表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/22

第11話:夜のダンジョンと、静かなる戦い

夜の空に月が浮かび、薄雲がその輪郭をぼんやりと隠していた。

村の外れにある森の道を抜けた先――そこに、“ダンジョン”と呼ばれる場所があった。


それは地面がぽっかりと開いたような、巨大な亀裂だった。

中からはほの暗い青い光が漏れ、不気味な風が吹き上がってくる。


「ここが……ダンジョン」


悠斗は深呼吸をひとつして、背中に鬼剣、腰に月影の長剣を携えて、静かに足を踏み入れた。



【ダンジョン名】:夜哭やこくの穴

【階層】:地下型・10階層構成(※現在は階層1のみ開放)

【特徴】:夜型魔物が徘徊。視界が暗く、足音が響きやすい。

【推奨スキル】:隠密・静音・素早さ系スキル



内部はまるで洞窟のようだった。

天井は高く、ところどころに青白い苔が光っている。

その静寂に、悠斗の足音すら目立ってしまいそうだった。


しかし、今の彼には強みがある。


――月影の長剣、音を抑える静かな刃。

――鬼剣、防御を削る重たい力。

そして何より、両手に武器を持つ二刀流という新たな戦い方。


「……敵はどこにいる?」


そのとき、岩陰から、ぬるりと何かが這い出してきた。

黒い体に青白い斑点、眼だけが光るその姿は、夜の闇そのもののようだった。



【魔物名】:ムーンシェード・ビースト

【種族】:夜獣やじゅう

【特徴】:光に弱く、音に敏感。暗闇で素早く動く。

【弱点】:月光系攻撃、連撃による動きの制圧。



「来たか……!」


ムーンシェード・ビーストは、カサカサと這うように近づいてくる。

その動きは速い。だが、悠斗の心は落ち着いていた。


「いくぞ!」


まずは月影の長剣――静音の一閃!

風を切る音すらないまま、悠斗の刃が魔物の脚を切り裂く。

悲鳴すらあげず、魔物はよろけた。


次に鬼剣――力任せの重斬!


「喰らえっ!!」


ザンッ!!


鬼剣の一撃が、魔物の装甲を砕くように斬りつけた。

続けざまに月影の長剣で切り返し、二度、三度と素早い連撃!


“斬る”と“砕く”――

二つの剣が交互に交わり、魔物は反撃の隙を失っていった。


やがて、ムーンシェード・ビーストはよろよろと後退し、最後の一撃を受けて倒れた。


スッ……


その体が溶けるように崩れ、残されたのは、きらりと光る金色のコインと、透き通るような言葉のかけら。



【戦闘勝利!】

・ガチャコイン ×2

・変字素材「静」 ×1を入手しました。



「これは……“静”の文字?」


それは、ガラスの破片のように透明な文字だった。

悠斗はそっとそれを手に取り、鑑定スキルを使う。



【変字素材】:せい

・用途:変字スキルによる装備やスキル名の変更素材

・効果:変換時、対象に“気配を消す”特性を付加することがある



「……これを武器名に加えたら、もっと静かに動けるようになるのかも」


言葉と文字が力を持つこの世界で、悠斗の能力は着実に広がっていた。


ガチャで得た装備。

変字で進化させた武器。

そして、自ら切り開いた二刀流という戦い方。


「これが……僕の冒険の第一歩だ」


ダンジョンの奥には、まだ多くの魔物と謎が潜んでいる。

だが、恐れはなかった。

武器があり、スキルがあり、進化の余地がある限り――


「この世界で、僕は強くなる」


悠斗は二本の剣を携え、次の階層への階段を見つめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ