺は艦隊に攻撃中止を指令した。城内には1万人のポルイスト王国軍と1万人の領軍がいた。結局ここでも、これまでしてきたように奴隷紋を刻んで我軍に忠誠を誓わせるようにした。この作業に20日かかった。


 その間に王宮からの返事が来た。内容は当初のこちらの提案をすべて認めるというものでった。そして

「条約の締結と叙任のためにポルイスト王国の王宮に来るよう」

に言われたが、そんなことをしたら途中で暗殺されて終わりである。


 それで

「王宮に行こうと思うと、そこまでの領地をすべて攻略する必要があるので、半年ほど待ってほしい」

と回答した。


 そしたら条約の締結と叙任のためにポルイスト王国の第2王子が来た。そして、急遽、バルマトル市郊外のテントでポルイスト王国軍と我軍が見守る中、条約の締結と叙任の儀式が行われた。


 今回の戦争で、ポルイスト王国のフラ王国沿いの領地はすべて、俺の領地になった。また俺はポルイスト王国の辺境伯となった。


 領地の範囲の詳細については俺はかなり強気に出た。これはサウス王国がポルイスト王国に攻め込んだという情報を得たからである。もうポルイスト王国に戦う力はない。その結果、かなり広範な土地を俺の領地にできた。俺が獲得した領地にはもちろん最後に獲得したバルマトル市とその領主の領域が含まれることになった。


 こうして、ルーズペルピ子爵家救援戦争は終わったのである。


 なお、サウス王国とポルイスト王国の戦争は一方的な展開となりポルイスト王国は王都以南のかなりの土地を失ったそうである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。