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〜4章:勇者一行は不思議な運命へと誘われる〜 6話:勇者一行はフィーニス城へと招かれる

6話:勇者一行はフィーニス城へと招かれる


俺がヨルマに意味深な事を言われた後、俺達は空いてる宿屋を探しに来ていたが……

ゲン「4人なんですけど部屋って空いていますか?」

宿屋の受付「4人ですか……申し訳ございません。本日はもう一人部屋が1つしか空いていなくて……」

……どこも空き部屋がねぇ!!!!!

リオ「困ったな。 このままだと1度街の外に出て野宿だぞ」

俺がそういうとカイは渋い顔をして

カイ「それだけは嫌なんだけど……」

ゲン「次がラストの宿屋だ……ここが空いていなかったらもう野宿しか……」

シノブ「うちは気にしなくていいから3人部屋があればみんな泊まってくれて良いからね?」

ゲン「そうはいかないだろ。 お前だけ外って訳にも」

カイ「そうだよシノブ。 シノブ1人だけ野宿とか私たちがする訳ないでしょ?」

シノブ「みんな……ってそうじゃなくてぇ……」

リオ「お前はさっきから何を言いたいんだシノブ」

シノブ「いやぁ……その……」

コイツはさっきからモジモジして何が言いたいんだ。

それともトイレか?

ゲン「着いた…ここが最後の宿屋だ。 俺が聞いてくるとしよう」

リオ「おう。 任せたゲン」

カイ「随分暗くなっちゃったね…今何時なんだろう」

リオ「俺の体内時計によると今は9時半だね」

シノブ「体内時計……? え? そういうスキルがあるの?」

リオ「な訳ねえだろ。 そのままの意味だ。 俺の体感的に今9時半だと思っただけだよ」

シノブ「そんなの当たるわけないじゃん……うち時計持ってるから時間見てあげ…る……」

シノブ「……9時半だわ」

カイ「リオの体内時計はめっちゃ正確だからね。 昔からの特技ってやつ?」

リオ「おう! 時間が分からなかったら俺に任せろ!」

シノブ「何その特技……めっちゃ凄いんだけどめっちゃ微妙なの反応に困るからやめて欲しいんだけど……」

ゲン「お前ら待たせたな」

そんな他愛もない話をしていると妙な笑みを浮かべたゲンが宿屋から出てくる

カイ「どうだった!? 空いてた!?」

カイがそう必死に聞くとゲンは済ました顔で

ゲン「ふっ……野宿だ」

カイ「いやぁぁぁぁぁあ!!!!!」

リオ「お疲れ様です」

シノブ「本当に愉快な人達だな……」

そうして俺達は野宿が決定した。


カイ「はぁ……」

ゲン「そうため息をつくな。 俺らだって野宿はダルいさ」

カイ「それは分かってるんだけどさ……魔王討伐を目指す勇者一行が宿屋で泊まれなくて街のすぐそこで野宿って……傍から見たらめっちゃくちゃ情けなく見えないかなって……」

リオ・ゲン・シノブ「「「…………」」」

確かに言われてみればそうだ。 何故皆が苦しんでいるから助けようと旅をしている俺らがこんな扱いを受けなければ行けないのだろう。

なんだかそう思うと無性にイライラしてきた。

リオ「カイ、お前の言う通り確かに俺らが野宿ってのはどうかと俺も思ってきた。 という事で俺はコレからあそこのデカい宿屋へ襲撃へ行ってこようと思います」

そう俺は言い残して駆け出し始めた

ゲン「は? ちょ、おいリオ! 何をやらかすつもりだ!!!!! 戻ってこい!!!!!」

カイ「ちょっとぉぉ!? どこ行くのリオ!!!!!」

シノブ「え? え? え???」

誰もが今の状況を理解できずに立ち往生しているとリオ達のすぐ横を通りかかった男がゲンを見つめて睨むように話しかけてきました。

???「……もしかしてゲンか? おい!ゲンじゃないか! 私ですよ! 久しぶりだなぁ〜!!!!!」

ゲン「なんだ? 悪いが今忙し……この声、ルドルフか?」

ルドルフ「そうですよ! いやぁ〜お久しぶりですね! これはまた随分と立派になられて!」

ゲンがルドルフと呼んだ男は紋章のつけられたマントと鎧を着ている。

騎士……だろうか?

ゲン「久しいなルドルフ。 この間は世話になった」

ルドルフ「良いんですよそんなかしこまらなくて。 それにしても久しぶりに会えて嬉しいですよ、半年近く会えてませんでしたからね」

ゲン「まぁ……色々とあったものでな」

……なんだろう、この疎外感は。そしてなんでシノブはさっきから俺の後ろに隠れているのか……

リオ「なぁ、俺らを仲間外れにしないで欲しいんだが」

ゲン「ん? あぁ、この人はルドルフ、昔身寄りのない俺を匿ってくれた恩人だ」

ルドルフ「貴女方はゲンの仲間の人かな……?お初にお目にかかります。 私、フィーニス城の近衛兵をやらせて頂いているルドルフと申します。 どうぞよろしくお願いします」

カイ「お城の兵士さん!? 初めまして、私はゲンのパーティメンバーの1人、イズミ・カイと申します。 ほら、リオも挨拶」

リオ「あ、は、初めまして。 俺はイェワンタウンの国王から魔王討伐を依頼され魔王討伐を目指す勇者リオです。 よろしくお願いします」

ルドルフ「ゲンからしょっちゅう話は聞いておられますが、さっきの様子を見た感じこれまた愉快な仲間たちな事で」

ゲン「いや……さっきのはリオが訳の分からんことを言い出すから……」

ルドルフ「ところで……ゲン、先程からこんなところで何をやられているんだい?」

ゲン「え? あぁ、宿屋に泊まろうと思ったんだがどこも埋まってしまっていてな。 野宿でもしようかと……」

ルドルフ「今すぐやめてください! フィーニスタウン付近の魔物はどれもこれも凶暴なんですよ? 野宿なんてしたら魔物が群がってきて休んでなんかいられないですよ?」

ゲン「そ、そうなのか……うーん、どうしたものか……」

ルドルフ「……もしかしてゲン、泊まる場所がないのかい?」

ゲン「あぁ、宿屋が全部埋まってしまっていてな」

ルドルフ「それならフィーニス城に来てくれればよかったのに。 フィーニス城には空き部屋が沢山あるから、泊まる場所がないならフィーニス城へ来なされ」

リオ・カイ・シノブ「「「えっ」」」

ゲン「え? い、いいのか?」

ルドルフ「もちろん! ゲンのお仲間さんも大歓迎ですよ」

ゲン「大丈夫なら……まぁ……お邪魔するか?」

そうゲンが困った顔で俺に問いかけてくる

リオ「いやぁ……俺に聞かれても、1番よく知ってるのはゲンだろ? フィーニス城なんて俺行ったことないし」

カイ「そうだよ。 というかフィーニス城の人と知り合いってどういうことゲン?」

俺らが各々の質問攻めをしているとゲンは

ゲン「話せば長くなるんだが……まぁとりあえずルドルフがフィーニス城へ来てくれて構わないと言ってくれてるし、フィーニス城へ行ってからにしようか。 ルドルフ、じゃあ頼むよ」

ルドルフ「任せてくだされ。 じゃあ私は先に城の者達に伝え準備をせねばならないのでお先に失礼させていただきます。 じゃあゲン、後でな!」

ルドルフはそう言い残すと先にフィーニス城へと走っていった。

リオ「……宿屋に文句言いに行こうとしたらフィーニス城に招かれるとか、これは俺の手柄と言っても間違いないのでは?」

ゲン「お前はただ騒いで状況をややこしくしていただけな気もするが…」

シノブ「……本当に、フィーニス城に行くの?」

先程から口数の少ないシノブが口を開くと急にそんな事を聞いてきた

リオ「お前…さっきからどうしたんだ? なんか様子が変だぞ? 具合でも悪いのか?」

カイ「確かに言われてみればさっきから変だよね。 何かあったの?」

シノブ「いや…その……言いたいんだけど言えないと言いますか……」

ゲン「はぁ……ほらお前ら、俺達も向かうぞ。 もうすぐ10時になるのにわざわざ対応してくれたんだ。 早く行こう」

カイ「え? ちょっとゲン! 待ってよ!」

俺達の会話を挟むようにゲンはそう言い残すとそそくさと歩いていってしまった。

リオ「……? おいシノブ? 早く行くぞ。 ゲンが行っちまう」

シノブ「え、あぁ、うん。 今行く」

俯いたままのシノブを連れ、ゲン達を追って俺もフィーニス城へと走った。


リオ「いや、改めて近くで見るとやっぱデカイな」

シノブ「そりゃあさっきまでいたところは城下町だからね。 ここは王都都市部、世界一デカいかもしれないお城フィーニス城だよ?フィーニス城の中に入れるのなんて予め王様の許可を得てからじゃなきゃ本来は入れないんだよ?」

リオ「へぇ〜俺らのすんでたイェワンタウンですら俺はデカいと感じたのに、これと比べちゃったらイェワンタウンがちっちゃく見えるよ」

シノブ「魔王城に1番近い街だからこれぐらいは立派じゃなきゃすぐ襲撃で滅びちゃうからね」

リオ「なるほど。 イェワンタウンは確かに辺境の地にあるから襲撃なんて滅多に受けないからあれくらいの大きさが丁度良かったって事か」

俺がそう納得していると先に着いていたゲンとカイが奥から話しかけてくる

ゲン「2人とも。 どうやらもう城内に入れるらしい、早く行こう」

ゲンにそう呼ばれた俺達はゲンの後ろを着いて城内へと入る

リオ「……なぁゲン。 俺ここまででっかい城に招かれるのって今回が初めてだから凄い緊張するんだけど」

カイ「奇遇だねリオ。 私もそう思ってた」

ゲン「そんな身構えなくてもいい。 フィーニスタウンの人々はフレンドリーで気兼ねなく話せるはずだ」

シノブ「……ッッッ!!!!! ゴメン! ちょっとトイレ! 先行っててー!」

ゲン「え? ちょ、おい! ……まぁトイレだしすぐ戻ってくるか。 先に行ってよう」

リオ「そうだな。 先行っててーって言ってたし」

そうして少し歩くとエントランスホールの様なところに出てきた。

リオ「ホールだよな? デカすぎやしないか?」

カイ「同じく。 豪邸くらいの大きさはあるよコレ」

ゲン「こんなん序の口だぞ。 俺らが泊まらせてもらう所はもっとでかいからな」

そんなゲンの発言に驚いてくると奥から声が聞こえ

???「ようこそいらしてくれましたゲン様、カイ様、そして勇者リオ様」

綺麗な金髪の容姿の整ったそれはそれは可愛い無表情なメイドさんが出てきた。

リオ「ほぁああぁあぁあ!!!!! 本物のメイドさんだぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」

俺がそうテンションを上げていると何事も無かったかのようにゲンが話始める

ゲン「お久しぶりです。 随分と御元気そうでなによりです」

???「おや、気づきましたか。 お嬢様が出ていかれてからは仕事がとても減ってしまったので本当に気が楽になりましたね。 働かずして貰えるお金程嬉しいものはありませんので」

ゲン「はは…相変わらずで安心しましたよ姫乃さん」

リオ「おいゴルゥァゲンッッッ!!!!! 姫乃さんとどういう関係だおぉん!?」

ゲン「どんな関係もクソも姫乃さんは案内人だって、さっきからうるさいぞ」

姫乃「お仲間方はそちらの3人で全員ですか?」

ゲン「あ、いや実は今もう1人がトイレに行っていまして……」

姫乃「左様でございましたか。 ではそちらの方が来るまで…」

ゲン「いや、大丈夫です。先に行っててくれと言われたものでして、案内頼みます」

ゲンがそういうと姫乃さんは俺達を手招きし、

姫乃「では3人方、こちらへどうぞ」

そう言ってエントランスホールの奥へ歩いていく姫乃さんの後ろをついて行った。

黙って後ろをついて行ってると姫野さんが俺に話しかけてきた

姫乃「リオ様。 お伺いしたい事があるのですが」

リオ「何ですかぁぃ姫乃さん。 この僕でよろしければなんでもお答えしますよ」

ゲン「喋り方が気持ち悪いぞリオ……鳥肌立つからやめてくれ」

紳士的な接し方をしたのに何がいけないのだろうか

姫乃「私に敬語は使われなくて大丈夫ですよ」

リオ「俺にも使わなくて結構だZE☆」

姫乃「えっ…いや、リオ様がご所望なら構わないですが……」

カイ「ねぇゲン。 うちのリーダーってこんなに気持ち悪かったっけ?」

ゲン「言ってやるな…リオは人生で初めてメイドを見たからテンション上がってるんだろう」

リオ「姫乃の好きにしてくれて構わないぜ」

俺がそう言うと姫乃は先程までは無表情だったのに今は顔を赤らめ

姫乃「そ……それでは後程という事で、今はお聞きしたいことがございますので。 リオ様、貴方はイェワンタウンから来た勇者とお聞きしておりますが星のペンダントはもしかしてお持ちですか?」

リオ「今日はやたらと俺の星のペンダントについて聞かれるなぁ……持ってるけど、何かあった?」

姫乃「そうですか。 いえ、持っているなら大丈夫です。 この話はまた後程……」

リオ「えっ? いや、待てって。 焦らされるとめっちゃ気になるんだけど」

カイ「私も気になっちゃったんだけど…」

姫乃「着きました。 コチラの部屋が寝室となっております。大部屋の部屋と一人部屋を3室ご用意しておりますのでお好きにご利用下さい。 お食事等に関しましては如何なされましょうか?」

リオ「ん〜俺はめっちゃ腹減ったんだけど」

ゲン「俺も少し…」

カイ「私もお腹空いちゃった」

姫乃「かしこまりました。 ではお食事を用意して持ってきますので部屋でもう暫くお待ちください」

姫乃はそう言い残すとそそくさと今来た道を戻って行った

ゲン「とりあえず疲れたし荷物置いて休んでいるか……」

リオ「俺大部屋がいい!!!!! 大部屋で大の字で寝たい!!!!!」

俺がそう主張するとゲンは呆れた顔で

ゲン「お前なぁ…一応カイは女なんだぞ? 男2人と大部屋で寝るとか嫌だろ」

カイ「いや? 私は別に気にしないからいいよ?」

リオ「ほら! カイもいいって言ってるし」

ゲン「そ、そうか? いやまぁ…カイが良いなら別に問題は無いんだが」

カイ「すっごーい! 和室だよ和室!!!!! 畳だ!」

リオ「よく分かんねぇけどすっげぇな! 和室?なんて俺初めて見たぞ! てか和室ってどこの国が作ったんだ?」

ゲン「って聞いてねぇし…」

和室を初めて見た俺がテンションをあげてはしゃいでいると

姫乃「和室は夕影と呼ばれる国。通称セキエイタウンの技術でして過去にフィーニスタウンにセキエイタウンの技術者がいらっしゃった時に作って頂いたものなんですよ」

料理のお盆を持った姫乃が俺の疑問に丁寧に答えてくれた

カイ「へぇ〜セキエイタウンねぇ。 全く聞かない名前だから知らなかったな」

姫乃「ですがどうやら現在は、セキエイタウンは伝統を重んじる風習が生まれていて急ぎや必須な要件でなければ入国や出国は出来なくなっているのですよ」

姫乃はそう話しながら料理をテーブルの上へ並べてくれる

リオ「めっちゃ美味そう…え? これタダで食べていいんスか?」

姫乃「えぇ、勿論ですよ」

リオ「やったぁぁ! カイ! ゲン! 冷めないうちに食おうぜ!!!!!」

ゲン「あぁ……姫乃さん、助かりました」

カイ「有難うございます姫乃さん!」

姫乃「いえいえ、礼には及びませんよ。 まぁリオ様には後で支払ってもらいますが……」

リオ「んぇ? 何か言った?」

姫乃「何でもございませんよ。 あと畳ですのであまり汚されないように気をつけてくれとのことです」

リオ「畳…? あ、この床のやつの事か」

姫乃「そうです。 汚れると洗うことも出来ないので取り替えなきゃいけなくなってしまうもので」

ゲン「姫乃さん詳しいんですね。 セキエイタウンの事詳しく知らないもので……」

姫乃「えぇ。 私夕影産まれなものでして。 夕影産まれの人の名前は漢字と呼ばれる特殊な字が使われておりますので名前を見れば分かりますよ」

リオ「なるふぉど、ふぉれ漢字っていふのか」

ゲン「口に食べ物を入れたまま話すんじゃない。 行儀悪いぞ」

肉を頬張りながら喋っていたらゲンにそう注意された

しかし漢字か……なんかヨルマも名札にこんな字が使われていたような…?

姫乃「それでは用も済んだのでこれで失礼させていただきます。 また何かございましたらそちらのテーブルの上にあるオーダーチャイムを押してください 」

そういい姫乃が指差す方向を見てみると『押してね♡』と書いてあるボタンがある

……物凄く押しにくいのだけど

カイ「あの姫乃さん。 私お風呂に入りたかったんだけどお風呂って…」

姫乃「7階に行くと大浴場がございますのでご自由にお使い下さい」

カイ「ありがとうございます!」

姫乃「では、私はこれで失礼します」

そう言い残すとあっという間に消えて行った。

なにか特殊能力持ってるんじゃないかって疑うレベルで一瞬で消える姫乃に驚きながらも俺達は黙々とご飯を食べているとゲンが一言……

ゲン「……というか、シノブはどこに行ったんだ? トイレにしては長くないか?」

リオ・カイ「「あっ……確かに」」


シノブ「……懐かしいな、この感じ」

姫乃「お久しぶりです。 シノブ…様」

シノブ「ッッッ!!!!! ひ、姫乃!?いつの間に後ろに!?」

姫乃「それよりも、言う事があるんじゃないですか? 『アリス様』?」


To Be Continued→4章 7話

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