第6話 テラのレベル上げ中(ルナ)
アサヒが迷宮でレベル上げをしていた頃、ルナも別の迷宮でレベル上げをしていた。
「……この魔法、使い勝手が悪いなぁ。1対1では使えるかな?」
生み出していた巨大な雷の槍を目の前の敵に投げつけ、広範囲を殲滅できる魔法を使った。
「『回る大槌』」
魔法というより物理の面が大きい技である。
この魔法?は杖で敵を殴っていると偶然手に入った『物理魔女』というスキルの中の技で、物理攻撃の魔法のみがある。
そして、他の魔法と合わせることができる。
「もうめんどくさいからいいや、『土観音』」
そう言うと土でできた観音像が出てきて、手に持った剣で敵を斬りつけていく。物理魔法と土魔法が混ざってできたもので、敵の攻撃にはある程度の時間は耐えるがあまり強いとは言えない。
しかし、あまり効率がいいとは言えなかった。
「え?『土観音』ってこんなに弱かったっけ?『全属性一時融合』『爆嵐砲』」
単純にここの敵が強いのである。
全魔法を一時的に融合でき威力の強い技を放つことができるが、全魔法がクールタイムに入る魔法を使って眼の前にいた敵を殲滅し、通路を歩き出した。
* * *
「やっとボス部屋かー、長かったなぁ」
大きな扉の前まで来たルナは、一度ステータスを確認した。
ルナ(Lv.22)残りSP.150
HP 500 MP 1300 STR 40 AGI 30
DEX 30 INT 65 VIT 20 LUK 30
「行けるかな?SPは後で振ればいいでしょ」
ルナは物理魔法を使って大きな扉にかかっていた閂を壊し、その勢いのままドアを開けて中に飛び込む。
「お邪魔しまーす」
「邪魔すんなら帰れー」
「はいはいー。って、え?」
先客がいたと思ったルナだったが、それは違った。
ボス部屋に人がいないなら、他にいるのはボスである。
それもただのボスではなく、長い時間をかけていろいろなことを学習させたボスである。
「…………先手必勝!『全属性一次融合』『接着』『全属性混入自爆』『一時的無敵』」
「おいっ、ちょっとまてって!すこしぐらいはなしをさせろおおぉぉおおぉ!」
そんな話をルナが聞くわけもなく、最大威力の自爆をボスはモロに受け、爆散した。
一時的に無敵になるスキルで生き残ったルナは、
「なんかあっけなかったなー」
と、このボスを作った運営の苦労も知らずに呟いた。
そしてルナはやっと宝箱を見つけ、開けた。
装備と杖が入っていた。
【王ノ服】『兵召喚』『兵強化』『城建造』〈耐久力減少無〉
STR +20 INT +100 MP +100%
『兵召喚』…使った魔法の属性の兵を召喚する
『兵強化』…兵を強化する
『城建造』…兵が城を建造する
【魔女の帽子】MP +2000 VIT +10〈耐久力減少無〉
【物理魔女の杖】『物理魔女』〈耐久力減少無〉
STR +70 AGI +50
「うーん、まあまあいいのかな?」
「……ひどすぎねえか?」
「えっ!?まだ生きてたの?」
「いや、もう死んだ。これはいわゆる残留思念というやつだ」
「そうなの?じゃあ消えて」
「いやひどいな!そうじゃなくて、自爆で俺を倒したもの限定のスキルを渡そうと思ってな」
「じゃ、早く出して」
「そう急ぐな、急ぐと人生早く終わるぞー」
「人生終わったからって、他人を線路の上に引き込まないで」
「ひどっ、まあいいや?ほら、スキル」
「じゃ、地獄に行ってらっしゃい」
「ひどいなー、まあここのボスがいなくなったらやばいから新しい体に入るんだけどな」
「さっさと死ね」
「ひどっ」
会話が終わると声が消えていき、スキル取得の通知が入った。
『攻撃爆発』……敵に武器で攻撃を与えるとその箇所が爆発する
「強いなぁ。使い道で1+1が2以上になるかもしれないやつだ、これ」
ルナはそう言うと、転移の魔法陣の上に乗り、光とともに消えた。
それから期間ギリギリまでパーティーホーム建築とレベル上げをした。
そうして、2041年12月31日を迎えた。




