〜4章: 勇者一行は不思議な運命へと誘われる〜 7話:リオは混浴を堪能する
7話:リオは混浴を堪能する
姫乃「それよりも、言う事があるんじゃないですか? 『アリス様』?」
シノブ?「姫乃…? 怒ってるの?」
姫乃「怒ってはいません。 ただ、何も言わずに出ていったのは良くないんじゃないですか? 私も心配したのですよ?」
シノブ?「……姫乃、急に出ていった事は謝ります。 ですがコレは仕方の無かった事なのです。 父に残された時間は長くないのですよ?」
姫乃「それは分かっています。ですが今、最後の希望とも言える星のペンダントを持った勇者リオ様がいらっしゃいます。 このチャンス、逃す手はないかと」
シノブ?「えぇ……姫乃、12時前に作戦決行です。 良いですか?」
姫乃「承知致しました。 シノブ様……いえ、フィーニスタウン王女、『アリス様』」
アリス「いいですか? 絶対にこんな事していると父に悟られては行けませんよ」
姫乃「……分かっています」
リオ「美味かったぁぁ!!!!!」
カイ「あんな沢山あったのに平らげちゃうなんて……めっちゃ食べたね」
ゲン「お前は昔から大食いだよな」
リオ「おうよ! 腹が減っては戦ができぬってやつよ!」
姫乃が持ってきてくれた料理を平らげた俺は畳の上にゴロンと横になる
カイ「ところで明日はどうするの? 物資の調達は済んだしもう明日にはフィーニスタウンを出ちゃう?」
ゲン「うーん…実は俺少しフィーニスタウンに用があってな。 魔道具店でヨルマさんと話していた人と会いたくてな」
カイ「あーあのなんかもう余命が数日しかないとか何とか言ってた」
あぁ、確かにヨルマがそんな事を言っていたな
ゲン「余命が数日と言われちゃ合わない訳にもいかないだろう。 だがお前達とそう簡単に合わせるわけにもいかなくてだな……」
リオ「その会いたい人って誰なんだ? ずっと気になってるんだけど」
そう俺が聞くとゲンは反応に困った様子で、
ゲン「その……言ってしまったらお前達…特にリオが会いたいと言い出しそうでなかなか言いずらくてな」
リオ「大丈夫だって! 俺はこう見えてちゃんと我慢出来る子だよ?」
カイ「言いづらいなら別に無理はしなくてもいいけど…教えてくれるなら教えて欲しいな」
そう説得するとゲンは
ゲン「う〜ん……確かにお前らなら大丈夫か。 いいか?驚かないで聞いてくれよ」
リオ「おうよ!」
カイ「おっけー!」
ココ最近は色々と衝撃的な事が多かったからな。余程の事でなければ驚いたりはしないはずだ
ゲン「……俺が会いたい人と言うのは、フィーニス城の主。 つまりフィーニスタウン国王だ」
リオ・カイ「「えぇぇぇ!?!?」」
ゲン「驚かないで聞いてくれって言ったのにめっちゃ驚いてるな」
リオ「いや、だって国王だろ!? あ!という事は今日このフィーニス城で寝泊まりできたのもお前が国王と知り合いだからだろ!」
ゲン「まぁ…そういう事になるな」
カイ「私達の知らない間にこんな大物達と知り合ってたなんて……」
ゲン「昔にイェワンタウン国王からフィーニス城へ赴くよう言われてその時に仲良くなってな。 それからはちょくちょく依頼とか貰って仕事してたんだよ」
リオ「へぇ〜……なんで俺の事呼んでくれなかったの?」
ゲン「お前は…なんか失礼働きそうでなんかな……」
リオ「おいゴルァ。 俺は売られた喧嘩は買う主義だからな?」
ゲン「そんなつもりは…お、おい! フードを掴むのはやめろ!」
俺がゲンのフードを引き剥がそうとしているとカイがニコニコしながら
カイ「ねぇ、私お風呂入ってくるね! 今日は疲れたし早く寝ようと思ってさ」
リオ「もう11時半前か……よし、俺らも入りに行こうぜゲン!」
ゲン「いや、俺は部屋にある風呂に入るよ。……そんな顔するなリオ。俺は食器類を片付けておくから早く行ってろ」
俺が不満そうな顔をしてゲンの顔を見つめているとそう軽くあしらわれる。
リオ「はいはい。 からかって悪かったって。 カイ、先行ってようぜ」
カイ「オッケー。 先行ってるねゲン」
ゲン「あぁ」
そうして俺とカイはゲンに片付けを任せ、先に大浴場へと向かうべく姫乃の言っていた7階へと向かった。
カイ「ねぇリオ。 さっきのゲンの話を聞いてて思ったんだけどフィーニス国王の病ってリオの星のペンダントで治したり出来ないのかな?」
先に大浴場へと向かうべく2人並んで歩いているとカイがそう俺に問いかけてくる
リオ「そうだなぁ…呪いや状態異常は治せるっぽいけど単なる病気とかだと厳しいんじゃないかな」
カイ「そっかぁ…まぁ試してみる価値はあると思うんだよね。 明日ゲンがフィーニス国王の所に行くってなったら試してみようよ」
ガタッ
リオ「そうだな……ん?」
なんだ? 今、後ろから物音がした気が
カイ「……? どうかした? リオ」
リオ「いや…何か今、物音がした気が…」
敵サーチスキルに反応は…ないな。 流石に城の中に敵がいるなんてことはないか
でも人の気配っぽかったし…となると城の人か? 俺の後をつけるような奴なんて……
なん…て……
カイ「ねぇリオ? ボーッとしてるけど大丈夫?」
リオ「……もしかしたらさっきの物音と気配シノブかもしれない」
カイ「あー確かにずっと見てないよね。 トイレ行ってくるって言ったっきり戻ってきてないし……どうする? ちょっと探してみる?」
リオ「……いや、風呂上がってからでいいや。 それにゲンが今部屋にいる訳だしもしかしたら部屋の方に戻ってるかもしれないしな。 きっと気のせいだ」
カイ「うーん…そうだね。 入れ違いになっちゃうかもしれないしね」
先程聞こえた物音に違和感を覚えながらも俺とカイは大浴場へ向かった
階段をのぼり、7階へ着くとそこには男湯、女湯、混浴と書かれてある。
リオ「……カイ」
カイ「な、何? 入らないの?」
リオ「混浴……だって」
カイ「そ、そうだね。 な、何? 顔が怖いよ?」
リオ「俺は混浴に入ってくるから」
カイ「そ、そうなんだ。 どうぞごゆっくり」
リオ「……入って、くるから」
カイ「うん。 ごゆっくり」
リオ「……俺はッッッ!!!!!」
カイ「早く行って」
リオ「はい……すみません……」
俺はカイの圧に負けて渋々1人で混浴に入る。
リオ「はぁ…何が悲しくって1人で混浴に入らないといけないんだよ……」
服を脱ぎながらそんな愚痴を呟いていると
???「はぁ〜極楽ぅ〜! この時間の混浴風呂は貸切状態だから最高だなぁ〜」
そんな声が浴場へと繋がっている扉越しに聞こえる。
更にこの声は男じゃなく女……
いや待て待て…まだ若い女の人と決まった訳じゃ…
???「それにしてもアタシにこんな事頼むなんてきっと何か理由があるんだよね?」
誰かと話してる? それにこの声聞き覚えが…
???「……なるほど。 リオ…ねぇ…うん。 知ってるよ。 さっきも会ったしね」
リオ「ッッッ!?!?」
俺の話!? それにさっき会ったって…まさか混浴にいる人って……!!!!!
姫乃「アタシ、あの子結構好きだよ? 少ししか話してないけどね」
姫乃さん!? えっ!? こ、こんな口調だったっけ?
姫乃「うん…うん…はいはい、分かってるよ。 それにこの後アリス様からお仕事頼まれてるし大丈夫だって!」
電話か何かで誰かと話しているのか…?
姫乃「うん。『星のペンダント』は私が回収する。 ミスはしないって」
リオ「ッッッ!?」
星のペンダント…! やっぱり狙われてたんだ! ま、まずい、星のペンダント部屋に置いて来ちゃった…ど、どうしようか……
姫乃「はいはい、情報ありがとう! じゃあまた」
姫乃がそういうと魔法が消える音がした。
……どうやら通信魔法か何かで連絡をとっていたようだ
姫乃「はぁ〜……アタシだって、こんな事したくないんだけどな。 アリス様…そろそろ上がったかな?」
リオ「……」
今、混浴には姫乃だけ。 そして俺は誰かと話してた所を聞いてしまった。 今入ったら聞いていたのかと怪しまれてしまうだろう…
怪しまれてしまったら警戒されてしまうだろうし…仕方がない、諦めて男湯に……
姫乃「それにしてもアタシもアリス様に勝てるよう少しは胸大きくなったかな…」
ピシャンッッッ!!!!!
姫乃「ッッッ!?!? あ、り、リオ様!?」
思い切り扉を開け、俺はそそくさと身体を流し露天風呂に入る。
姫乃「き、聞かれてた……? い、いやでもでも……」
姫乃が何かブツブツと言っているが、俺はそんな姫乃に
リオ「こんにちは、姫乃。 奇遇ですね、まさか混浴で会うなんて」
姫乃「え、えぇ、そうですね。 まさかこんな所でお会いするとは私も思いませんでした」
姫乃が激しく動揺しながら返事をしてくれる
ここは混浴だ。 俺は何も悪い事はしていないはずだ。 ただ風呂に入っているだけだ。 うん。
姫乃「あの……」
リオ「なんだい?」
俺が姫乃を熱い眼差しで見つめていると姫乃は顔を赤らめ
姫乃「その…あまり見つめられるとその…私も恥ずかしいと言いますか……」
リオ「あぁ、お気になさらず。 何せここは混浴ですから」
姫乃「そ、そうですね…こ、混浴ですしね…」
姫乃はかなり困惑している様子だ
……これは情報を聞き出すチャンスなんじゃ?
リオ「なぁ姫乃」
姫乃「はい!? な、なんでしょう…」
リオ「そういえば俺がこのフィーニス城に来た時確か俺が星のペンダントを持ってるかどうかを聞いてたよね?」
姫乃「あぁ…確かにお聞きしましたね」
リオ「それで俺が持ってるって言ったら「この話はまた後程……」って言ったよね? その続きって今聞いてもいいかな?」
姫乃「この状況でですか!? ただでさえ私今のこの状況に結構混乱してるんですよ!?」
リオ「…? 何もおかしいことはないじゃん。 ココは混浴なんだし誰がいつ入ろうと何も問題は無いはずだよ」
姫乃「そうなんだけど! そうなんですけど! うぅ……タオル1枚で真面目な話とかもうどういう心境で話したらいいのか……」
リオ「ほら、敬語じゃなくていいって言ったじゃないスか。 気をつかわずに気軽に話してくれて大丈夫だよ」
姫乃「気をつかわないほうが難しいですよ! あぁもう……わかりました。 話します」
よし。 結構動揺しているようだし、コレで姫野から星のペンダントを狙う動機を探れるはずだ。
……決してさっきまで無表情だった姫乃の照れ顔と動揺した様子を見たくておちょくった訳では無い。決してそんなことは無い。
姫乃「えぇっと…まず星のペンダントの効果についてはもうご存知ですよね?」
リオ「おう。 知ってるぜ」
姫乃「でしたら話は早いです。 実はちょっとした私情でその星のペンダントが必要でして、1日ほどお借りしたかったのですよ」
リオ「なるほど…で、その私情ってのはなんなの?」
姫乃「言えないから私情なんですよ! ……強いて言うとしたらフィーニスタウンの国民ですら知らされていないおおごとです。 それに私達に残された時間は少ないんです。 あまり詮索せずお貸しして頂けると大変有難いのですが…」
……なるほど。 この真剣な眼差し…どうやら悪用したり嘘をついているわけでは無さそうだ。 しかしさっき誰かと話していた時に『回収する』と言っていたから貸してしまったら帰ってこなくなる可能性もある……
流石にそれはまずい。 俺は気にしないのだがそうするとイェワンタウン国王とゲンに責められてしまう。
リオ「……なぁ姫乃」
姫乃「はい? なんでしょう」
星のペンダントを奪われないか監視しつつ、それでいて困っている姫乃を救う方法…
リオ「貸してやるよ。 星のペンダント」
姫乃「ッッッ!!!!! 本当ですか!?」
リオ「たーだーし、条件がある。 こっちにも私情があるもんでね」
姫乃「まぁそうですよね。 タダでとはいきませんか…わかりました。 その条件とは?」
リオ「これは契約だ。 俺は姫乃に星のペンダントを貸す。その代わり、俺も姫乃の言う私情とやらに手助けさせてもらう。 何に使うのか、どこに持っていくのかを一緒に行動することによって監視する感じになるな」
この方法しかない。
俺がそう提案すると姫乃は軽く悩みこみ、
姫乃「なるほど……つまり、交渉内容は星のペンダントを貸してほしいのなら、私の言う私情にリオ様もついて来て星のペンダントを盗んだり、悪用されたりしないか監視するという事で間違っていないですか?」
リオ「そういう事になるね。 どう?」
俺がそう提案すると姫乃は身体をプルプルと震わせ始め…
姫乃「……ぷっ、はは……あははは!」
リオ「な、なんだよ急に笑い始めて……怖いだろ…」
姫乃「し、失礼。 面白かったものでつい」
真剣な話をしていたのに何が面白かったのだろうか
姫乃「あの人が言っていた事は今のこの事を予言してたのかもしれないな…」
リオ「な、なんて? あの人がなんだって?」
姫乃「なんでもありませんよ。 それよりもその条件、呑みましょう」
リオ「あ、うす。 それよりもあの人がなんだって?」
姫乃「だからなんでもないですって。 では私は準備がございますのでお先に失礼しますね」
リオ「え? じゃあいつ渡せば?」
姫乃「日が変わる0時00分、1階エントランスホールでお会いしましょう。 その時に詳しい事はお伝え致します」
リオ「今が11時半過ぎ…わかった。 星のペンダントをもってそこに向かうよ」
姫乃「いいですか? この事は絶対他の人には言わないでくださいよ?」
リオ「うす」
姫乃「では後程………」
リオ「……」
姫乃「……あの、」
リオ「どうした?」
姫乃「いや、その……上がりたいのでジロジロ見られるとその、恥ずかしいと言いますか…」
リオ「お気になさらず」
姫乃「そ、そうですね! 混浴ですしね!」
姫乃は上擦った声でそういうとそそくさと更衣室へと走っていった。
リオ「……俺もそろそろ上がるか」
なんだかんだ長話したせいでのぼせそうだ。
そう思い俺も更衣室へと向かう
リオ「ってもう姫乃いねぇのかよ! 着替えるの早すぎだろ!」
さっき上がったばかりのはずの姫乃の姿はもう更衣室にはなかった
決して「今上がれば姫乃の裸が見れるかも〜」なんて考えていた訳ではない。
…そんなことは無い。
無い……はず……
まぁいい。 早く着替えてみんなの所に行かないと。
ゲン「……リオのやつ、いつまで風呂入ってる気だ?」
カイ「珍しく長風呂だよね。 いっつもすぐ上がってくるのに」
姫乃「……! これはゲン様とカイ様。 お風呂上がりですか?」
ゲン「いや、俺は部屋の風呂に入ってて…ん?」
カイ「あ! 姫乃さん! そーなのさっき上がったばっかりで……って、あれ? 姫乃さん。 今混浴から…?」
ゲン「……姫乃さん。 今混浴から出てきませんでしたか?」
姫乃「え? あ、そうですね。 この時間は誰も入ってこなくて貸切状態な事が多くてですね」
ゲン「あぁそうなんですか」
姫乃「貸切状態…なはずだったんだけどな…」
ゲン「…? 今何か言いました?」
姫乃「い、いえ! では、私は急いでいるのでこれで失礼致します!」
ゲン「は、はい。 ……随分と慌ててたな。 何かあるのか?」
カイ「……ねぇゲン」
ゲン「なんだカイ?」
カイ「あのね…ゲンは部屋のお風呂入ってたから知らないと思うんだけどね。 リオ、混浴入ったんだよね」
ゲン「へぇ〜まぁアイツなら入るだろうな…ん? 待て。 姫乃さんってさっき混浴から出てきてたよな……」
カイ「……」
ゲン「……」
リオ「ふぅ〜いい湯だった! ってあれ? ゲンもいたのか」
そう言って混浴から出てきた俺に2人は冷や汗をかきながら
ゲン「な、なぁリオ。 その…姫乃さんが混浴から出てきたんだが……」
リオ「? あぁ、それがどうした?」
カイ「ま、まさかとは思うけど…その…姫乃さんと一緒に入ってたなんてないよね?」
カイが焦りながらそう俺に聞いてきた。
俺はただ一言……
リオ「眼福だった!」
カイ「は、ハレンチだーーーッッッ!!!!!」
To Be Continued→4章 8話




