朝イチの立ち回り
以降、暴露話はしません。ご了承のほどよろしくお願いいたします。
「今日からしばらく、朝はハネモノだ」
A店の店長が変わったとされる日を境に、毎日あるいは2日、もしくは3日に1台以上、8台あるパチンコのトキオデラックスの中から1万発出ている台がある。
2週間ほどデータを見ていて気が付いた。
(この二人が狙っているんだな)
前に並んでいるハンチング、競馬新聞の男2人だ。
俺たちも並びで2台とって回し始める。
「どうなったら当たりにゃ?」
「ここに玉が入ったら当たり。過程はどうでもいい。羽が開いたあとの18分の1くらいでVに入ればいい台だ」
指でVのところを示してやる。
(少し玉が遅いか?)
通常ルートのレーンを流れる玉の速度を体感で測る。
以前2万発出た台はほんのわずかではあるが、球が速かった気がしたのだ。
(・・・・・・今日はコイツのが当たりだな)
ハンチングの台はSPルートからバシバシVに入る。レールが左にあるときに球が落ちればほぼ全部入賞するような挙動だった。
凱旋。言わずと知れたミリオンゴッド~神々の凱旋~というスロット台のことである。
台の仕様はいたってシンプルで、100Gで1セットのゴッドゲームと呼ばれるATで出玉を増やしていく。
この台が流行った理由、それは主に8192分の1で成立するGOD揃いと天井である。
まずGOD揃いすればその時点で500G分のATが約束される。純増は約3枚なので1500枚、等価交換にして3万円である。
そして天井。設定変更時、つまり朝イチ状態なら基本的に510、1000Gのどちらかに振り分けられる。例外的に高設定の場合、それを抜けて1480Gの場合がある。
この天井が強力で、セットストックを80%で取得する抽選を50%で獲得できる。つまり2分の1を取れれば6000円が80%ループするのだ。
(ああ―やっぱりそうだよなぁ)
駅前で凱旋44台設置の繁盛店C。それに近くの28台設置のD店も"やっていた"。
行われていたのは、全台閉店後の取りきりだ。
この台のように天井が強力な台は基本的に設定変更をかけることなく、閉店後に店員総出? おそらく専門の業者を雇っている店もあったと思われるが、閉店後にすべての台を大当たり終了まで打ち、連荘終了を確認してから翌日の開店を迎えていた。
これが行われていると、朝イチの台が頻繁に1450Gほどで当選する。510Gや1000Gではまるで当たらないのだ。
そしてこれを知らない一般客は天井が朝イチの1000を超えた時点で高設定だと思い込む。実際には設定1の据え置き取り切りなので、天井到達のワンチャンスでまくらなければ勝てない。
(どこも凱旋はもう打てないな)
俺はこの情報を導入からしばらくしてから、パチンコ屋に就職した〇学校の後輩から聞いていた。
彼は九州の僻地に飛ばされていたが業界大手の店舗で働いていたのだ。
・ハネモノ:一般的なパチンコで周知されている液晶機と違い、確変機能などがついていない機械。Vの場所に玉が入れば当たりとシンプルで、当たりが軽く2000円くらいで手軽に当たりがとれる。ただしめっちゃいっぱい出すのは難しい。
・ハンチング、競馬新聞:並んでいる人の特徴的な持ち物などを覚えて、ライバルを把握しておく。
・少し玉が遅い:台にかかっている傾斜によって、玉の動きが変化する。ハネモノは特にこれが大事で、玉が落ちてくるのが早いと有利だったり、遅いと不利だったりする。
・レールが左に:パチンコ、トキオで動画検索すればわかります。
・8192分の1:低い確率と言われればこの確率以下のこと。だいたい1日頑張って回しても9000回転くらいなので1回引けるかどうか。
・閉店後の取りきり:基本的に出ている台は設定変更で台の状態をリセットするのだが、リセットするとまずい台が一部にあるので、そういう台はこういったことをする。
店の信用にかかわるのでしないのが普通であるが、このときは相当数の店舗で行われていた。




