33話 200『兆』年の旅路。
33話 200『兆』年の旅路。
全ての世界の『外側』に存在する『原初の世界』は、
他とは比べ物にならないほどの狂気が渦巻く地獄の中の地獄だった。
末期のソシャゲぐらいの勢いで『存在値』はインフレしまくり、
敵の強さは『億』を超え、
あっさりと『兆』を超え、
――ついに『京』の領域に至った。
そんな、厨二妄想の具現化みたいな世界『原初の世界』で、センエースは、
これまでとは比べ物にならない規模の力を持った『全世界、全宇宙の全てを飲み込んでしまう邪神――蝉原勇吾』という絶望と対峙する事となる。
『蝉原勇吾』は、『閃壱番』と同じく、
『第1アルファ(日本がある世界)』出身の天才的なカリスマ極悪人。
……もっと言えば、中学が同じで同級生だった。
クソ陰キャでしかなかったセンとは違い、
蝉原は当時から、全てにおいて無敵のスペックを誇る真の超人。
カリスマ・才能という点で言えば、センに勝ち目は一切なかった。
★
センエースを遥かに超えた才覚を誇る究極超ヤクザ『悪神セミハラユーゴ』。
セミハラは、原初の世界で、最強のラスボス『純粋悪の原初邪神』と融合し、常軌を逸した覚醒を果たした。
確定的な世界滅亡を前に、
センエースは、必死に考え抜いた末、
一つの『狂気的な決断』を下した。
それは、常軌を逸した地獄の愚策。
――センエースは、『死銀の鍵』というタイムリープ用アイテムを使い、狂気じみたパワーレベリングを実行したのだ。
この鍵は、『センエースが死亡すること』をトリガーに発動し、時間を巻き戻す効果を持つ。
前提1。センエースは世界最強級の存在であるため、一度倒すだけでも、莫大な経験値が発生する。
前提2。『魂の系譜』で繋がる配下たちが強くなれば、その主人であるセンエース自身もまた強くなる仕組みになっている。
結論。センエースは、『自分自身を配下たちに何度も殺させる』という、常軌を逸した修行を始めた。
もっとも、配下たちは『偉大な主を殺すなど出来ない』と拒絶したため、センエースは『記憶と認知に干渉する魔法』を使い、彼らがセンエースをセンエースだと認識できないようにした。
そうして、センエースは配下と戦い、
殺され、経験値となり、
『死銀の鍵』によって時間を巻き戻し、再び配下に挑む。
――そんなことを、
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、
――繰り返した。




