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Miso soup Episodeー003

真由、その名前を口にしたとき、頭の奥がズンとした。

『・・・真由』青い髪留めを握ったまま私は立ち尽くしていた。知ってる、この髪留めを。

真由の事も知ってる、私が一番仲が良かった、友達。


休み時間になると一緒に遊び、放課後くだらないなぞナゾを出し合って二人で笑った。


 『恐怖の味噌汁』そんなことを言って大爆笑していた。なのに、いつからか、真由の記憶だけが私の中から消えていた。


 "どうして・・・"そう思った時、指先が震えた。頭の中に真由の場面が・・・浮かんだ。

ーーーーーーーー

放課後の校庭・夕焼け・ランドセルを背負った真由が私の前に立っている

 「今日も遊ぼ、美有」けれど、次の場面が思い出せない・・・。

***************

もう一つの場面が浮かぶ。それは古い井戸。学校から少し離れた場所に、誰も近づかなくなった井戸。

真由が言った「明日、ここで待ってるね」

 「わかった」

でも、その記憶は、途切れた。

ーーーーーーーー


我に返り、背筋が寒くなった。私はその場所へ行ったのか、行ってないのか・・・?


気になって、母に聞いた。

 「昔、この辺りに井戸ってあったよね?」


母の手が止まった。

 「井戸・・・・」

 「古い、井戸」

 「どうして、急にそんなことを聞くの?」


 「昨日、思い出したの、真由のことを」

母の顔色が変わった。

 「真由・・・」

 「知ってるでしょ」

母は視線を逸らした。 


 「その名前久しぶりに聞いたわねっ」

 「真由はどうしたの、今は元気なの?」

母沈黙の後、応えた。

 「あなた、ホントに覚えてない?」

母は窓の外を見て話した。

 「真由ちゃんがいなくなった日のことを・・・」

 「いなくなった?」

 「真由ちゃんは突然いなくなったのよ」


頭の中で青い髪留めが浮かんだ。

 「私、その井戸へ行ってみる」


 「美有、やめなさい、もう思い出さなくていいの」

 「どうして・・・」

 「どうしてもよ」


その言葉を聞いた時、確信した。母は何かを知っている。そして私は何かを忘れてる。






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