93話 無限湧きスポット。
93話 無限湧きスポット。
世界が最低限の安定を取り戻したあとは、
ただひたすらに強さだけを求めて、孤高に駆けずり回った。
他のすべてを削ぎ落とし、高みだけを見つめる。
より高く。
より深く。
より絶対的な領域へ。
狂った修羅のように、病的に、執拗に。
血反吐を吐こうが、骨が軋もうが、精神が擦り切れようが、そんなことは問題にしない。
戦い、学び、また鍛える。
新しい発見は無限に存在する。
自分を追い込み、自分を削り、自分を作り替える。
それを延々と続ける。
狂ったように、ただひたすらに。
★
果て無く強さを追い求める中、なにより重視したのは、世界中の『モンスター湧きポイント』の探索だった。
「結局、無限湧きスポットで狩り続けるのが最短最善なんだよなぁ。でも、スライムじゃ経験値効率が微妙。どこかに、上位個体が湧くスポットないかなぁ」
火山の奥地。
深海の裂け目。
古代遺跡の地下。
魔力が濃く淀む森の中心。
常人なら近づくことすらできない危険地帯を、センは片っ端から踏破していった。
そして――
ついに、それを見つけた。
世界の果ての山の奥のさらに奥。
青白い炎がゆらめく巨大なクレーター。
空気そのものが焼けるように震え、
その中心から、定期的に『一羽の巨大な不死鳥』が生まれ落ちる。
完全な無限スポーン。
「マジかよ! 『イレイザーフェニックス・アズライト』が無限湧きするポイントを見つけたんですけどぉ!! まさか、この第三ベータにそんな隠し要素があったとは! うっひょぉおおおおおお! これならいけるぞ!! あとは死ぬまで、ひたすらアズを狩り続けて『毘沙門天の剣翼』を死ぬほど強化してやる!! これだけイカついロケットスタートを決められたら、このあと転生する世界でも、加速度的に強くなれるぞ!! 戦争やバグ戦やバーチャ戦でも、だいぶ有利に動ける!! ひゃひゃひゃひゃ! 覚悟しておけよ、カスどもぉ! 約束しましたよねぇええ! 地獄以上の恐怖を見せてあげるってぇえ! じわじわとなぶり殺しにしてくれるぅうう!」
狂気じみた笑い声が、火山地帯の空にこだました。
その直後。
青い不死鳥が、再び炎の中から生まれ落ちる。
センは笑ったまま、剣を構えた。
ここからセンは、寿命で死ぬまで、不死鳥とエンドレスワルツとしゃれこんだ。
★
――その後も、センの転生は続いた。
生まれ落ちる世界がどれだけ変わろうと、やることは一切変わらない。
闇に潜ったまま、世界のゴミを処分し、胸糞な理不尽を掃き出す。
そのうえで、『隠し要素』を一つ残らず洗い出す。




