41話 上限。
41話 上限。
「本物の強さの前では何の価値もない!!」
バチャルは必死に、そう叫びながら、
「跡形ものこさず、爆散するがいい!! 廃滅爆撃ランク24!!!」
最大火力の魔法を放ってきた。
今度は打ち消されることなく、シッカリと、
ドガァアアアアアアアン!!
と、盛大に、センの肉体を滅ぼさんと、大爆破が起きた。
「ふははははははは! そうだろう! そうだとも! 存在値1垓などありえん! これが現実! 私より強い者など、この世には一人たりとも存在しな……え……」
煙が晴れた時、そこには、無傷のセンが立っていた。
センは、あくびを一つはさんでから、
「くだらん技だな。ただホコリを巻き上げるだけか」
「ぁ……ぁ……な、なぜ……」
「ちなみに言っておくと、お前より強い奴なら、ゼノリカに500人以上いるぞ。幹部連中は、全員『特別固有神化』が使えるからな。ちなみにその中だと、一番弱いやつでも『存在値5000兆』を軽く超えている」
「500人? 5000兆? な、何を言って……」
「非常識な集団だよな。死ぬほど時間をかけて鍛えまくったら、全員、バグったように強くなってしまった」
「……意味がわからない……貴様が言うことは……何一つ分からない!! いったい、何を言っているんだ、貴様はぁああああ!」
「うるせぇなぁ……つぅか、頭が高ぇよ。俺様をどなたと心得る。その辺、俺はあんまり詳しくないんだけど、どうやら、俺は、この世界で一番偉い王様らしいぞ。マジかよ、終わってんな。無敵となった記念に消してやろうか、こんな世界」
瀟洒な言葉を起動の合図にする。
ビシっと音がしたと思ったと同時、
バチャルの下半身が消滅して、ドサっと頭から地面にダイブ。
「ぐはっ! はぁあああ?!」
一時遅れて、自分の状態に気づいたバチャルは悲鳴を上げた。
即座に『欠損治癒』の魔法を使って回復させようとしたが、
「なっ、なんで治らないぃい!」
「なんで、って……『回復阻害』の魔法を同時に使ったからだよ。バラモウイルスぐらいはご存じだよね。ランク30000以下の回復魔法は全部無効化する」
「……ランク30000の魔法なんか存在するわけねぇだろぉお! ランク魔法の上限は『25』なんだよぉ! 存在値の上限は『999』だ! ああぁ!!! なんだ、なんだ、これは! なんだ、この悪夢はぁああああ!! 醒めろ醒めろ醒めろ、醒めろぉおお!!」
「深い絶望を前にして、夢だと思いたくなる気持ち……分かるぜ。痛いほどな。俺も、現在進行形で経験中。『勘違いで俺の事を過剰に崇拝している連中が天文学的数字で存在する』っていうこの悪夢。夢ならはやく醒めてくれ、後生だからよぉ」




