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エンド19 2人目の仲間

「やっぱりいるよな。魔族」


「……な、なぜ、……」


聖夜が視線を向ける先。

そこには、爪の長い背中から翼をはやした人型の生物が血を流して倒れていた。

聖夜は勘違いをしていたわけである。


 ーー最初に殺されたとき、俺はグロスクロに殺されたと思っていた。姿も消えたしな。

だが、その聖夜の考えは間違っていたのだ。

聖夜を殺した本当の犯人(人?)は、この魔族だったのだ。

では、姿を消した騎士のグラスクロが何をしていたのかというと、


「助かった。ありがとな」


「いえいえ。神の使い様がご無事なようで何よりです。……しかし、国王様の下まで走ってくるのはやめて欲しかったですな」


「悪かったよ。ただ、文句なら女神に言ってくれ。こうすれば助かるって言ってたのはあいつなんだから」


さらっと嘘をはける男、聖夜。

この世界において女神の影響力はかなり強いことが分かっているので、困った時には女神を使えば良いのだ。

 ーー使えるモノは何でも使う!それが例え、神であろうとも!


「まあ、それはいいや」


「いや。よくないです!……が、話があるなら先にそちらの話を聞きましょう」


聖夜がどうでも良さそうに国王まで走ったことを言うが、グラスクロが、そんな簡単に終われないと口を挟む。

だが、話があると言われてしまえば、時間があまりない主人の国王のためにも、聞かないわけにはいかない。

グラスクロは納得いってないです、という雰囲気を前面に押し出しながらも内容を尋ねてきた。


「簡単だよ。そこの姫様、俺と一緒に魔王を倒しにいかないか?」


「「「…………へ?」」」


突然の勧誘。

しかも、姫を。

姫と国王以外の会場にいるメンバーは聖夜の勧誘に、唖然としていた。


「で?国王様。どうなんだ?あんなたが駄目だと言えば諦めるぞ」


聖夜はそう言って微笑む。

国王はその微笑みに苦笑い。

だが、それでも国王として落ち着きは手放さない。


「……キャーミャ。お前はどうしたい?」


「私、ですか?」


とても無機質で、感情を感じさせない声。

それが、初めてきいた姫の声だった。

 ーー情報としては知ってたけど、実際に聞いてみると印象が違うな。人って、ここまで感情のない声が出せるのかぁ。


「……私は、お父様の指示に従います」


「………そうか。それなら」


国王は聖夜の方を向いた。

それから、数秒見つめ合う。

 ーーおっさんと見つめ合う趣味はないんだけどなぁ。お仕事って事で我慢するか。


聖夜が割と失礼なことを考えていると、国王が視線を外した。

その口元には小さく笑みが浮かんでいる。

ただ、その笑みも一瞬のことで、国王は真顔で聖夜に向き直ると、


「では、貴様に我が娘、キャーミャ・シビリルを任せよう。必ず生きて返すのだぞ」


「りょうかぁい」


適当な返事をする聖夜。

そして、これから仲間として活動していく予定のキャーミャを見る。

聖夜が笑いかけても、何の反応も示さない。


「これからよろしくな。キャーミャ」


「はい。よろしくお願いします。神の使い様」


感情のない平坦な声。

だが、どこかその声が聖夜には心地よかった。

 ーーなぜだ?………ああ。そうか。感情のない声と言えば、あの俺が前の世界でよく見ていた動画で感情のない声をよく聞いていたからだな!

ネットで波に乗っていたときに見ていた動画は、感情のない声で話をしていることが多かった。


《実績『鉄仮面の将軍姫の仲間』達成》

《キャーミャ・シビリルとの友好状態が常に20パーセント上昇されます》


「よし!じゃあ、もう行っちまって良いのか?」


「ああ。早く行くと良い。時間は有限なのだからな」


そう言って国王、ガンルは小さく笑みを浮かべた。

その目は聖夜ではなく娘であるキャーミャを映しており、どこか優しげな瞳である。

 ーーやっぱり、娘を大事にしてるって情報は本当だったわけだ。そして、この姫様が、


「それではいこうか」


「はい」


 ーーー自由を強く望んでるってこともな!!

聖夜が歩いて下の階までおり、キャーミャが1歩下がってその後ろをついてくる。

その細かい全ての動作から、気品の高さがうかがえた。


「さて、まずは、歩きながらお互い出来ることを話すか」


「はい。私は、支援系の魔法が使えます。バフをかけたり、回復したりがメインとなります」


少し前のループで共に活動してきたセプティアとは大きくタイプが異なる。

セプティアが完全接近戦タイプ(暗殺も兼用)だったのに対し、こちらのキャーミャは完全後方支援タイプだ。

前に出て戦うなんて不可能だと思って良いだろう。

が、


「で?そのまま後方支援だけやるか?それとも、接近戦、学んでみるか?」


「っ!……学ぶ、ですか」


一瞬息をのむような息づかいが聞こえたが、すぐに通常の状態に戻る。

まだ顔にベールをかけているので、顔が見れないことが残念なポイントだ。

 ーー普段は目立つから外して貰わないと行けないし、仕草も目立つよなぁ。……って、いや。今回は国が支援してくれたりして、冒険者なんてやらなくて済むのか?


「神の使い様?」


「ん?ああ。すまん。考え事をしてた」

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