エンド27 腐食の身体
四天王倒したし、と言うパワーワード。
聖夜はなんだか自信が湧き上がってきた。
そして、あまり考えることもなく、セーブ2をタップした。
《実績『エンディング15つ回収』達成》
《セーブ枠が1つ追加されます》
そんな声が聞こえる。
それと共に、
「あっ!やべ。攻略法を考えてない」
光に包まれてからそれを思い出し、慌てた。
急いで解決方法を考える。
だが、そんなにすぐ解決方法を考えつくわけもなく、
「ちっ!仕方ない!」
「ゴォォォォ!!!!!!」
聖夜は取り敢えずかけだした。
そして、剣を突き刺す。
ここまでは前回と同じ。
だが、前回の反省を生かし、
「ほっ!」
ブオンッ!
飛び退いた聖夜の目の前を、ゾンビの巨大な腕が通り過ぎる。
風圧だけで吹き飛ばされそうだ。
ーーでも。コレで前回よりは1歩成長!このまま2発目!
聖夜は剣を振り、浅くゾンビの身体に傷を付ける。
できるだけ深入りはせず、浅く傷つけることに専念する。
ーー少し体力的に辛いな。だが、やれる!俺なら出来る!!
「グォォォォォ!!!!!」
唸りながら突進してくるゾンビ。
だが、腕に多量の傷を付けられたためか、腕の振り回す範囲が小さい。
聖夜は身体を傾け、最小限の動きでゾンビの攻撃を躱す。
そして、
「はあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ボトリ。
カウンターの切り付けでゾンビの右腕を切り落とすことに成功した。
断面から腐って異臭を放つ血肉が聖夜に降りかかった。
「おぇ!臭いで殺人出来るだろ!」
聖夜はそう文句を言いながらも、残った左腕からの攻撃を躱しつつ、反撃をしていく。
そのたびに、腐った死体の破片が身体に飛んできた。
ーーうっ。何だ?身体に力が、頭もポワンとしてきた。死体の異臭で脳が麻痺してるか?
「まあいい。もらったぁぁぁ!!!!」
ボタッ!
身体に違和感を感じながら、聖夜の放った斬撃により、またゾンビの腕が落ちる。
これでもう両手を振るっての大ぶりの範囲攻撃はなくなった。
敵の1番強力な攻撃手段を封じたわけだ。
「グォォォォォォォ!!!!」
「うるせぇな!隙だらけだぜ!!」
聖夜は、両腕を失い対応がとれていないゾンビへ、さらなる攻撃を放つ。
この攻撃は、ゾンビの首へ浅く入り込む。
首からの血肉は、聖夜の頭の上から降りかかり、聖夜の全身を腐肉で染め上げた。
ーーか、体中が臭いだと。これは流石にキャーミャに近づけないな。てか、町に入れて貰えるのか?
「まあいい。まずは、お前を倒してからだ!!」
聖夜は今後のことに不安を覚えつつも、とどめの攻撃を放った。
だが、思っていたほどの速度が出ない。
確実に身体の動く速度が遅くなっている。
クシュッ!
それでも、聖夜の剣は、ゾンビの首へと入り込んだ。
ノガワが力を込めると、剣は首を切り落とした。
「た、倒、し、ぞ」
口が上手く回らない。
それに、なぜだかは分からないが、視界が安定しない。
まるで地震でも起きているようで。
ーーあ、あれ?いつの間に、俺は地面なんて見てるんだ?
聖夜はいつの間にか地面に倒れ伏していた。
立ち上がろうとするが、上手く身体に力が入らず、逆にだんだんと思考が薄まっていく。
「……ぁ。…………ぃ。」
キャーミャの声のようなモノが聞こえる。
だが、何を言っているのかは全く分からない。
なぜだろうか、理解できるということも思わず、さらには理解しようという気力さえ、湧かなかった。
…………。
《バッドエンド『腐食の身体』へ到達》
《スキル『腐食耐性1』を獲得します》
「あ、あれ?俺、死んだのか?なんか、身体とか頭とかおかしかったのは覚えてるが」
聖夜は自分の身体を見てみる。
異常は感じられない。
逆に、ここまで来て異常が残っていたらかなりマズいのだが。
「今回は作戦考えないわけにはいかないよな。作戦自体は少しずつ削っていくやつでも問題なくゾンビは倒せそうだったが、死んだ理由が分からんからな」
聖夜は顎に手を当てて考える。
攻撃方法は、口に出したとおり、おそらく少しずつ切りつけていくというモノで十分足りるはず。
ーーなら、問題は俺の死んだ理由だな。考えてみれば、明らかに考えも鈍ってて身体もおかしくなってたし、おかしいところ多すぎだよな。何が原因なのやら。
聖夜は原因を考えてみる。
今までの戦いでこうなったことはなかったから、今までとは違う何かがあるはず。
今までの違いと言えば、
「ゾンビの腐った血肉を浴びまくった、ってことぐらいか。あの腐った血肉には、身体と思考を鈍化させる効果でもあるのかもな」
聖夜はそう予測を立てた。
ただ、それが確かである保証は何処にもない。
ーーなら、聞くことにするか。それが1番早いよな。
聖夜は方針を決め、セーブ2をタップした。
光があふれ出し、目の前にゾンビが現れる。
ーーまずは浅くっ!
ビシュビシュッ!
聖夜は今度、脚へと剣を切りつけた。
位置の低い脚なら、高い位置にあって、更に振り回される腕よりも血肉が聖夜に掛かりにくいと考えたのである。
そして、数回切りつけたところで、ゾンビの腕の振り下ろしが来るので、後ろへ跳んで回避。その間もボスから目を離すこと無く戦いに集中した。




