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ヒーローごっこをしていただけなのに、気付いたらカルト教祖になっていました。  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中


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31話 聖典に対して懐疑的。


 31話 聖典に対して懐疑的。


「ははは、そんなマジな顔すんなよ、ミカン。俺、ちょっと頭がバグってんだ。テキトーな戯言ばっかりを垂れ流してしまうっていう『深刻な病気』でな。つい、『中身のない言葉』で世界をケムに巻こうとしてしまう……俺は、自分のこの病態を『ファントムトーク症候群』と命名している。どうだ、多角的に痛くて可哀そうだろ? 泣いていいぞ」


「よく、そんな危ない精神状態で……これまで、粛清されずにやってこられましたね」


「ゼノリカは理不尽な組織じゃないからな。『救いようのないバカだ』って理由だけで処分されることはねぇよ。もし、『ファントムトーカーだから』って理由だけで粛清されそうになったら、俺は社会倫理と指向性道徳と基本的人権を盾に抗うぜ。言い分が通らなかったら戦争だ! センエースがなんぼのもんじゃい! とんでもなく長い時間を積んだ神だか何だか知らんが、俺がその気になれば、ワンパンよ! 俺は俺より強い程度の雑魚に負けない! ヒーロー見参!」


 ケラケラと笑いながら、そんなことを言うエンスに、ミカンは、神妙な顔で、


「エンス様……一つお伺いしてもよろしいですか?」


「トイレなら、あっちの角を右に曲がって、突き当りを左に――」


「エンス様は……神帝陛下がソウルゲートと呼ばれる特殊な異次元神聖空間で200億年もの長きにわたり修行をしたという話について……どのような感想を持っておられますか?」


「特に何も。俺、あいつに興味ねぇから。アホの童貞を気にするほどヒマじゃねぇのよ。なんせ忙しいから。こうしている今も、俺は『究極超神化10』の背中をぼんやりと見据えている」


「あなたの発言は、最初からずっと、意味不明かつ、一線をこえすぎです。流石に自重しましょうよ」


 タメ息交じりにそう言ってから、


「本音を言いますが……正直、私は、聖典に対して懐疑的です」


「わかるぜ。美化しすぎていて信用ならないよな。書いたやつ頭おかしい。いまから一緒に、これから一緒に、殴りにいこうか?」


「……美化……というか……誤解……でしょうか」


 返事をしながら、ミカンは心の中で、


(本当のところは分からない。けど、たぶん、小さな誤解が積み重なって……それで、今みたいに奇妙なコトになったんじゃないかな。感情暴走の収集がつかなくなって、本当に伝えたいことが隠れてしまっている……そんな悲劇……)


「同意見だぜ。……幹部連中は、センエースの言動を、誤解し、自分達にとって都合がいいように塗り替えている。盲目的に理想を押し付けて、現実から目をそらしているんだ」


「……あまり大きな声では言えませんが、正直、私もそう思います」


「とことん気があうねぇ。どう? 今夜、ウチくる? ハナシ聞こか? ウチの家、猫もいるよ」


「……」


「ははは、そんな疲れた顔するなよ。あ、ちなみに、猫は嘘だけど、ヨグ=ソトースなら飼ってるぜ。めっちゃ嘘つきで、一ミリも言う事聞かなくて、まったく可愛くないけど、どうしてもっていうなら、撫でさせてあげてもいいよ」


「……はぁ」



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ファントムトーク症候群、切なすぎる病名です。
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