64話 プラチナスペシャルの効果をナメてはいけない。
64話 プラチナスペシャルの効果をナメてはいけない。
「クソッッ!! どこまでも、腹の立つクソアマぁあ!! もういい! イジメてやろうと思ったが、このまま奪い取ってやるぅう!! クイーン・ジャイアニズム発動ぉおおお!!」
ミカンを奪い取ろうと、スペシャルを発動させた……
が、
しかし――
「はぁあああ?! なんで?! なんで、発動しない!!」
(もしかしたら、あのミカンとかいう女が持っているプラチナは『貴様と戦った際に絶対勝利できる』などの効果を持つのかもしれん。その場合、敗北に直結するスペシャルを発動させることは出来ない……)
「どんっだけ……イラつかせれば、気がすむんだ、あのクソアマァああ!」
(落ち着け、ユズ!! 勝機はある!)
「……勝機? どんな? あいつは、アタシに絶対勝てるかもしれないんだろ?」
(……『貴様には』な。だが――)
★
一方、そのころ、『自分の世界』に閉じこもっていたセンエースは、
「だめだ……いくら考えても、まったく思いつかない」
いまだ、何も知らず、呑気に、自分の評判を下げることを考えていた。
「強大で極悪な敵とか出てきてくれたらなぁ……そいつと相討ちになったフリして、この世界からフェードアウトするとか、そんな方法も取れるんだが……でも、それをすると、俺のあとを追って自殺するやつとかが出てきかねないんだよなぁ。……ぁあ、イライラする……なんで、そんなアホな心配しないといけないんだ……俺の死なんか、昼下がりのコーヒーブレイクとなんら変わらない平穏なものだろうが、ぼけがぁ」
などと、錯乱した事を口にしつつ、
そこで、センは時間を確認した。
「そろそろ、俺が引きこもってから3時間ぐらいか。……これ以上、黙って留守にすると、またごちゃごちゃ言われそうだな……いったん、報告だけしに帰るか。……マジで、なんで、そんなこと考えないといけないんだ。たかが数時間にビクビクと。……鬼嫁と結婚した旦那か、俺は。……ああ、窮屈だ、息苦しい……自由になりたい……」
ダルそうに頭をかきながら、魔法の扉を開き、第2アルファへと戻る。
その途中で、センは、心の中で、ボソっと、
(? そういえば、最近、ユズの声が聞こえないな……なんでだ?)
★
「――くはは!! やはり、『私』が主導権を握ってしまえば、特効効果は発動しなかったな! あくまでも、『クズノハユズ』だけに発動する効果だったらしい! 残念でしたぁ!」
霊廟で一人、『仮面邪神バチャル』は天をあおぎ、
「いやぁ、しかし、素晴らしい力だ! 存在値100京!! ただの幻覚ではなく、事実としてたどり着いた極致! 私こそが、真に完成した邪神!」
恍惚の表情で、自分に酔いしれながら、
「全ての上に立つ、完全なる邪神! それこそが私!」
ミカンへの対抗策として、ユズが選んだ手段は、『肉体の主導権をバチャルにゆずる』というもの。
ミカンのスペシャルを封殺したバチャルは、そのまま迷うことなく、『クイーン・ジャイアニズム』で、この場にいる全員を奪い取ってしまった。




