63話 勝機。
63話 勝機。
「あぁあああああ! ああああ! 目ぇええええ! 痛いぃいいいい!!」
――ミカンの刺突で、片目を潰されたユズは、激痛と混乱でパニックになる。
即座に回復魔法を使いつつ、
「うギィイイ! はぁ?! なんでだ! どういう……はぁああ?! アタシは存在値50京以上ぞぉおお! 730ぽっちの攻撃が通るわけねぇだろぉおお!!」
痛みにもだえながら、巻き舌で叫ぶユズ。
――と、そこで、地に伏せながらも、実はずっと、チャンスをうかがっていた『パメラノ』が、
「ヴィクトリア・トップシークレットの効果か……なんという幸い! ぬしらの間にどんな因縁があるか知らんが……この好機、逃さんぞ!! 『妖光龍腕ランク12000』!!」
魔法を使った瞬間、パメラノの身体がギニニニっと不定形の状態に変形し、シュバっと、ミカンの腕に絡みつく。
そして、一瞬で形成される、メタリックに輝く龍の腕。
「ミカン! わしを『装備品』とすることを許可する! 魔力もオーラも、根こそぎ注いでやるから、あのクズ女を殺せぇええええ!!」
パメラノに続くようにして、アダムたちも、ギラっと目を光らせる。
『龍腕』や『龍脚』などの『自身の肉体を他者の装備品にする魔法』を使い、ミカンの鎧になっていく女神たち。
その際に、引きちぎられたミカンの腕を魔法で回復させることも忘れない。
――全身をゼノリカ龍装備で揃えたミカンの現在の存在値は『8京』以上!!
『個々の存在値をそのまま足し算する計算式』ではないので、
ユズの数値と比べれば『目を見張る数字』ではないものの……
――しかし、これなら、十分、抗える!!
そんなミカンに、ユズが、
「くそメスブタぁあああ! ちょっと数値がマシになったからっていい気になるなよ!」
「うるさい、クズビッチ!! 死ね! ――『クズ突き』――」
「そんな遅い攻撃が当たるわぎゃあああああ!!」
ミカンのクズ突きを避けようとした。
が、しかし、なにかに抑えつけられるように、ユズの身体は硬直してしまった。
棒立ちになったユズの眼球に突き刺さるミカンの一撃。
またもや大ダメージで大騒ぎ。
「なんだ、これぇえ! なんで避けられない!!」
と、わめいていると、彼女の仮面『バチャル』が、彼女の心に話しかける。
(どうやら、とてつもなく高位の『プラチナスペシャル』が働いているようだ。効果は、おそらく、貴様に対する特効系。『防御力を無視した定数ダメージ』と『回避無効』が発動している様子。……つまり、あの女は、この世界で唯一、貴様を殺せる可能性をもった女!)




