第13話「同じ始まり」
1年前、私、石田優真は船の上にいた。
あの時、私は船の外で潮風を浴びて思いを馳せていました。
これから未開拓の島へ行けるのだと、心を踊らせていたんです。
私はとある組織に所属する医学に精通する人間でした。
所属する組織は国には極秘の仕事をすることが許されていて、新たな島や発見をすることが目的。
そして、そこが安全なのか、何があるのかを調べるというのが仕事。
船に乗っているのは30人程度。
私たちが調べ終わるまで、政府などもこのことを知らない。
安全であることが認められた場合、政府に報告をする。
簡単に言えば、国が作ったチームだが、何をしているかは報告されるまで分からないと言ったところだ。
危険な仕事を押し付けられているだけのようにも最初思えた。
けれども、今はチームで一丸となって仕事ができていることを誇りに感じている。
私たちが向かった島は地図にも記されていない、謎の島だったんです。
だから私たちの力が必要となった。
安全性を確かめ、安全であることが分かれば、恐らくはバカンス用にでも開拓がされるのではないか?と思っていた。
「よお、緊張してるか?」
同僚に話しかけられた。
しかし、緊張するには及ばなかった。
たかが、安全を調べる調査、ここで仲間が大量に死ぬなんて思いもしなかったんです。
「いや、緊張はしてないよ。
それに、私は医療班ですからね。
緊張してるのはそっちじゃないの?」
「まぁねぇ。何があるかも分からないし。」
私はこの時、島で自分たちが危険に晒される可能性を考えていました。
まず1つは、獰猛な野生生物に襲われるという可能性。
そこまで広くない島だが、そういう動物がいないとも言えない。
組織の中には猟師の免許を持っているものがいたし、猟銃も装備しているので大丈夫だろう。
2つ目は毒素をもつ植物や果実がある可能性。
触れるとかぶれたりする物があるかもしれない、死ぬまでに至るものはそうそうないから心配はしていなかった。
毒というのは1つ目で説明した動物でも持っている可能性がある。
ヤドクガエルなんかが何かの間違いでいれば、危険性は明らかに高くなる。
猟師は熊なんかよりもカエルを怖がるかもしれないと考えると笑いが込み上げましたね。
あと我々に襲いかかってくるかもしれない脅威があるとしたら…
可能性は低いが、その島に人間が住んでいるかもしれないということ。
他の国の話で聞いたことがある。
外からの侵入者を徹底的に殺す民族たちの島があると。
それと似たようなしまでないことを祈るばかりでした。
ここで、私は医療関係にも関わらず、道のウイルスについて考えることはしませんでした。
一生の不覚です。
けれど、あとから分かったことですが、このウイルスは防ぎようのない初見殺しが盛りだくさんだったんです。
調べれば調べるほど絶望することになりました。
そんなことは知らずに、船は島へ着々と近ずきしました。
船内は上陸の準備で忙しくなり、海しか見えない時とは打って変わりました。
人の声以外が聞こえなくなるほどです。
皆、やる気に満ちていて、仕事を楽しんでいる様子でした。
そしてついに、島に船が到着。
ここから1年間に渡る悪夢が始まったんです。




