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エンド24 絡まれてからの逃走

「………ふぅ。収まってきたかな?」


聖夜は自分の身体に尋ねる。

そして、何も返答がないことを確認してから立ち上がり、キャーミャが行ったであろう食事場所へ向けて歩き出した。

 ーーあぁ~。腹減ったぁ。


「………やめてください」


「いいじゃねぇか!こんな所に女1人なんて、そういうことだろぁ?げへへへっ!」


「違います。いい加減にして下さい」


食事する場所へ向かって歩いていると、言い争うような声が聞こえた。

そして、その一方の方の声に聞き覚えがあり、頭が痛くなる。

 ーーうわぁ。俺、選択間違えたか?正直関わりたくないが、行くしかないよな?

聖夜はそう思い、1度ため息を吐いた後、歩き出した。


「おぅ。残念ながら、そいつは俺の連れだ。ここは引いてくれねぇか?」


「あぁ?お前、コイツの仲間か?………なあ、ちょっとコイツ貸してくれよ。ちょっとだけでいいからよぉ」


聖夜が止め入ったが、キャーミャに絡んでいた男は下がる気はないようだ。

なんと、聖夜にミャーミャを渡すように言ってくる。

 ーーうわぁ。面倒くさぇ。どうしよぉ。………暴力で解決できれば楽なんだが、コイツも見た目は強そうだしなぁ。


「残念ながら貸せないな。それに、そいつも嫌がってるみたいだし、やめてくれ」


「………ちっ!付き合いの悪い奴だな!お前ちょっと表出ろよ」


付き合いが悪いとか言っておきながら、表に出ろと言ってくる。

付き合いが悪いんだから、出て行くわけないというのに。

 ーーコイツ面倒くさいなぁ。宿側でどうにかして欲しいけど。

そう思った聖夜は宿の店員を見て、


「なあ。これって、宿のサービスかなんか?俺たちはこんなあほなサービスはいらんぞ」


「へ?いやいや。何言ってるんですか、お客さん!うちの宿は関係ないですよ!うちは宿を提供するだけで、ここで起きる問題とかとは一切関係ありません!問題は個人の問題ですので、当事者の皆さんで解決して下さい!!」


「そうか。じゃあ、問題は解決してくれないのか。………面倒だな」


そう言いながら、聖夜は男を観察した。

体つきは良いようだが、

 ーー頭悪そうだな。完全に偏見だが。


「……分かった。相手をしてやろう。出るぞ」


「おぅ!てめぇに力の差って言うモノを思い知らせてやるよ!!……って、ちょっ!待て!!」


聖夜は男の言葉など聞かず、男に背を向けて扉へ向かった。

男は慌てて聖夜を追いかけてくる。

 ーーよし。ここだな。

聖夜は扉を開け、すぐに横へそれる。


「待てって!」


男は、聖夜が宿から出て行っていないことに気付かず、外へとかけていった。

実に滑稽な後ろ姿であったと聖夜は笑みを浮かべる。

 ーー見かけ通りバカだったな。まあ、バカじゃなくても俺に掛かればすぐに掌の上で操れるが。

調子の良くなった聖夜がそんなことを思う。


「さて、キャーミャ。席を移して、食べるぞ」


「はい。もう終わったのですか?」


聖夜は戻って、キャーミャに声をかける。

キャーミャはすぐに帰ってきた聖夜に首をかしげて、もう倒してしまったのかと尋ねてくる。

聖夜は正直に首を振った。


「そんなわけないだろ。戦うのなんて面倒だからな。適当に巻いてきた。今頃、俺のことを探して騒いでるんじゃないか?滑稽だな」


「そうですね」


キャーミャが同意を示す。

ただ、そこからは感情を感じ取れず、本当に同意しているのか、あきれているのかは分からない。

 ーーまあ、どっちでもいいけど。俺にとってもキャーミャにとっても、仲良くすること自体が目的ではないわけだし。


「……で、昨日は聞きそびれたが、平民の食事はどうだ?マズくて喉が受け付けないとかはないんだよな?」


一応尋ねておく。

どうして一応なのかというと、ここで食べられないと言われても、解決は出来ないからだ。

というか、解決してあげるつもりもない。


「大丈夫です。食事にこだわりはないので」


「そうか。なら良かった」


幸いなことに、キャーミャは気にしていないようだ。

聖夜たちはそんなことを放しながら、朝食を食べた。

そして、食べ終わったところで、


「おい!クソやろう!どこだ!?何処に行きやがった!?」


外に出て行っていた男が帰ってきた。

聖夜はたちは目配せをして、男に見つからないようにしながら部屋へと戻っていく。

安宿で客が多いこともあり、問題なく部屋まで帰ってくることが出来る。


「さて、あいつは放っておくとして、今日も西へ進みながら、途中の墓地でまたゾンビ狩りで良いんだよな?」


「はい。それで構いません」


聖夜は今日の予定を確認する。

予定は、昨日と大して変わらないと言うことで、確認にはあまり時間は掛からなかった。

確認が終われば、早速行動。

2人は絡んできた男に注意しつつ、冒険者ギルドへ向かった。


「………うげ」

「あぁ。いましたね」


聖夜は顔をゆがめた。

キャーミャは淡々と言っているのでハッキリとした気持ちは分からないが、おそらく嫌がっている。

………たぶん。


「見つからないように行くぞ。気をつけろ」


「はい。了解です」

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