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神通力少女は何がなんでも『普通』に生きたい。  作者: 宇宙 翔(そらかける)


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踏み出す一歩

「ちょっと待って! このまま行って間に合わない可能性もあるから、何より、まずはエンカウントポイントで手を確認でしょ」


友梨奈はやる気というより、自分の介入がマイナスに働いているかもしれないという焦りと不安に押されている。

直接介入は最後の手段――できるだけ回避させなくては。


「あかねちゃん、女の人がいるところと、こことの間にエンカウントポイントはある?」


「えーと、あの公園のやつがここから一番――」


「却下。あそこはダメ」


被せ気味に友梨奈。

叔母の清華が相当苦手らしい。

今回そこで遭遇すれば、あかねを失い、救出は失敗に終わる。

冷静に考えても避けるのが正解だ。


「……えーと、最近チェックしてない場所だけど、女の人の近くの駐車場の隅にあったよ」


人目がある、あまり良くない場所だが、急を要する。

あかねが指した方向へ、三人は早足で向かった。


「あかね、今回も宝鏡は持って来てるんだよね?」


「うん。何が起こるかわからないから、羂索も持って来た。梨奈ねーちゃんなら両方一緒に使えるよね」


背中の黄色いリュックを、上からポンポンと叩くあかね。

麻由はホッと息をつく。

あかねのことだから、能力開発のために凶器系まで持ち出しかねないと内心で警戒していたが、さすがにそこまではしなかったらしい。


「確かに……両手が自由なら、二つ同時に使うのもありか……」


ぼそっと呟く友梨奈。

羂索で拘束できれば攻撃は封じられるはずだが、意生身とセットでない場合、持物として機能するのかは分からない。


「うん、この感じ……近くにある」


以前聞いた通り、友梨奈は肌がピリピリする感覚で位置を掴むらしい。

五十メートルほど先の「P」の看板に向かって、さらに歩を速める。


駐車場の前に着いた瞬間、奥を見た友梨奈の肩がガクンと落ちた。

麻由には何も見えないが、その反応で答えは分かる。


――手がない。


もう、直接対峙するしかないのか。


「ねぇ、梨奈。警察に通報するっていうのはどう? それでも十分だと思うけど」


「あの男が、もうかなり近づいてるから……今からだと、たぶん間に合わ――」


あかねは言いかけて、麻由の鋭い視線に言葉を飲み込んだ。

言われなくても分かっている。友梨奈が何を選ぶかくらい。


「あかね、女の人のところに急ぐよ。方向、教えて」


その一言に、麻由は一瞬だけ顔を曇らせる。

――こうなったら、自分がやるしかない。


先を行くあかねと友梨奈の背後から、声をかける。


「対峙する前に作戦決めておくよ。あかねちゃんは一番離れた場所から、男の人が動いたらすぐ警察に電話して」


プロを呼ぶのは最優先。

それに、もしあかねが怪我でもしたら、もう二度とこの三人で動けなくなる。


「梨奈は、女の人の前で宝鏡で守って」


友梨奈は振り返り、小さくうなずいた。


「男の人が襲って来たら――まず、私が前に出る」


「?!」「え……?」


あかねと友梨奈は同時に振り返る。

声にならない驚きが、二人の表情に浮かんでいた。


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