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エンド37 出会いと別れと後悔と

「……さて、行くか」


気持ちを切り替え、部屋を出る。

その後は何事もなく朝食を食べ、ギルドへと向かった。

そして、習慣になってきたゾンビ討伐の依頼探しを行い、


「……またか」


「またですね」


また見つけてしまった。

 ーーどれだけいるんだよ。ボスゾンビ。………って言っても、確か、墓場をガキが歩いているって話聞いたよな?明らかに四天王か何かが暗躍してるだろ。

だが、ある意味聖夜にとっては嬉しいことだ。

ボスゾンビを倒すことが出来れば、十分金は稼げるのだから。


「じゃあ、今日も昨日と同じで、ボス討伐に行きつつその途中のゾンビを殺害。そして、キャーミャのメイスの訓練って事で」


「はい」


変わり映えのしない方針だ。

だが、それでもなんだかんだ楽しめている聖夜がいる。

 ーーこいつも、色々と面白いところはあるからな。まあ、凄いムカつくときもあるけど。


聖夜はそんなのろけみたいな事を思いつつ、依頼を受け、外へと向かった。

だが、そんな当たり前の日々が、この世界で続くはずがない。

聖夜がいつもの調子で後者に上ってボスクラスのゾンビを探そうとしたときだった。


「あっ。朝のお兄さん!」


「ん?ああ。朝のヤツか」


声をかけられたのでそちらへ視線を無行けると、そこには例の少女が。

聖夜は非常に嫌な予感がした。

そして、その予想通り、


「じゃ、じゃあ、死んで下さい」


《バッドエンド『出会いと別れ』へ到達》

《移動速度が15パーセント上昇します》


「………ですよねぇ~」


完全にこの可能性を失念していた。

 ーーそうだよなぁ。あいつと会って、殺されない方がおかしいもんなぁ。

聖夜は暗い部屋の中、反省していた。


反省の内容は、少女が来たのに逃走経路などを考えなかったこと。

そして、朝の段階で鉢合わせてこうなることを考えておかなかったことだ。

 ーーだが、今回のボーナスもある。次は、ある程度いところまでは行けるだろ。


だが、それでも問題はある。

それが何かと言えば、

 ーーセーブしたの、あのガキと別れた所なんだよなぁ。またキャーミャと朝食食べて、依頼受けて、ってしなきゃいけないのかぁ。


「はぁ」

ため息を1つ。

そして、覚悟を決めた。


「やるしかないよな。いつかは超えなきゃ行けない壁だし。敵が強いからこそ、ゲーマーは燃えるってもんだ!レベル1縛りでハードモードに挑むくらいやるんだぞ、俺は強くなるんだから随分マシだろ!!」


聖夜はそう叫び、ロードを行った。

ただ、その後すぐに、

 ーーで、でも、同じ事の繰り返しは耐えられない!またキャーミャが起きてるのに驚かなきゃいけないのかぁ~。

心が折れそうになった。

ゲーマーなのだから、周回プレイくらい出来なければならないというのに。


《実績『エンディング20個回収』達成》

《セーブ枠が1つ追加されます》


そして、聖夜は頑張って繰り返して、


「………あっ。朝のお兄さん!」


聖夜はその声が聞こえた直後、新しいセーブ枠にセーブを行った。

コレで今回のような後悔はせずに済む。

 ーーよし。くるぞ。まずは、


「じゃ、じゃ、死んで下さい!」


そう聞こえたときには、すでにキャーミャを抱えて飛んでいた。

聖夜のいた場所を、ナイフが通り過ぎていく。

それから素速く、聖夜はキャーミャを抱えた状態で走り、墓標の裏にスライディングをして潜り込んだ。


カンカンッ!

墓標に向かっていくつかナイフが投げられたようで、裏から固いもののぶつかる音がする。

聖夜は少女の様子に気を配りながら、


「キャーミャ。ここで待っていてくれ。ただ、バフだけは頼む」


「はい。分かりました」


こんな時でも焦らないキャーミャ。

流石である。

 ーーコイツの様子を見てると、落ち着けるな。………い、いや、今のに深い意味はない。だから、落ち着くんだ俺!

自分の思ったことに慌てる聖夜。


「では、行ってくる」


「はい。お気を付けて」


焦る心を落ち着けるため、聖夜は墓標から出た。

ちょっと落ち着け方としては間違っている。

いや、ちょっとどころではない。

かなり間違っているだろう。


「ど、どうしたんですか?無防備ですよ」


心配したように言いつつも、少女は聖夜の顔をめがけてナイフを投げてくる。

聖夜は慌てて他の墓標の裏に隠れる。

それから、


「ほっ!」


また墓標から駆け出し、他の墓標へ。

その間に。墓標の裏で拾っておいた石を投げた。

少女には全く届かないが、それで構わない。


大事なのは、少女に遠距離攻撃手段を聖夜が持っていると思わせることなのである。

 ーーそれで少しでも心を乱せればいいんだがな。

聖夜の中では、そのくらいにしか思っていない。

 ーー暗殺者ギルドの奴らに、透析の方法までは教えて貰っておけば良かったかもな。


「な、何ですか?石なんか投げたら危ないですよぉ」


「いや、お前の方が危ないだろ!石とナイフじゃ殺傷力違いすぎるから!!」


聖夜は即座にツッコミを入れた。

一瞬だが、かすかに笑い声が聞こえた気がする。

聖夜がツッコミを入れてきたのが面白かったかも知れない。

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