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ヒーローごっこをしていただけなのに、気付いたらカルト教祖になっていました。  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中


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87話 ハバ卒。


 87話 ハバ卒。


 ……10年経過……


・センの肉体も成長し、完成期に入り始める。

・幼少期から続けてきた神経制御訓練と身体鍛錬により、人類の限界を大きく超える身体能力を獲得する。

・すでに、センは、携帯ドラゴンなしで、格闘家100人と同時に殴り合って秒殺できるほどの強さを得ている。

 ※2垓年をかけて磨き上げてきた『戦闘思考力』が生きた形。肉体は失われても、『武の真髄に対する理解』は消えていない。これはとてつもなく大きなアドバンテージである。


・当人の意図に反し、センの言葉が事実上の法律として扱われ始める。

・世界各国の政策は、センの助言を前提に決定されるようになる。

・国際会議では『偉大なる救世主センエースの見解』が最終判断材料となる。


・世界の政治、軍事、経済、安全保障は、事実上センを中心に回る体制となる。

・ISAは、その秩序を裏から管理する組織として機能していた。


・この頃には、センエース教はすでに世界を統べる宗教へと発展していた。

・信者数は世界人口の9割を優に超えている。


「おい、こうなったら全面戦争だ。ISAの総力をあげて、あのクソキモいカルト集団を殲滅しろ。お前らなら出来るだろ。最強天才集団なんだから!」


 その命令をカルゲは軽く流す。


「信者の数が多すぎて、もうどうしようもないな。受け入れるしかない」


「ふざけるな。方法はあるはずだ。たとえば、各国の教会に大量のナパーム弾を撃ち込むとか! 信者を大量に誘拐して、一人一人惨殺する映像をネットに流すとか!」


「……やれと命じられれば実際に実行するが……いいのか?」


「その程度じゃ手ぬるいか。もはや、各個撃破は意味をなさない……そうだ、お前ら、ストライクフリーダムガン〇ムを作れ! お前らなら余裕だろ! 150体ぐらい作って、ドラグーンを飛ばしまくれば、今日中に全ての狂信者どもを殲滅できるはずだ! 俺のことを神扱いするようなイカれた連中に生きる価値はない。反逆者には死を! ザップ、ザップ、ザップ!」


・セン本人はずっと宗教化を止めようとするが、信者たちは勝手に神格化を進めてしまう。『特に狂気的』なのが『ISA長官のカルゲと、超天才万能美少女の星桜の二人』というのが最大のポイント。凄まじい知性と力を持つ彼女たちが喜々として、率先してセンエース教を推進させているので、この流れを止めることは極めて難しい。


「……どの世界でも、最終的にこうなるのはなんでだ……俺が何をしたってんだ……俺は、悪いことなんて何もしていないのに……どうして、みんなで寄ってたかって嫌がらせしてくるんだよ……」


「くそが……もういい。どうせあと数年もすれば、トラック転生できるんだ」


「……次の世界では、もっと慎重に動こう。俺の存在をとことん消して、静かに、豊かに、丁寧に……」


「そうだ……俺は影の庭になるんだ。影に潜み、影を狩る者に……」



 ★



 ――センエース、『16歳』の秋。

 ISAの特例措置で飛び級し『ハバ卒(主席扱い)』となっているため高校には通っていない。

 世界救済に忙しかったセンは、通常の教育課程を一切踏んでいない。

 義務教育から高等教育に至るまでの段階的な履修は、ISAが設けた特別総合型選抜審査によってすべて省略されている。

 根性、適応力、実務処理能力、実践的問題解決能力――あらゆる指標において既存基準を大きく上回ると認定され、年齢制限は形式的な意味を失った。


 戦闘能力に関しても同様である。

 身体制御、反応速度、状況判断、対人戦闘技術――いずれも地球人の到達可能域としてはすでに上限に達していると評価されている。


 それは伸びしろの否定ではない。

 既存の訓練体系の内部では、これ以上の飛躍が定義されていないという意味での『完成』。


 経歴、実績、スペック。

 いずれを切り出しても欠落はなく、例外もない。


 人類が想定しうる理想値を、現実の座標に落とし込んだ存在。

 救世主センエースは、そう定義されていた。




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― 新着の感想 ―
カルゲと星桜の狂信が最強の壁すぎるISAの有能さが、 セン様を追い詰める方向にしか働いていない……。
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