表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒーローごっこをしていただけなのに、気付いたらカルト教祖になっていました。  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/108

85話 きれいごとはいらない。


 85話 きれいごとはいらない。


「――『バカ親を捕まえて終わり』じゃ意味ねぇ」


 ISA会議室でセンは言う。


 提案されたのは、

 新しい管理システム。


 一言で言えば、児童保護施設と親の矯正施設の併合。


 子供を隔離したり、

 虐待親を刑務所に入れるだけではなく、

 親子ともども、心理矯正と教育を受けさせる施設。


「親になるのに資格は必要ないが……『覚悟のないバカ』には『資格』を強制的に獲得させる。まずはガキが受けた痛みをそのまま与える。同時に、強制労働と、極端なほどの厳格な生活を強いる。必要なのは、二度とここに戻ってきたくないと心底から思い知らせること。痛みなくして人は反省なんかしねぇ」


「何をしても反省しない者はどうする? 罪人の大半は出所後に再犯する」


「どれだけの痛みを受けても反省できないやつは、社会から永久に断絶する。命の最前線に、きれいごとはいらない。命は平等じゃねぇ。まっとうに頑張って生きている奴の命は、手前勝手な罪人の命の万倍重い。ミスを反省する気があるなら、例え人殺しであっても、まっとうなやつカテゴリに入れておいてやってもいいが、反省する気すらないゴミは人じゃねぇ。血の色すら聞いてやりたくないね」


 ★


 施設の建設資金。

 それは、センの未来知識から生まれていた。


 未然に回避された金融危機。

 先読みされた資源市場。

 適切なタイミングでの国家投資。


 世界は大きな損失を回避し、

 その一部が、静かに回される。


 それプラスして、星桜が正史でやっていたように、

 犯罪組織が貯め込んでいた金をゴッソリと回収していく。


 金を集めるために、センは一切手を抜かない。

 金の重みを、センエースは正しく理解している。


「金は命より重い……時もあるっ!」



 ★




 ――施設の運営記録を眺めているセンに、

 カルゲが、


「どうしてそこまで聖人でいられる?」


 そんな質問を受けて、

 センは、モニターを閉じると、

 鼻で笑い、


「はい?」


「望めばなんでも手に入る身分でありながら、なぜ、己の欲望ではなく他者の安寧を求める?」


「この世で最も愚かな質問の一つだな、レオ〇オ」


「カルゲだ」


「短絡的にモノを見るのはアホの愚行だぜ、カルゲたん」


 センは鼻で笑ってから、


「あのユズってクソガキは、放っておくと、将来、存在値数百京ぐらいのバケモノになる。他のネグレクト経験者も、似たような結果になる可能性は十分にあるだろう。第一アルファ人はポテンシャルが有能すぎて、悪側に上振れした際のマイナスインパクトがデカすぎる。その芽を摘んでおくことは、将来的な俺の利益につながる」


「……」


「でかい家だのいい車だのうまい酒だの、そんなもんいくらあっても、『全部をぶっ壊そうとしてくる巨悪』の前では何の価値もねぇ。最優先すべきは世界の安寧。世界が終われば俺も終わる。目先の金より、巨悪になりうるガキの隔離。ただの損得勘定だよ。俺は俺の利益のためにしか動かない」


「……」


「なんだ、その目は」


「あと80年はやく産まれていたら……星桜と同じく、君にプロポーズしていたよ」


「たかが80年を、遠い数字みたいに呼ぶんじゃねぇよ。こちとら2垓年生きてきて、その上で、また2垓年生きようとしてんだぞ」


「ふふ……凄まじい話だ」


「アホな話と言ってやってくれよ、せめてもの慰めに」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
あの厳格なカルゲにプロポーズしていたと言わせるセン様、魔性の赤子すぎます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ