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接触と空気  作者: アズキ


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第14話「何もないと思っていた島」

続々と人が船から降りていく、私も続いて降りました。

砂の上に足を着き、陸酔いを起こして倒れそうになる。

周りの隊員から「医者なのに大丈夫か?」とからかわれてしまう。


私はちっぽけな体で島を見ました。

自然豊かで美しいというのが第一印象です。

森、軽い崖、岩場、どこをとっても絵になりそうな気がしました。

森を見れば、風に揺られる木々たちが私たちを歓迎しているように見えるし、岩場に当たり、水しぶきをあげているところは美しい姿を見せつけているように見える。

今からこの島に入っていくんだ。

船に乗っていた頃よりも心の高鳴りは凄まじいものになっていきました。


3つのチームに別れた。

2つのチームが森の中に入り、途中で別れる、1つのチームは海辺に残り調査を進める。

私は森の中に入るチームに所属された。

森に道などはなく、草木をかき分けて進むしかない。

私は色んなところを見て、何があるのか、何がいるのかを徹底的に見ていました。

虫などは何回か見かけることができましたが、それ以外は小動物も見つけることができなかった。

途中まで進んだところで、別れることとなる。

その場所こそがコテージが建てられた場所。

そこに残り、調査をするチームと、もっと奥まで進むチーム。

私は奥へと進む方でした。


けれども、景色は一切変わらない。

私の目に映るのは「木」「草」「葉」ぐらいです。

足取りも軽い訳ではなかった。

道の途中でとある洞窟を見つけました。

1度そこへ行き、中を確かめてみる。

かなり広くて何かを建てることすらできそうだと思えました。

中に海水が入ってくるリスクも極端に低いというのを隊員が話していた。


また森の中へと戻り、足を進める。

結局、一直線に歩き、逆側の海岸に着くことができました。

これだけ歩いても危険があるようには感じられません。

襲ってくる猛獣もいなければ、見たことのない植物なども見つけることができなかった。

私はこの島が開拓されるのにそんなに時間はかからないだろうと思っていました。

1度、引き返し、船がある場所まで戻ることに。


「かなり険しい道だな。」「結構体力持ってかれるな。」

など、隊員たちも疲れが見え始める。

普段、そんなに運動しないので、私もかなりの疲れを感じていました。

今夜の夕食と休みの時間が楽しみになった。

明日も調査をするつもりだが、今日は海辺で焚き火をして、みんなで夕食をとる。

仲間たちとそういうことをするのは初めてではなかったが、何回やってもそういうのはいいものだ。

そういうことを考えていると、自然と足取りは軽くなるものだった。


その時は違和感を感じることはありませんでした。

不可解な部分も特にはありません。

私が違和感を覚えたのは海辺に戻ったあとのことです。

とある隊員が、ある物を持っていました。

それは、貝と呼ぶにはぶっ格好、石と呼ぶには形も色も変、何かの骨にしては色がおかしい。

血管のような筋の色が刻まれており、全体的に見ても青アザのような色をしていました。

後に、それはウイルスに犯された人間のものだということが判明します。

しかし、その時、誰もそれが人の骨であり、全ての元凶に繋がるなんて思ってもいませんでした。


「お疲れ様〜」「何もなかった。」

「安全そう。」

などと呑気なことを言いながら、船のある海辺に戻りました。

その時です、私が「これなんでしょうか?」と質問されたのは。

私は形だけ見れば骨っぽい、しかし、色が骨からは遠く離れた色をしていたため「まだ分からない」と答えました。

その時、私はそれに触れています。


時は過ぎて、日が沈み、焚き火の光だけが自分たちを包んでいた。

みな夕食の準備で忙しい中、私はその異様な物を調べていました。

匂いはない、見た目は骨、色は骨からは程遠い。

これが何なのか、その時は検討もつきませんでした。

「うーん」と唸り声をあげるだけで一向に研究は進まないと言ったところ。


そうしているうちに夕食ができたらしく、一旦忘れて飯を楽しむ方向に移った。

悩みが消える時は皆でご飯を食べて雑談をしているときだ。

何もかもを忘れて自分を出しすぎてしまっていることにすら気が付かない。

相手も自分もアドレナリンが出ているように罵倒しても気が付かないし、罵倒されても気にしないのだ。

サラダや肉を食べ、その時あった私の好物、トマトスープがたまたまあり、かなり飲みました。


サラダを取る時、他のメンバーと手がぶつかり、私は「先にどうぞ」と譲る。

サラダにのびる手を見た時、とあることに気が付きました。


「その痣…どこかぶつけたの?」


「あ、ほんとだ、いつの間に。

でも、痛くないので大丈夫だと思いますよ。」


その人は私に痣の部分を押して見せた。

押す力はかなりで、皮膚がギュッとなるぐらい押しても痛さをまるで感じていないようでした。

痣だとしたら色が濃い。

濃い色で押した場合、痛みが少しはあるはず。

それが全くないというのなら、そこまで気にする必要もないだろうと、その時の私は思いました。

気になったのはその痣が他の人にも見受けられたこと。

私を含めてね。


「みんな自分の体に痣がないか、確認してくれないか?」


何人かに痣が発見された。

その大半が、その場に残った人たち。

例外は私だった。

森の中をずっと歩いていたのに、他のメンバーには痣が見当たることはなかった。

他の隊員と違うことをしたといえば…

あの変な物体に触ったということ。

痛みもない、体調にも問題はない。

それなら気にする必要もないだろうと、タカをくくってしまった。

その夜に何かが起きたわけではない。


夕食が終わったあとは、みんなで話して、野宿の準備をしてそれぞれが眠りについた。

バカンスの気分だった。

仕事とはいえ、私は仲間と協力して何かを成し遂げるのが好きだったんです。

焚き火の火が完全に消えてしまうまで見つめていました。

そして、周りが闇に包まれた時、目を閉じ眠りにつく。


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