エンド12 殺害の代償
《実績『伝説の後継者殺害』達成》
《セプティアの一部情報を取得します》
出てくるときには聖夜1人だけだった。
聖夜は涼しい顔をしながら、拳に付いた血を払う。
それから、何事かもなかったように顔を上げて、
ブオンッ!
「ッ!?」
聖夜の顔の真横を、剣が通り過ぎた。
聖夜は剣の持ち主を見て、苦笑いを浮かべる。
なぜなら、そこにいたのは、
「ここまでついてきていたのか。ストーカーか?」
「……ここが終わり、お前の実力が分かれば離れるつもりだったんだがな。まさか、セプティアを殺すとは思わなかったぞ。この腐れ外道勇者」
聖夜に剣を向けるのは、セプティアの家まで聖夜を送ってくれた暗殺者ギルドの男だった。
聖夜の軽口を軽く流し、また男は剣を聖夜に構える。
だが、聖夜はどこか余裕のある表情。
ーー前回のループで、こいつらから沢山の技を学んだ。手札を知っている状況で、負ける道理はない!
聖夜は負ける確率は低いと見積もっていた。
現に、
キン!キンッ!
と、剣がぶつかり合い、男の攻撃は聖夜まで届いていない。
聖夜は、このまま兵士か誰かに気付かれるのを待つ、つもりだった。
「ハッ!」
それは、普通のけさ斬りに思えた。
だからこその油断。
防いだと思っていた自分の剣を、男の剣はまるですり抜けるように動き、
ドシュッ!
《バッドエンド『殺害の代償』へ到達》
《スキル『暗殺1』を獲得します》
聖夜は首を刈られ、また暗い空間に戻ってきた。
相も変わらずこの空間は暗いが、少し変化もあった。
1つは、
「おお。セーブされてる」
《・開始地点 ・セーブ1》
開始地点しか書いていなかったが、その隣に新しいセーブデータが出てきた。
セーブされてるのはセプティアを殺す少し前だから、目の前は森である。
それを見てから、聖夜は視線を隣に移す。
《・セプティア》
もう1つの変わったところ。
それが、再開するボタンの隣に出てきた、セプティアとだけ書かれたパネルである。
聖夜は何なのかよく分かっていなかったが、とりあえず押してみた。
「おおっ!これは!!」
パネルが動き、大量の文字を表示する。
そこに書いてあったのは、セプティアの個人情報など、セプティアに関わること。
ーーこれが、セプティアを殺害する実績達成の報酬か?
セプティアを殺したときに達成した実績とともに、《セプティアの一部情報を取得します》と聞こえた。
ーーその情報っていうのがコレのことだろうな。
聖夜はそれを見て表面的かもしれないが、セプティアについての理解を深めることが出来た。
「よし。なんとなく分かったし、再開するか」
聖夜はセーブ1と言う場所に手を伸ばした。
光があふれ出し、次の瞬間には、セプティアが目の前に。
聖夜は、どういう状況だったかと頭を巡らせる。
「一旦。街で作戦立てるか?」
思い出した。
現在は、森には入れなくて、セプティアが表情を暗くしているところである。
セプティアは、聖夜の提案に少し困ったような表情をしながらも頷いた。
「そうだな。1度戻るか」
そういうことで、2人は街へと戻った。
そのまま聖夜たちは街の酒場へ入り、打ち合わせを行う。
まずは聖夜がズバッと本題を切り出した。
「ここで魔物狩れないなら、金も稼げないし移った方がいいよな」
「そうだな。霧がどうにかならない内は、どうにもならないしな。本当は、まだこのレベルでは行きたくなかったが、幾つか候補があって………」
聖夜たちは、小一時間話し合いを行った。
そして、次に行く街を決め、とりあえず就寝することにした。
聖夜は、ベットに入り、安らかに眠った。
《バッドエンド『安らかな眠り』へ到達》
《スキル『睡眠1』を獲得します》
「……まじか」
聖夜は、暗い空間で唖然としていた。
なぜかは分からないが、いつの間にか死んでいたのである。
ーー誰に殺されたんだ?セプティアが俺のことを殺す可能性もなくはないが……。
「まあ、起きてれば分かるだろ」
結局結論はそうなった。
そうと決まれば、早速再開である。
聖夜は、セーブ1の場所に手を伸ばした。
「一旦。街で作戦立てるか?」
「そうだな。1度戻るか」
前回と同じように計画を立てるために街へと戻る。
そして、前回と同じように話し合いをして過ごした。
そして、夜。
「なあ、2人部屋にしていいか」




