第2話 腐死人迷宮
「おらっ!」
ソルが二本あるうちの一本の剣で目の前にいた腐死人を斬り裂いた。それに続き、アサヒとテラが斬りかかっていく。そして、ルナが後ろから魔法で支援をする。
「光砲!」
光が当たると、腐死人が溶けるようにして消えていく。
こういうモンスターは、光属性の魔法に弱いのである。
しかし、腐死人はあと20人ほどいるので休憩はできない。
ルナがさらに光砲を3発打つと、嫌になったように叫んだ。
「誰よこんなとこに入ろうって言ったの!」
それにアサヒが反応した。
「お前だろ!大抵こういうところにはいいものがあるって言ったのは!」
「でも最初に入ったのはアサヒでしょ!」
「二人ともあとにしろ!」
見かねたソルが仲裁をする。テラは見て見ぬふりをして腐死人を斬り刻む。
「じゃあ、誰が多く倒せるか勝負な!」
「いいよ!」
それから4人で腐死人を殲滅した。一番倒したのが、テラで12人だった。
奥まで進んでいくと、大きな扉があった。
「ボス部屋かな?」
「よっしゃ、宝を取りに行くぞ!」
「おー!」
アサヒが扉を開けた。
* * *
扉を開けると、魔法陣が下から出てきた。
4人は素早く飛び散り、魔法陣を4人で囲んだ。
すると、魔法陣から巨大腐死人が出てきた。
その腐死人の名称は、〘巨大腐死王〙、ボスである。
王が啼くと、魔法陣からたくさんの腐死人が出てきた。
「っ!」
「またかよっ!」
4人はすぐに腐死人を殲滅しにかかる。
ソルは両方の剣を使って完全に防御を捨てて攻撃をしていた。
テラは『暗殺』と『潜伏』をうまく使って首を斬っていた。
アサヒは『火炎使い』を使って刀に炎をまとわせ、すべてを切り裂いていた。
ルナは『基礎魔法』の光属性のものを使い、広範囲の敵を溶かしていった。
15分後には、最初には200体ほどいた腐死人が、王一人だけになっていた。
「火纏」
「回復」
「影潜」
「二刀剣」
アサヒが火を刀にまとわせ、ルナが全員を回復させ、テラが『暗殺』と『潜伏』をうまく使って手に入れた『陰魔法』を使って影の中に潜り、ソルが二本の剣を構えた。
その時、王が一瞬だけ怯えた顔になった気がした。
その後、4人の集中攻撃が始まった。
王が主武器の大剣を構え、目の前にいるソルを斬ろうとする。
ソルの隣りにいたアサヒが即座に反応し、刀で攻撃を受けてから弾き返した。
その隙を見逃す4人ではない。
ソルは『片手剣二刀流』の現時点で使える最高の技、双閃突を放つ。
アサヒは、刀にまとっている火纏を炎纏に変更、『刀』の技、居合を放つ。
ルナは光魔法の現時点で使える最高の技、光剣を持って斬りかかる。
そしてテラは――影の中から飛び出し、後ろから短刀二本で思いっきり斬り裂いて影の中に戻った。
それでもさすがボスと言うべきなのだろう、体力ゲージが数ドットの幅で残っていた。
テラはまた影の中から飛び出し、王の鳩尾を思いっきり殴った。
それがとどめとなり、この迷宮の王である〘巨大腐死王〙は爆散した。
* * *
「んっあぁー、疲れたー」
「そりゃああれだけの腐死人を倒せばね」
4人は安地を探して歩き回っていた。
ソルは珍しく上機嫌のテラの横に行き、話しかけた。
「えらい上機嫌だな、何かあったのか?」
「うん!さっきのボスがね、鉄と硫黄を落としたの!」
「だから臭かったのか…… それがどうかしたのか?」
「あと硝石があれば火薬が作れるんだよ!」
「そ、そうか」
テラはガンマニアである。ガンマニアと言っても、テラは種類ではなく仕組みが好きなのである。
上機嫌なテラの相手をソルがしていると、ルナが安地を見つけた。
「もう11時だし、今日は一旦落ちるか」
「そうだな」
「そうするかー」
「テラは?」
「………… まだ残ることにするよ。硝石を集めて銃を作りたいし」
「そうか。明日学校に送れないようにな」
「うん」
そう言うと、3人は落ちていった。
この世界は戦闘中の即時ログアウト防止のため、落ちるために3分かかる。
あと、4人は一応は中学2年生である。
アバターが消え、ただ一人残されたテラは、
「………… 行くか」
とつぶやき、安地から出ていった。




