目押しの有無で
翌日。流石にパチンコ屋近くで打ち子の話をするのはマナー的に絶対にダメなので、朝、据え置きだけ打って昼食時。
久しぶりにマクドナルドで昼セットを食べる。
「抽選だけ受けるのって相場いくらにゃ?」
「引き子は500円くらいじゃないかな? 3番以内とか20番以内とかでご祝儀1000円とかやるけども」
「遠出して打てなかったら電車賃とか含めて2000円でどうだろう? 昼食と朝食代含む」
「いいにゃ」
そして昨日10万円以上勝っていたので2000円をテーブルに出す。
「にゃ? なんにゃコレ?」
「昨日10万円以上勝ったから」
「にゃ!? アンタしか打ってないのにいいのにゃ!?」
「いいよ。取り決めだもの」
「なんか悪いにゃあ。嬉しいけど」
笑顔で二つ折り財布に金をしまうアカリ。
最近のアカリはずっとご機嫌そうだ。
「なあ、打ち子は楽しいか?」
「楽しいに決まってるにゃ!! だって当たってる楽しいとこばっかやれてるにゃ!!」
「タバコも―ちょっと控えてみようかにゃ? アンタのために」
「別にいいよ。好きに吸ってもらって」
昼食が終わり、14時、打ちごろの台がないか探す。
まずは過疎店A。
・・・・・・なし。
過疎店B。
パチスロ偽物語の650嵌りが空いている。天井は1000Gのはずだ。ART確定だけだが。
しかし、この台はARTの性能は低いほう。正直、打てるかは怪しいところだ。
「アカリ、このあとC店とD店見に行って何にもなかったら、戻ってきてコレを打ってくれ」
「了解にゃ」
C店はなにもなかったが、D店に打てる台があった。
スロット、バーサスの高設定くさい台。ボーナス合算が120分の1で2000回転している。
(これはアカリには無理だな)
「アカリ、これを俺は打つから。戻って偽物語を打ってくれ」
「オッケーにゃ」
アカリは店から去っていく。
アカリがこの台を打てない理由。目押しができないと大きく損をする台だからだ。
通常時のスイカから始まり、RT突入を遅らせる目押し。これらができるかどうかで一日だと万円単位の差がつく。
BAR狙いで右適当のハサミ打ち。いわゆるハナビ打ちだ。スイカがテンパイしたときのみ中リールにもスイカを狙えばいい。
『ピカピカ』
通常出目でベル対応フラッシュ発生。前のゲームかどこかでボーナスが当たっているはずだ。
1枚がけにして逆押しでボーナスを狙う。
Vが中段に止まったのでVBIGだ。
少々の技術介入をして、大事なRT。
すぐに逆押しの指示が出る。右中を適当に打ち、ここで左にBARを上段に目押ししてRT突入を遅らせる。
これをやると最大40Gほど無料で回せる。突入準備の20Gと本RTが20Gで、基本的に引き延ばしすぎると突入失敗するので平均30Gほどだが、できれば単純に500円ほど得になる。
全くできないで即突入すると20Gほどで終わってしまうのでできるだけ得になる。
「終わったにゃ。ちょっとプラスにゃ2000円くらい」
「おつかれ。どうする? 帰るか? 俺はコレ打ってるよ」
「じゃあ帰るにゃ」
アカリに6000円渡し、解散。
俺はそのあともバーサスを打ち続け、1500枚ほど獲得。21時に帰宅した。
・引き子:抽選を受ける人。SNSで大量に募集されている。技術も知識もいらず、朝の数分でできるので主婦や学校前の大学生が多い。
・RT:リプレイタイムのこと。もう一回回せる役がよく揃うようになり、メダルが減りにくくなる。




