145.ルーズペルピ子爵の救援要請(ビリイアトゥ砦の攻略)
フラ王国の貴族の間に微妙な不協和音が漏れるその間隙をついて、ポルイスト王国の軍隊がルーズペルピ子爵領に侵攻したという知らせが届いた。ルーズペルピ子爵家の嫡男は五女レノアの婚約者である。この家が亡ぶと五女レノアの嫁ぎ先が無くなってしまう。急遽援軍を送ることになった。
魔道馬車200台、兵800人をとりあえず送ることにした。兵の通過について途中の貴族に打診したところ
「兵の通過は認められない」
との回答であった。
どうも事前にポルイスト王国との間に何か取り決めでもあるのであろうか。疑ってしまう。
したがって、海路で兵を送ることにしたのだが、そうなると、北の大陸と南の大陸の間の海峡を支配しているサウス王国の国王の許可がいる。急遽俺はサウス王国に使者を送り、海峡の通過許可を申請した。申請はすぐに許可された。
サウス王国としても、
「ポルイスト王国が勢力を拡大するのは阻止したい」
とのことであった。
遠征軍の指揮はレンがとることになったが、レノアも行きたいというので行かせることにした。少し派遣に時間がたったことから、規模を少し増やして軍艦10隻で魔道馬車250台、兵1000人を送った。3日後援軍は無事ルーズペルピ子爵領について子爵家の軍と合流したようである。
その後レンから届いた連絡では、ポルイスト王国の軍は約1万人、これに対する子爵家の領軍は約2000人とのこと、うちの送った軍を入れても3000人なので野戦は無理なので籠城戦になるとのことであった。
追加の援軍を送ることも考えたが、あまりたくさんの兵を送ると、サウス王国が警戒して、海峡通過の許可が得られないだろうと考えられた。
そこで、ポルイスト王国の北岸に上陸してそこから陸路でポルイスト王国内を通って、ルーズペルピ子爵領へ行くことにした。なお、ポルイスト王国北部の海域の制海権は3年ほど前のフェアコロル港沖海戦でこの付近の海域のポルイスト王国の艦隊はほぼ全滅しており、海を渡ることには問題ない。
現在サウスブニューデン伯爵家の領軍の規模は約15000人である。内訳は陸軍が10000人で水兵が5000人である。現在100隻の軍艦を有している。フラ王国でも屈指の規模である。また軍艦100隻は一国の海軍とも呼べる規模である。このうち、軍艦30隻、魔道馬車500台、兵士5000人を派遣することにした。指揮は俺がとることにした。
王国歴340年6月1日、サウスブニューデン伯爵家のポルイスト王国遠征軍は、サウスナンテンブルグ港を出港し、ポルイスト王国北岸の町エレアンテリア港を目指した。
ただ我軍の軍艦は吃水が深く、ある程度しっかりした港でないと接岸できない。上陸作戦をしようとすると小船を出して、それに乗船しなければならない。そんなことは我軍はしたことがないので、不可能である。
そこで、イングブリオ王国のフラ王国駐留軍のアラン伯爵にお願いして、イングブリオ王国のフラ王国領の最南端の港に魔道馬車を下ろす許可をもらった。6月1日の夕方港に魔道馬車200台、兵2000人で船を下りると、一路南へ向かった。指揮は俺がとることにした。残りの兵は軍艦でエレアンテリア港の沖合まで行ってもらうことにした。魔道馬車200台、兵2000人でエレアンテリア港を制圧した後、残りの兵を下ろす計画とした。
その日の夜半にフラ王国とポルイスト王国の国境を越えた。ポルイスト王国の国境検問所は俺が魔道馬車の上から爆裂魔法を放って破壊した。
しばらくするとポルイスト王国のビリイアトゥ砦に差し掛かった。索敵をかけると、ここには3000人ほどの兵が駐留しているようである。とりあえず、砦を包囲するように魔道馬車を配置して一旦休憩とした。
次の日の朝から魔道馬車で攻撃させたが、さすがに城壁は堅固で魔道馬車の爆裂弾の攻撃では城壁は壊れそうになかった。
どうしようか迷ったがここで流暢に時間をつぶしたくなかったので、砦に行く道を土魔法で高さを嵩上げして、場内に進入できるようにした。そして何台かは破壊されることを覚悟で魔道馬車を城内に侵入させようとしたら、敵が「降伏する」と言ってきた。あまり時間は掛けたくなかったが、降伏した兵士を武装解除して拘束した。
次の日、彼らを収納空間ボックスから出した荷馬車に乗せて、エレアンテリア港まで引いていくことにした。6月4日昼にエレアンテリア港に行くと、ビリイアトゥ砦が落ちたということで港の守備兵は逃げ出したようで、さしたる抵抗も受けずにエレアンテリア港の占領に成功した。
そして、沖合に待機させていた軍艦を港内に入れ、残りの魔道馬車と兵士を上陸させた。ここエレアンテリア港は今回の遠征軍が帰るときにも利用することから、ここの守備隊として魔道馬車200台、兵士2000人を残すことにした。もしポルイスト王国が新たな軍隊をここに向かわせた場合は、サウスナンテンブルグ市から新たな領軍を送ることにした。




