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第12話:村に咲いた微笑みと、新たな出会い

ダンジョンの初戦を終えた悠斗は、疲れた身体を癒すため、いったん村へと戻っていた。


夕焼けの色が石畳の道を赤く染め、村の家々の窓には、ぽつぽつと明かりが灯り始めていた。

穏やかな風が吹き、草の香りが漂う。戦いの緊張が、少しずつほどけていく。


そんな中――


「こら、また畑を踏んで! 悪戯するならゴーレム投げるわよっ!」


どこか活気のある声が、村の南の農地から響いた。

悠斗がそちらに視線を向けると、そこには一人の少女の姿があった。


やや小柄で、ふわふわの栗色の髪。

エプロン姿に土のついた手、だけど不思議と華やかさを感じる顔立ち。

そして、服の上からでもわかるほど――豊かな胸元が、風に揺れていた。


「……え?」


悠斗は思わず立ち止まってしまった。


彼女は畑のゴーレム(小さな土の使い魔)に指示を出しながら、悪戯っ子たちを追い払っている。

怒ってはいるが、どこか優しさのにじむ声。

子供たちも慣れているのか、笑いながら逃げていった。


「ふぅ、まったく……あの子たち、また明日も来るわね……あら?」


少女がこちらに気づいた。


「……もしかして、あなたが例の“異世界から来た人”?」


悠斗は少し戸惑いながら、うなずいた。


「あ、はい……大学生で、名前は悠斗です。あの、どうして知って――」


「ふふっ、噂くらいすぐ広がるわよ。うちの畑の野菜より速いんだから」


にこっと笑って彼女は手を差し出した。


「私はミリア。村で農業ギルドを手伝ってるの。見ての通り、ゴーレム育成担当よ」


ゴーレムといっても、彼女の使うものは可愛らしい手のひらサイズ。

畑の土を耕したり、水を運んだりと、まるでペットのように動いていた。


「ミリアさん……農業系の……」


「でも、見ての通り――戦えるわよ?」


そう言って、ミリアは腰のポーチから取り出したのは、小さな種のようなもの。

それを地面にポンッと投げると、次の瞬間――


ズゴンッ!


そこから地面を割って、大きな土の腕が生えたようなゴーレムが現れた。


「わっ!? な、なにこれ!?」


「これは“バトルゴーレム”。私の“成長魔種グロウシード”で育てたの。

農業用とは別に、ちゃんと戦闘用もあるのよ」


悠斗はただただ驚いて見ていた。

ミリアの魔法は、戦闘だけでなく“成長”や“育成”に特化しているという。


「……じゃあ、君も冒険者?」


「ううん。正式には違うけど、村を守るためにちょっと訓練してるって感じ。

本当は、育てる方が好きなの。作物も、魔法生物も」


そう言って微笑む彼女は、どこか自然体で、あたたかかった。

その柔らかい笑顔と、やわらかい胸元がゆらりと揺れて――


「……えっと、大丈夫?」


「へっ!? あ、ご、ごめんなさいっ!」


思わず目線を外した悠斗に、ミリアはクスッと笑った。


「気にしないで。よく言われるから、慣れてるの。

それより、あなた、最近ダンジョンに行ったんでしょう? 少し気になるの。案内してくれない?」


「え?」


「私もね、魔物の性質とか素材とか、育成に使えるか気になってて。

一緒に行けば、新しい“魔法種”を作れるかもしれない」


――こうして、悠斗は新たな仲間を得た。


農業魔法と育成に長けたミリア。

彼女は、これから悠斗の変字スキルやガチャ装備にも深く関わってくる存在になる――。

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