38話 第2アルファは破格の世界。
38話 第2アルファは破格の世界。
「俺がピンチになった時は全力で助けてくれ!! 頼んだぞ!!」
食い気味に『避難勧告』を受け入れたエンスは、
『いつでもミカンの盾になれるポジショニング』をサーチしつつ後ろに下がる。
そんなエンスの『繊細すぎて変態な心配り』になど気づけるわけもないので、
ミカンは、
「……」
一度、ギロっと本気の不快感でエンスを睨む。
しかし、すぐに、
「……ふぅ」
深く息を吐いて、目の前の敵に集中。
丸投げされたことに対して、多少思うところはあったものの、
ミカンは、純粋に戦意を高めて、キっと前を向く。
そんな彼女に、バチャルは、
「そこの女……貴様、破格のオーラをしているな。とてつもない潜在能力……ふむ。貴様が、この世界の天帝だな。くく……」
「私は『栄えあるゼノリカの天下、再連323班のミカン』だ」
「人間の天帝らしい、ずいぶんと長ったらしい名前だな。面倒なので、天帝と呼ばせてもらう。さあ、行くぞ、天帝。貴様を殺し、この世界の生命をすべて殺し……この世のすべてを終わらせる。それが私の……邪神としての責務!!」
そう言いながら、全身のオーラと魔力を増幅させていく。
その様子を尻目に、エンスは、
(……存在値980か。マジでエゲつないぐらい強ぇな。『現世』の邪神ってのは、だいたい、存在値500ぐらいなんだが、こいつは群を抜いている。さすが、『第2アルファ』の邪神様は格が違った。第二アルファって、『原初の世界』や、俺の故郷である『第一アルファ』が、あまりにぶっ飛びすぎていて、あまり目立っていないが、普通に色々と規格外なんだよねぇ)
そこで、ミカンが、
「うぉおおおおおお!!」
バッチバチのオーラを纏い、
「砕け散れぇえええ!!」
問答無用で、バチャルに特攻を仕掛けた。
爆速の接近戦。
バチャルは、ミカンの剣を軽やかに避けると、
「存在値730……素晴らしい数字だ、この世界の天帝よ。人類最強の英傑よ。しかし、相手が悪すぎたな。私の存在値は、貴様を遥かに凌駕している。――闇剣乱舞ランク23」
魔法を使うと、バチャルの周囲に、数百本の『闇色の剣』が出現して浮遊する。
その剣たちは、ヒュンヒュンと空間を切り裂きながら、ミカンに襲い掛かった。
「ぐっ! ぁあああっ!!」
秒でズッタズタにされたミカン。
「ぐぅ……うぅ……」
全身血だらけでフラつきながら、
「く、くそ……こ、こんなところで……死んで……たまるか!」
生への執着を総動員させて、ミカンは踏ん張ると、
「死斬ランク21!!」
剣に『即死効果を持つ魔力』を乗せて、気力を振り絞る。
グンと加速し、バチャルの首を刈ろうと全速。
素晴らしい速度と技術。
そこらの雑魚なら一刀確実。
――だが、今回は相手が悪すぎた。




