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無くした記憶は嫌なこと
記憶ってさ、思い出したくなくても時々強制的に思い出してしまうよな、
「あぁ、そうでしたね、『あの子』との記憶は消えてるんでしたね、すいません」
その男はさらに口にする。
「『あの子』はスパイで1人の少女、あなたの家に行き情報を聞き出すための言わばGPSと言うのが政府の中で使われてたらしいですよ」
僕は頭の中でふと、「少女」の顔を思い出す。
その少女の顔はどこか儚げで、嫌なほど申し訳ない顔をしていた。
僕はわからなくなっていた。
何が本当なのかも…。
この男は息をする暇なく、言葉を告げる。
「君はわからなくなってるから一つアドバイスだ、君に告げた『能力』は本物なのか、『あの子』は本当に魔法が使えないのか…いつから錯覚してきた?」
僕は頭が回りそうなほどわからなくなっていた。
でもその男は声を2トーン下げて言う
「信じるか信じるかは沙優、君次第だ。もし僕が、沙優と生まれる存在だった兄、僕が生まれる前に亡くなった兄だったら、沙優は信じるかな?」
僕にそう告げた瞬間、
僕の目の前が真っ暗にフェードアウトした。
すると、さっきまで知らなかった、紗夜が喜代姉に首を絞められている光景が目の前に現れた。
すると紗夜は
「な、なんでっ…おま…お前、なんで帰ってきてんだよっ!」
おま、紗夜ーーー!!




