119. フエランシェル沖海戦
俺があわただしく領地経営にいそしんでいたら、イングブリオ王国のアラン伯爵から、救援依頼が来た。
「フラ王国がポルイスト王国と同盟を結んだとのこと。
そしてフラ王国軍が、フエランシェル地方の中心都市フエランシェルに駐留するイングブリオ王国軍を攻撃しているとのこと。
またフエランシェル港にはイングブリオ王国の艦隊30隻が停泊しているが、それをポルイスト王国の50隻の艦隊が包囲しているとのこと。
救援を請うとのことである」
この知らせを受けて俺は、
「何やっているのだ。この間条約結んだとこだろうに」
と思った。このままほっておいて、イングブリオ王国の駐留軍が全滅すると次に狙われるのはうちなので、仕方ないので援軍を出すことにした。
まず海軍はうちの艦隊で今すぐに動かせることが出来るのはブレルサンマルロ軍港の10隻とサウスナンテンブルグ港の10隻の計20隻である。後は時間がかかる。また、ノースブニューデン子爵に連絡しても時間がかかると思ったので、この20隻で救援に向かうことにした。
「うちの艦隊だけなら、砲塔をつけてもいいかな」
と思ったが後で
「これは何か」
と言われても困るので、ロングボウで矢を射る。なお、矢については爆裂弾のついた矢を用いることにした。中々面倒だけど仕方ないと思った。
指揮は俺がとることにした。
また陸軍の方はすぐに動かせるのは魔道馬車300台、兵士3000人といったところか。
指揮はレンに任せることにした。
レンだけだと暴走しそうなのでクララもつけることにした。クララを呼ぶと喜んで転移魔法でやってきた。
まず索敵で状況の確認を行った。まず海軍の方はイングブリオ王国の艦隊30隻がフエランシェル湾の中に押し込まれている。沖合にはポルイスト王国の艦隊50隻が取り囲んでいる。
注意点としては、この湾は遠浅なので吃水の深いうちの軍艦ではあまり海岸に近付けないということだ。
とりあえず、ポルイスト王国の艦隊を沖側から攻めて、逃げた船はイングブリオ王国の艦隊に任せることにした。
次に陸の方である。フエランシェル市に立てこもるイングブリオ王国の駐留軍1万人を2万人のフラ王国が周囲を3方から包囲している。
これについては俺がいないので監視装置による細かい指示は出せない。単純に魔道馬車からの魔法攻撃とする。この場合魔法士の魔法攻撃に備えて、魔道馬車には爆裂弾の発射装置をセットし室内から操作する。
攻撃はまず北側から攻撃し、順次、包囲網を削っていく。
出発は艦隊も、魔道馬車も明日の朝。多分同じくらいに着けると思う。
現地に着いたらすぐに攻撃を開始して、夜には一旦魔道馬車は撤収する。こんな計画となった。
ブレルサンマルロ軍港の10隻が到着したのはその日の夜遅くであった。
「ちょっとブラックかな」
と思ったが、次の日の朝出発と告げた。
次の日の朝サウスナンテンブルグ港の10隻と合わせて20隻の軍艦が、サウスナンテンブルグ港を出港した。目指すはフエランシェル湾沖合に展開するポルイスト王国の艦隊50隻である。
昼前にフエランシェル湾を囲む山並みが見えてきた。海面を見ると、ポルイスト王国の軍艦はいるのだが高さが低い。これガレー船じゃないの。こんなの要らない。兵士には
「敵戦艦は捕縛の必要なし、すべて焼き払え」
と命令した。
俺たちは海風に乗って一直線にポルイスト王国の艦隊に突っ込んでいった。
敵軍艦に接敵するとロングボウから爆裂弾付きの矢を射かけていった。俺たちの船は高さが高い、上から見下ろす形で、次々と爆裂弾の矢が射掛けられていく。
敵の軍艦では水兵が刀を持って白兵戦の用意をしていたが、そんなのおかまいなしである。俺たちの船が通り過ぎると、ポルイスト王国の軍艦が燃え上がっていく。
夕刻までには敵の戦艦はほとんど燃え上がった。
俺は、敵の水兵が俺たちの船に乗り移ってきても面倒なので、暗くなる前に艦隊を一旦沖に出して様子を見ることにした。
陸の方を見ると、あちこちで爆裂音が聞こえる。あちらも好きにやっているようである。
この日ポルイスト王国の艦隊50隻は全滅した。後にフエランシェル沖海戦と呼ばれたイングブリオ王国・サウスブニューデン伯爵連合軍とポルイスト王国との海戦はイングブリオ王国・サウスブニューデン伯爵連合軍の勝利に終わったのであった。




