表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/27

天使の世界12

「次は――そうですね、神様になれるのか? という疑問を消化しましょう。そうすれば自ずと、学園の存在意義にも触れることになります」

「学園の・・・?」

「ええ。まず、神様になれるか? ですが、なれる――と、されています」

「されているっていうのは、つまり・・・」

「残念ながら、過去に神の()へと(いた)った天使は居ません」


 なぜ? とは思っても、言葉が出ない逸人。

 出さないのではなく、間違いなく”出なかった”だ。

 どこか納得してしまっていたからだ。


 神話の中でも天使から神になった存在に、心当たりがなかった。

 そこへ被さるように、天使ロボット説と堕天システム。

 これらが(から)み合うと足を引っ張り合うような気がしたからだ。


「天使は・・・って言うことは?」

「想像の通り、転生者であれば存在したとされています」

「昔のことって認識でいいのかな?」

「はい。2000年程前だとか」


 2000年も前と言われてしまうと、どうしてもチラつく名前があるが、触れると面倒そうだと考え、逸人は華麗(かれい)なスルーを選択した。


「それからは1人も?」

「その間は誰も。神界へ招かれた者は居ません」

「神界に招かれたら神様なんだ?」

「神の住まう地ですからね神界は。足を踏み入れることができるのは完全な神格を持った者のみと言われています」


「言われて・・・?」

「少なくとも天使でそれを確認できた者が居ませんので。言葉を頂くことはありますが、天界へ(おもむ)く神様もいらっしゃらないから」

「そっか。人間だって天使を知ってても、天界のことなんか知らないしね」

「神界への入口である門は存在しているのよ。開けられたなら、それでも神として認められるらしいけれど・・・」

「開いているとこを見たことがない?」


 ()けばルールイールがコクンと頷く。


(それじゃあ眉唾(まゆつば)でも仕方がないのか。それにしたって、話を聞くだけでも肩が重いな・・・天使から神様になったことがないなら、実績がある転生者の方へ期待や注目が集まるよね? たぶん)


 (なが)らく学生を続けてきた只野逸人という人間は。

 突出した才能を持ち合わせて居らず。

 期待や注目からは縁遠(えんどお)く。

 しかしてそれで満足していたのだった。


 そんな小市民が―――・・・、と不安に押し込まれる最中。

 肩にズシリと感じる重みが動く。


「なに、してるの・・・?」

「だぁって暇なんだもんよぉ~~」


 首を回して隣を見やれば、ヤンキエルの顔がいつの間にか肩に乗っかっていることに気付いた逸人。

 飛び上がるほど驚いたものの、どうにか身動(みじろ)ぎ一つ起こさず耐える。

 ――というと聞こえがいいが、本当はただ固まっただけである。


 異性の顔がこんなに近くに来たことなどなかったからだ。

 そして肩の上でモゾモゾと(うごめ)く頭の一挙一動に(おのの)いた。


(肩でも形って意外なほど鮮明にわかるんだ)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ