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152.停戦条件の確認

 俺がバルマトル港から戻ってしばらくするとレンとレノアが領都ルーズペルピに戻ってきた。ルーズペルピ子爵を交えて今後の作戦会議である。


 現在の状況は、俺が西方のサンルイモ要塞とビュリベア砦を攻略したことから、西方一帯及び北部一帯についてはほぼポルイスト王国軍の残党の排除と捕縛に成功したようである。残るは領都より南側であるが平野部はほぼ掃討に成功しているとのこと。


 問題は南部のフラ王国とポルイスト王国を結ぶ主要街道沿いの山頂に設けられたパニベルド要塞だけとのこと。ここを攻略しないとルーズペルピ子爵領からのポルイスト王国軍の排除は完了しないとのことであった。そこで、パニペルド要塞を攻略することにした。


 そして、この戦争をどこで終わりにするか、その落としどころについても協議した。


 当初の目的は窮地に劣ったルーズペルピ子爵を救援する。それはほぼ目的を達しようとしている。それはいいのだが、俺もレンもレノアもずっとここにいるわけにはいかない。また、ルーズペルピ子爵も永遠に戦争しているわけにもいかない。どこかでポルイスト王国と停戦し、協定を結んで荒廃した領地の復興に取り組まなければならない。今のところ、これまでの戦闘で多くの兵士を失った割にはまだポルイスト王国からの停戦の提案はない。


 そこで俺は

「パニペルド要塞を攻略後も、引き続き軍を進め、ポルイスト王国のゴリアンブラハ市、ロジアンブラハ市を攻略する。

そしてそこでも停戦の提案がない場合は最終的に、バルマトル市まで軍を進める。

さすがにバルマトル市に危機が迫ればポルイスト王国も停戦しないわけにはいかないだろう」

この提案には一同驚きといった表情であったが、

「それしかないだろう」

ということで了承された。


 そしたらルーズペルピ子爵が

「もし、ハルト伯爵がゴリアンブラハ市、ロジアンブラハ市を攻略したら、これまで攻略した土地と合わせてこれらの領地をハルト伯爵の領地にすることも停戦の条件にすべきだ。

そうすれば、我ルーズペルピ子爵家はポルイスト王国と境を接しなくてよくなり、もうポルイスト王国の脅威におびえなくてよくなる」

と言い出した。これには俺が驚いた。


 しかし、考えてみれば停戦して俺が軍を引けば再度ポルイスト王国が軍を進める可能性は十分あり、残されたルーズペルピ子爵としては切実な問題であることから、これも停戦の条件に加えることにした。ハードルは高そうである。


 そこで、

「俺が他国の領地を俺の支配下にしてもフラ王国としては問題ないのであろうか」

と言うと

「ハルト様が、フラ王国で有している地位と同じにすればいい。

ハルト様がポルイスト王国でたとえば辺境伯といった貴族に叙爵し、ハルト様はポルイスト王宮には臣下の礼をとらなくてもよいことにすればいい。

それだと、フラ王国としても関知できないであろう」

とのこと。


「いいのかな、フラ王宮は何も言ってこないかな」

と言うと

「そもそも、フラ王国の貴族が他国から侵略されているのに、何もしてこないフラ王国の王宮も異常である」

と言い出した。


「確かに、これは俺も変だと思った。ルーズペルピ子爵家から救援要請を受けた時、俺は途中の貴族家に援軍の通過要請を出したが、この要請は拒否された。

普通ならありえない話である。通過許可がもらえれば、ルーズペルピ子爵家の国境の砦が攻撃を受けている段階で救援に駆けつけることが出来た。

そうすればポルイスト王国の砦をいくつも攻略するような面倒なことはしなくてよかった。

ポルイスト王国と通過を拒否した貴族家それにフラ王国の王宮の間に何か秘密の取り決めでもあったのかもしれない。

そのような取り決めがあるかないかの調査と、あるようなら資料の提供もポルイスト王国と停戦条件に入れようと思う」

と俺が言うと、全員の了解が得られた。

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