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3年間、聖女を偽ることになりました。ドッペルゲンガーです。  作者: 廿楽 亜久
第15話 騙してはいるけど

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前編

 大司祭たちにも事情を話したのと、衆目の場で聖杯を破壊されたことが功を奏したのか、イザベラへの謁見は難しくなった。


 教会としても救済の聖女が起こした奇跡を破壊されるなど、許される行為ではなかったのだろう。

 良いことかはわからないが、教会へ助けを求めるためには、相当の誠意が必要となった。


 要は、金だ。

 どれだけ信仰心という金を積めるか。それが、教会に救いを求めるための現状。


「……」


 自分に本当に力があったのなら、こんなことにならなかったのに。


「イザベラ様」


 それでも、高額な治療を支払って、助けを求めに来る人は多く、聖職者たちは求めに応じて、瘴気を祓っていた。

 そして、イザベラも最後の砦として、呼ばれることがある。


「大丈夫よ。さぁ、この水を飲んで。気を楽にして。すぐ楽になるから」


 病人に飲ませるための水として、聖水をこっそり用意して、それを飲ませ、祈祷する。

 今のところ、水が回れば、瘴気は浄化できている。


「マリア。またいいかしら?」

「はい……!!」


 一息ついて、病室から出れば、またマリアーナが忙しく呼ばれているところだった。


 現在の聖女はイザベラひとりということや、大司教たちにも力が衰えていることを伝えていることもあり、イザベラの出番は意図的に少なくされている。

 代わりに呼ばれているのは、聖女見習いであるマリアーナだった。


「マリアーナ。大丈夫?」


 明らかに疲れているマリアーナに声をかければ、驚いたような表情でこちらを見ると、困ったような笑みを浮かべていた。


「はい。大丈夫です。姉さまより大変ではないですし、それに聖女になるなら、これくらいの事できないと……」


 もし、俺に本当に力があったなら、楽をさせてやれたというのに。

 ここにいるのが、本物のイザベラなら、もっとうまく助けてやれただろうに。


 でも、イザベラはここにいない。


「ねぇ、少し付き合ってくれない?」


 自分がやるしかない。


「――で、ここに連れてくるのか」

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