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Miso soup Episodeー004
母に止められたからこそ、美有は、井戸へ行くことに決めた。翌日の午後、私は一人で家を出た。古い記憶を頼りに歩いた。
景色は少し変わっていて、昔あった駄菓子屋は新しい家が建っていた。
たどり着けるか、ちょっと自信がなかったけど、その場所は覚えていた。草の生い茂った空き地のその奥に古い井戸が・・・あった。
「ここだ!」
井戸の周りには草が風に揺れている。頬に冷たく感じた瞬間耳元で、声がした。
「美有ちゃん」
振り返っても誰もいない。
「真由なの?」返事はなかった。
でも記憶が一気に戻ってきた。
あの日ーーー
放課後美有はこの井戸の前にいた。「明日、ここで待ってるね」
「うん」、真由は笑っていた。
真由と約束をしたけど、翌朝母に「早く帰ってきなさい」と言われ、井戸へ行かず、帰宅したのだ。宿題をして夕食を食べてテレビを見た。
真由との約束を忘れていた。
真由は夕方まで一人で待っていた。そして帰ろうとして、近くの道路で事故があり、それに巻き込まれたのだ。
ちゃんと約束を守っていれば・・・・。
ずっと、忘れていた。
母が言った、"思い出さなくていい"はこの意味だったのが、解かった。
美有は、井戸の前に座った。
「真由ごめん、ね」返事は勿論ない。
何度も言って、手を合わせた。空は夕焼けに染まっていた。




