遠征
今日は離れた別の地域の大型店で打つ。グループの創業日らしく、年で一番強い日と言っても過言ではない。
アカリと朝の8時から抽選を受ける。彼女もようやく遅刻しなくなった。
立体駐車場にぞくぞくと並ぶ人、人、人。俺たちが並んでから20分後。3000人打ち切りで抽選が始まった。
しばらくして俺たちの順番がやってきた。抽選機のボタンをぽちっとな。
入場番号がその場で機械で印刷されて出てくる。ウィーン。
(601番。台は取れるが選べないな。アカリは?)
「にゃ」
無情にもアカリの番号は2328番。
設置台数は全部で1200台強なので、番号が悪かった人が抜けたとしても、まだ相当厳しい番号だ。
「おつかれ。どうする? 帰るか? 設定狙いは判別を俺がやるから、交代するとしても午後以降だけど」
「・・・・・・じゃあ帰るにゃ。お金はどうなるにゃ?」
「あー、抽選だけのときを決めてなかったな。じゃあ今日は6千円全額払う。次回からは相談して決めた額になるよ」
「ありがとうにゃ」
電子書籍を読みながら時間を潰す。10時の開店までその場にいる時間はとにかく暇なのだった。
今日みたいな春とか秋の気候ならば数時間の並びでも全然かまわないのだが、夏と冬の並びはいつも地獄の様相だ。
店によっては抽選の際にお茶や塩飴を配ったり、使い捨てカイロを配る店もある。
「601番のお客様~」
9時30分。呼ばれたので並び列に入る。ちょうど区切りの先頭だった。
抜けた人も相当数いるので、おそらく500番目くらい。正確な入場順が確認できたところでスマホの店舗サイトでフロアマップを確認する。
この番号で取れそうな台を探して、最短ルートで向かうためだ。
(お、バラエティいい台あるじゃん)
バラエティコーナー。1台や2台ずつで違う台が並んでいる区画だ。だいたい人気のない機種や旬を過ぎた台が置いてある。
このバラエティという区画に設定が入る店は多くない。ただし、今日のような強い日は別だ。
普通なら抽選一発勝負でなく、遅れて入る客でも遊べるように、どの台にもチャンスがあるような設定配分にするだろう。
俺の入場番が来た。早足で目標のバラエティに到着。まだ空き台はいっぱいあった。
(こいつだ!)
取った台はスロットのモンスターハンター。みんな知っている人気ゲームの台だ。通称ポコチンモンハン。
どうしてこんな俗称になったのか、当たりそうな小役を引くとポコチ~ンという原作には一切関係ない、おそらくこの台にしか使われていないであろう効果音がなるのだ。
台自体はかなり古く設置期限ギリギリか、もうみなし機かという感じだった。
スペックはボーナス+ART機。上乗せと継続率でARTをロング継続させる。少し前に流行った新鬼武者のスペック違いのようなものだった。
打っているとハンターはクエストに出発し、大型モンスターを発見。これを討伐することができれば当たりになる。
(リオレウスか。どっちでもいいな)
大型火竜のリオレウスというモンスターは別に大きな当たりにならないことが多いので、倒せたらラッキーくらいのやつだった。
倒れるハンター。
しばらく回すと、塔のステージのクエストになった。
(! キリンだ。倒したらデカいぞ)
キリンを倒すと大きなARTのゲーム数を貰えることが多いので、ここはレア小役を引いて倒しておきたかった。
戦闘開始から2ゲーム目で強チェリーを引いた。これでおそらく倒す抽選に受かっているだろう。
『100』
液晶にはモンスターからはぎ取った100Gの報酬が映し出されていた。
これで100回転はメダルを増やしながらボーナスの成立を待てる。
ハンターが闘技場で雑魚モンスターをぶっ飛ばし続ける。
たまにでてくる雑魚の中でも強いやつが出てくればレア小役。
そして闘技場から出て、クエストに向かえばボスモンスターと対決になる。
そこでモンスターを倒せばゲーム数を上乗せできる。
『大連続狩猟ボーナス!』
ART中の赤7ボーナスが揃った一部でこの大連続狩猟になる。
このモンハンが面白い瞬間はこれだ。ボーナスを
大体4頭くらいの大型モンスターを討伐するチャンスが訪れる。
薄い確率でウカムルバスという勝てば500G貰える敵もいるので1000Gの上乗せも夢ではない。
ここでは150Gほどを上乗せしてARTに復帰。
そしてしばらく消化してARTが終了、するのだが、ここで最終バトルがある。
ここの勝率に大きな設定差があるはずなのだが、完全な情報が出ていないので打感だった。
あっさり勝って継続。
結局、一連の流れで約2000枚を手に入れた。おそらく高設定な気がする。
(今日も勝ちだ!)
上に2箱、別積みで4箱。合計6500枚ほどが出て閉店20分前だ。
大景品26個と小景品1個。
交換所で出したら13万と500円。等価交換だった。
(これはアカリに2千円渡したほうがいいよな?)
アカリに決して嘘はつかない。
・創業日:大概が年で一番強い。とんでもない並びになることも多く抽選が1万人を超えることも。
・抽選機:おそらくパチンコ屋でしか見ないような抽選機械。ボタンを押すと、番号の書かれたレシートが出てくる。
他にも抽選方法はシャッフルされた数字が書かれたカードを貰ったり、ネットで抽選したりと様々。
・判別:スロットの設定を推し量ること。設定が上か下かで勝てるかどうか違うので、経験や確率を参考にする。
・抽選一発勝負:店側から当たりのオススメ台が提示されていたり、データ上で明らかに強い台にかしか設定が入らない。
そういう店は初心者や軍団に向いている。
・軍団:集団でパチンコ、パチスロを打つ人達のこと、基本的に全員で軍資金や収支は共有されている。
基本出禁対象。打ち子の延長線。
しかし、お断りと書いてあるくせに一切対策していない店もある。
そういう店の場合、店側が雇っているサクラという場合がある。
・サクラ:店側から雇われている出玉アピール要員。昔からよく摘発されている。おおっぴらにはいないことになっているが、無駄にSNSが発達したせいで相当いるはず。正直、来店演者もこれと同じ。
・設置期限:同じ台を置けるのは3年間。延長申請することでさらに3年。そこからは故障しなければ、みなし機という扱いで置ける場合がある。
・完全な情報:基本的に作っている側のメーカーが公表していることが真実なのだが・・・・・・。明らかにおかしくても誰も謝罪しないし、一切訂正されないのがまかり通るスゴイ業界。




