39話 命の答え!
39話 命の答え!
バチャルは、ニタリと黒く微笑んで、
「貴様のような強者と戦えて良かった。おかげで……己の強さに酔いしれることができる。ああ、私の強さは……無上の高み。私こそが完璧で最強の個」
自己陶酔しつつ、腰を落とす。
低い姿勢で、踏み込み足に体重を乗せて、
「魔極霊弾ランク24!!」
カウンター気味に、右手へ集めた魔力を、ミカンの腹部へ押し付けていく。
「がっはぁああああっっ!!」
凶悪な一撃がクリティカルヒット。
これほどの一撃に抗える耐久力などミカンにない。
そのまま、ドサリと、力なく、気を失って倒れる。
完璧に気絶してしまったミカン。
邪神バチャルは、恍惚の表情で天をあおいで、
「素晴らしい。世界最強の女帝ですら、私の前では、何もできずに地に伏せる。私こそが最強……すべての頂点! 私こそが命の答え!!」
などと陽気な戯言をのたまっているバチャル。
と、ここで、それまで黙って見ていたエンスが、拍手をしながら、
「すごいよ、バチャルさん。お前の強さは本物だ。ただ、タイミングが悪かったな。……出てくるのが、実時間で、あと90世紀ほど早かったら、ワンチャンあったんだが……いやぁ、惜しい」
「そこのゴミ……存在値100程度のカスが、私の前で、許可なく口を開くな。無礼者」
バチャルは、クイっと右手を動かし、無詠唱で、爆裂の魔法を使った。
エンスの体内を爆破しようとしたのだが、しかし、何も起こらない。
シンと、静かな時間が流れるのみ。
「? な、なぜ……爆破しない……」
何が起こったのか分からず困惑しているバチャルに、
エンスは、優しげな微笑みを向けて、
「悪いな、バチャルさん。そんなショボい魔法はオートで処理できちゃうぜ。お前が強いのは事実だが……それは『現世』レベルでの話」
そう言いながら、エンスは、チラっと、ミカンに視線を向けて、
(……ミカンのプラチナスペシャル『ヴィクトリア・トップシークレット』は、『努力さえしていれば、誰が相手でも勝てる』というチートスペシャルのはず。なのに、バチャルに勝てなかったのは、努力が足りなかったからか? うーん……『ミカンは、再連の訓練で、かなり頑張っている方』って聞いていたんだけどなぁ)
頭をぽりぽりとかきつつ、天を見上げて、
(……あるいは、ミカンのスペシャルは、『特化型の努力じゃないと花開かない』みたいな性質だったり? 『努力量が一定以上ならだれでも勝てる』とかではなく、『Aさんに勝ちたいと願い努力をつづければ、そのAさんには絶対に勝てる』……みたいな?)
などと考えつつ、ゆったりとしたペースで歩を進めて、バチャルとの距離を狭めていく。
「き、貴様……ただの雑魚ではないのか? いや、しかし、私の『セブンスアイ』が見通した貴様の力は間違いなく存在値100……」




