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144.農民の反乱

 疫病が治まって、平和になったと思ったのだけど、王都トイユアルジャンのあたりがきな臭い。大規模な農民反乱がおきているようである。農民は王都周辺の貴族を襲って貴族やその家族を皆殺しにしているようである。


 王都周辺ということで、王家も無視できないようである。ただ農民を鎮圧する騎士も上の方は貴族の命令にしたがうようだが、下の方まで行くと、鎮圧に行っても農民の味方をするようで、もう収拾がつかないようである。今後どのような展開になるのか気になるところである。


 俺の領地で農民が反乱を起こしたら、どうするか。俺としては農民と敵対したくない。もし俺の領地で大規模な農民反乱が起きたら、まずは話し合い、それでもだめなら、アムスム王国のネイメー伯爵領へ逃げるかな。


 一度家族で話し合う必要がある。ということで今日は家族会議である。参加者は俺、レン、アンナ、リタ、エバ、ソフィー、ミレーヌ、パメラ、それに子供たちである。


 俺が、

「元農民の俺としては農民と敵対したくない。もし農民の反乱が起こったら、まずは話し合いをする。

税が高いというなら税を下げる。うちはヤマユリ商会からの商業税もあって、正直言って税は3割まで下げても問題ない。

それ以上下げるとヤマユリ商会の利益からいくらか充当する必要が出てくるので、そうなるならヤマユリ商会を元のネイメー伯爵領に移してここから逃げた方がよくなる」


 するとレンが

「私も農民とは敵対したくないので、ハルトの意見と同じ」

するともう皆の考えも固まったようである。


 とりあえず、ヤマユリ商会とチョウチョ商会の本店はサウスナンテンブルグ市から元のネイメー市に戻した。これで、商業税はネイメー伯爵家に落ちるようになった。


 そうすると、サウスブニューデン伯爵家の税収が落ちたので、サウスナンテンブルグ市にサウスブニューデン伯爵家商会を立ち上げて、サウスブニューデン伯爵領で作っている軍艦と液体肥料工場についてはサウスブニューデン伯爵家商会の所属とした。そうしたら、かなりの商業税が見込めるようになった。これで税金を3割まで下げても問題ないようになった。


 そこで、税金をこれまでの4割から3割5分まで下げた。ネイメー伯爵領も同様とした。これには領内の農民から歓迎された。


 そうしたら、他の貴族からにらまれた。特に農民反乱の起きている地域の貴族からはかなりきついことを言われているようである。


 とにかく税を下げたことで、俺の領地では農民反乱は起きなかった。

問題は他の貴族領から多くの農民が逃げ込んできたことである。彼らの取り扱いを間違えると、うちの領地でも反乱がおきる。しかし逃げてくる農民を無視するわけにもいかず、頭を抱えた。


 とりあえず、開墾できそうな土地を見つけてきては、開拓村を作ってそこに押し込んだ。そのため、逃げてきた農民は各地に分散される結果となり、農民のパワーも分散される結果となった。


 それでも逃げてくる農民は数が多いので、すべてを開拓村に押し込めることは出来なかった。そこで、赤字覚悟で新食材の工場を各地に作って、そこで逃げてきた農民を吸収した。


 他の貴族家でも農民の動向には気を使っているようである。うちと同様に税金を下げる貴族もいくつか見られた。


 その後、王都トイユアルジャン近郊で起きていた農民反乱は鎮圧されたようである。そして、反乱を起こした農民への対処は苛烈を極めたようである。その結果、疫病の被害に加えて農民反乱の被害、さらには鎮圧の被害である。この地域はさらに荒廃したようである。復興にはかなりの時間を要するものと思われる。


 今回の農民反乱で俺がかなり農民側に立ったことはフラ王国の貴族との間に小さくない溝を作ったように思う。


 それと今回の農民反乱で農民の地位が向上し、貴族の権威が揺らいできたように思う。

いつも「転生者とバグでない異世界人の物語」をお読みいただいてありがとうございます。


 明日からはしばらくの間1日2話投稿にします。

毎日 12:00と17:00 投稿とさせていただきます。

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