表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

第五話 妻女山

越後軍は、

深い霧の中に沈んでいた。


静寂。


誰一人、

声を発さない。


槍の穂先だけが、

白霧の奥に浮かんでいる。


その最前列に、

一人の男が立っていた。


上杉謙信 。


長尾景虎。


後の軍神である。


彼はゆっくりと、

眼下の川中島を見下ろした。


遥か下方。


武田軍の灯が揺れている。


家臣の一人が口を開く。


「武田は、山を攻めるつもりかと」


景虎は答えない。


ただ静かに、

風の音を聞いていた。


やがて。


「来るな」


短く呟く。


家臣たちが顔を上げる。


景虎の目が、

霧の奥を射抜いていた。


「勘助……お前か」


白煙が揺れた。


その背後で、

「毘」の旗が静かに翻る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ