表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/11

第四話 啄木鳥

夜。


武田陣営には、重い沈黙が落ちていた。


揺れる松明。


広げられた地図。


その中央を、

一人の男の指が静かになぞる。


山本勘助 である。


「妻女山に陣を敷いた以上、景虎は動きませぬ」


低い声だった。


周囲の武将たちは、

息を殺して聞いている。


勘助は碁石を一つ摘むと、

地図の裏へ滑らせた。


「啄木鳥にございます」


「啄木鳥……?」


挿絵(By みてみん)


若い武将が眉をひそめる。


勘助は静かに笑った。


「木の裏を叩けば、鳥は表へ逃げる」


次の瞬間、

黒い碁石が地図の上を走った。


「我らが背後より妻女山を突けば――」


白石が動く。


「景虎は八幡原へ降りる」


さらに碁石が並ぶ。


「そこを、信玄公本隊が討つ」


沈黙。


やがて。


武田信玄 が、

静かに目を開いた。


「面白い」


炎が揺れた。


その瞬間だった。


盤上の碁石が、

まるで兵のように浮かび上がったのは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ