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148.ピッチランヌ峠の攻撃

 俺たちの軍は、朝早くサビニャンコロ市を出発した、先頭は俺の魔道馬車である。索敵をフルに使い視界が広く襲撃の恐れのないところでは時速60kmぐらいで駆け抜け、見通しが効かない山間部では時速30kmぐらいでゆっくり進んだ。山間部の間道ということで心配したが、魔道馬車が1台通るには問題がなかった。ただ、途中商隊などに出合と、相手に道を譲ってもらわないといけないので時間がかかった。


 ポルイスト王国の軍隊には出くわさなかった。不思議である。たぶん俺たちが朝早くサビニャンコロ市を出発したことは伝わっているはずであるが、襲ってくる気配がない。ポルイスト王国としては俺たちが南のカウエトス市を通る主要街道に行くとして、そこで待ち構えているのかもしれない。


 昼頃にはイチョウザグゼ町に到着した。これまでポルイスト王国の軍隊には遭遇していない。しかし、イチョウザグゼ町は、町の入り口の門を閉じている。どうもすんなり通してくれないようである。しかし、念のため一応話をしてみることにした。

「俺たちはフラ王国から来たサウスブニューデン伯爵家の軍である。窮地におちいっているフラ王国のルーズペルピ子爵を救援に行くものである。

すんなり通してくれるのなら町に危害は加えない」

しかし、相手は

「敵国の軍隊をすんなり通すわけにはいかない」

なんとも固い門番である。


 俺は時間がないので、爆裂魔法で町の門を吹き飛ばした。

先ほどの門番も一緒に吹き飛んでいった。そしたら、そのあたりにいた兵士も町民もみんな逃げ出した。そこで、我軍は一斉にイチョウザグゼ町を通過していった。


 その後も、ポルイスト王国の軍とは遭遇せずにいよいよフラ王国との境界まで来た。ここから先はフラ王国のルーズペルピ子爵領である。通常時なら、ここはフラ王国の官吏がいるはずであるが、今は戦争中、当然ここにいるのもポルイスト王国の兵士のはずである。そこで躊躇せず、この検問所も俺の爆裂魔法で吹き呼ばした。


 ここから先にはこの間道を通るコースで一番の難所のピッチランヌ峠がある。ピッチランヌ峠は山裾に沿って曲がりくねった道路が幾重にも続くのである。途中を木や石で止められて上から石でも落とされようなら避けようがない。とりあえず索敵で探ってみたが、とりあえず道は塞がれていないようである。念のため斥候を出すことにした。また、空に鳥型の監視装置を飛ばした。


 そしたら、サンルイモ要塞には兵がこもっているようである。その後、前に斥候を進めて、安全を確認してから進むようにした。そのため、進むスピードはぐっと落ちて人が歩くぐらいのスピードになった。そのため、今日中にルーズペルピ子爵領の領都に行くのはあきらめて、途中の見晴らしの効くところで一泊することにした。今後の予定としては明日からサンルイモ要塞を攻略して、その後進軍を開始することにした。


 次の日の朝から、サンルイモ要塞の攻略を開始したが、擁壁はそれほど高くないが、こちらの魔法攻撃では擁壁を崩せなかった。仕方がないので、ここも俺の土魔法で擁壁の上に行く道を作って、そこから魔道馬車を城内に入れることにした。


 結局、道を作るのに3日ほどかかった。そして砦に入ると敵はいなかった。いつの間にか逃げ出したようである。砦から山の中へ抜ける抜け道があったようである。


 次の日朝からまた行軍を開始することにしたが、とにかく暗くなるまでにはこの峠を越えたい。それで次の日は早朝から行軍を開始した。


 途中山肌が迫ってきているところに来ると上から岩が落ちてきた。とっさに俺の魔道馬車を含めて付近の魔道馬車には結界を張ったが、さすがに俺の部隊全部に結界を張ることもできない。何台かの魔道馬車は被害を受けたようである。

「もう隠しているわけにはいかない」

ということで山の上に転移すると、そこにいた兵を銃弾で倒した。

爆裂弾だと、爆発で岩が落ちるかもしれないが銃弾だと大丈夫と思ったからである。結果として銃弾では岩が落ちることはなかった。


 その後も襲撃におびえながら、夕方近くなる前にはピッチランヌ峠を抜けることが出来た。俺の転移魔法については口外を禁止した。


 今回の襲撃で、魔道馬車といえども、さすがに上から岩が落ちてくると壊れるようで、魔道馬車が20台ほど壊れて、死者が10人ほど出た。負傷者は治癒魔法で治療した。また、壊れた魔道馬車は俺の収納空間ボックスから出した魔道馬車と入れ替えた。その日は山道を抜けた平原で1泊した。

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