第3話 最初の街
テラは、さっきのボスの戦いで新しく獲得したスキルの説明を見ていた。
【スキル名『体術』…素手で殴ったり蹴ったりして攻撃するスキル】
「……まあいいか」
テラは説明が簡単すぎて書かなくてもわかるほどだったことを諦め、ここから見える白い岩山に向いて歩き出した。
テラが移動しているときは特にないので、4人の説明をします。
名前 所属 趣味など 身長 体重 誕生日
ソル……髙橋蒼瑠 STC 作家、読書家 182cm 68kg 2027/11/17
テラ……望月碧星 西中帰宅部 ガンマニア、読書家 143cm 22kg 2027/9/8
アサヒ…井上朝陽 西中剣道部 カタナヲタ 165cm 55kg 2027/8/26
ルナ……菅原琉奈 西中吹奏楽部 遊び人 162cm 48kg 2027/5/21
テラが岩山についたとき、途中で倒した敵の数は14体だった。
この世界の時間は現実と同期しているため、夜である。この世界の夜のモンスターの量は通常より多い。
山の頂上に2分で登ったテラは周囲を見渡して街の位置を把握したあと、頂上に空いていた迷宮の穴に飛び込んでいった。
* * *
ダンジョンに入ったテラはすぐに『影潜』を使ってボス部屋までの道のりを短縮した。
そして魔法陣から生み出された硝石機王を10分でソロ討伐し、大量の経験値と硝石などを手に入れた。
ついでにそのへんにあった鉱石を片っ端から掘って、街が見えた東側へ歩いていった。
岩山から街は意外と近く、テラの足だと15分で着いた。ちなみにこの時点のテラのAGIは80である。この世界は経験値をある程度手に入れるとレベルが上がり、SPを手に入れれる。それをステータスに振り分けることができ、強化される。
その街についたのはテラが初めてのようで、NPC以外は誰もいなかった。
テラはいらない素材をすべて売り払い、NPC工房を借りた。
そして、銃を作り始めた。
テラが最初に取り組んだのは、火薬の調合である。
素材はたくさんあったため、最も威力の強い比率を試した。
このときに、スキル『調合』が手に入った。
1時間半ほど経って火薬ができたあとは、自動式拳銃を作った。
モデルは、FNX-45タクティカルである。
これは、仕組みを知っていても作るのは難しい。
テラは、2〜3時間ほどかけて作り上げた。
このとき、スキル『鍛冶』が手に入った。
その後30分でサプレッサーを作った。
サプレッサーができたあとは、ひたすら弾丸を作った。
2時間15分の間に、500発ほどできた。
それだけで午前7時になり、テラはログアウトしていった。
* * *
12月20日金曜日の朝
ログアウトした碧星はとても眠い中、学校に行く準備をしていた。
「うぅ~、眠い。徹夜しなけりゃよかった」
なんとか準備を終わらせた碧星は、自転車に乗って学校に行った。
学校は、碧星の家から自転車で5分くらいのところにある。
何度か転けそうになりながらも学校についた碧星は、先に来ていた蒼瑠を見つけると、話しかけた。
「おはよ、蒼瑠」
「あぁ、おはよ。お前から話しかけてきたってことは、また徹夜でもしたのか?」
「うん、ちょっとね。放課後のお楽しみだよ」
「それは楽しみだな……」
「というわけで、眠いからノートとっといて」
何が「というわけで」なのかはわからないが、碧星は隣の席の蒼瑠にノートをとるように頼んだ。
「やっぱりそうなるか…………」
「だめ?」
蒼瑠は碧星のお願いに長い沈黙の後、ほんの少し顔を赤くしながら答えた。
「…………………………いいよ」
「やったぁ、おやすみ」
「おやすみ」
そう言って、碧星は眠りについた。
このあと碧星は給食の時間と図書室に行った昼休みの時間以外はすべて寝ていた。
幸運だったのは、移動教室がなかったことである。
蒼瑠の負担が多かったのは、言うまでもない。




