エンド13 寝込みを襲う
「なあ、2人部屋にしていいか」
「あ、ああ。構わないぞ。金の節約になるしな」
セプティアは少し顔を赤く染めながらも頷いた。
なんでそんなに顔を赤くするのか不思議に思いながらも、聖夜は宿を取る。
聖夜は、部屋に入った後、
「先に寝ててくれ、俺は一応警戒しておく」
「どうしたんだ急に?いつもは普通に寝てただろ?」
聖夜は扉の横に座り込んだ。
その様子に、セプティアが首をかしげた。
聖夜はそんなセプティアに、できるだけ怪しくない言い訳を披露する。
「いやぁ。ここは少し大きな街だからな。いろんな思想の奴らがいるはずだ。それこそ、勇者を殺すべきなんて思想の奴らもな」
「ふぅん。そんなモノか?それなら、私も起きていることにしよう」
そう言って、セプティアも聖夜の横に座った。
ーーわざわざ起きて、俺の横に座る?俺も信用されていないと言うことか?
聖夜は、セプティアが自分のことを殺した可能性も頭に残しておきながら、剣を抱える。
セプティアもその隣に座ったところで、気付いた。
ーーあれ?これは、合法的に密着できるチャンス?……い、いやいや。何を考えているんだ私!そんなことは……
セプティアは頭を悩ませた。
その結果、
コテンッ。
と、聖夜の肩に何かが乗った。
「ん?……寝たのか」
聖夜が振り向くと、セプティアが聖夜の肩に頭を乗せて寝ていた。
ーー相変わらず顔のレベルが高いな。少しくらいなら、触っても……いや!駄目だ俺!落ち着け!!
聖夜はセプティアに触れたい気持ちで、1人で葛藤していた。
ーーううううぅぅぅ!!押さえろ俺!!。
聖夜の右手が震える。
手を近づけて、ひっこめて、そんなことを繰り返しているときだった。
ガタンッ!
突然扉が開かれ、数人がベットへと走り、
「っ!!」
ナイフをベットに突き刺した。
1度では終わらず、何度も繰り返し刺す。
全く血が出ないことにも、後ろに聖夜と起きたセプティアがいることにも気付かずに。
「ほい!」
「はっ!」
聖夜とセプティアの剣が、襲撃してきた賊を襲う。
掛かった時間は、まさに一瞬。
賊はそんな短い時間の間に地面に倒れ伏し、制圧された。
「……さて、とりあえず気絶させたのはいいが、こいつらどうする?」
「そうだな。まずは、拷問でもしてバックに面倒なヤツがいないか聞くべきだろ」
聖夜とセプティアは、賊たちの処遇について話し合った。
セプティアの意見によって拷問することが決まり、聖夜は素速く縄で賊たちの腕や足を縛っていく。
セプティアはその間に、拷問で使うのだろうナイフを熱した。
「ザコども。そろそろ起きろ」
「っ!?んんんんんっ!!!?????????」
セプティアはそんな言葉と共に、賊の1人の足へナイフを振り下ろした。
ナイフが足に刺さり少し血が噴き出すが、すぐに傷口が焼け、止血される。
ナイフを刺された賊は悲鳴を上げるが、口も猿ぐつわを噛ませてあるので上手く動かず、部屋に響く程度で終わった。
「起きたか。お前には、質問に答えて貰おう」
セプティアが賊にナイフを見せながら言った。
賊は、目に涙を浮かべながら首を振る。
情報を話さない辺りは感心できるが、涙を流すところから考えて、実力としては中の下くらいだということがセプティアには理解できた。
「お前が答えないというのなら構わない。他の奴らに聞けば済む話だ」
「むぅぅぅぅぅ!????ん!んんん!!!!????????」
セプティアはまた別の賊の足にナイフを刺した。
また新しい悲鳴が部屋に響く。
聖夜は、セプティアが言っていた拷問方法に従って、その叫んだ賊の顔を踏む。
ガキュッ!!
嫌な感触が足の裏から伝わってくる。
だが、聖夜は頑張って顔をゆがめないように気をつけた。
「コイツも答えるのには苦労しそうだな。代わりを用意するか」
セプティアはそう言って、またナイフを振り上げた。
それから、またもう1つと悲鳴が、
「んんんんっ!!」
事はなかった。
最初の賊が足をジタバタとさせて、暴れ出したのだ。
セプティアはその賊に冷たい視線を向ける。
「どうした?しゃべる気になったか?」
「んっ!!……んんん~~」
賊はセプティアを一瞬睨んだが、すぐに首を上下に激しく動かした。
セプティアはあきれた顔をしながら、賊の口に噛ませてある猿ぐつわを取る。
すると、賊は怯えた声で、
「俺たちの雇い主は、四天王だよ!」
それを聞いて、セプティアと聖夜は顔を見合わせた。
ーー四天王っていったらアレだろ?魔王の配下の幹部みたいな奴ら。
聖夜はゲーム知識によってそう判断した。
「魔族の差し金か。……その四天王とやらの居場所は?」
「も、森にいるんだよ!霧があるから誰も近づけなくて安全だって言ってた!」




