第12話 第一次地球月面間戦争
「メカニック・・・メカニック志望か」
「はい」
「確かにメカニックの中にも飛び抜けて操縦の巧い奴がいるが・・・」
「俺も出来ればメカニックに回りたいんですが駄目ですかね」
ケリーは頭を掻く。
「俺の権限じゃどうにも出来ないな」
「そうですか・・・」
ケリーはソラツグの肩に手を置き、
「まあそうがっかりするな。自分の機体を整備出来る権限を上官に掛け合ってやるからさ」
「本当ですか!」
「お前さんはシュミュレータの成績は良いんだからその時間を整備に当てられるよう上申するよ」
「有り難うございます!」
数日後。
「おう。ソラツグじゃねーか。どうした?」
「こんにちはおやっさん。今日から俺も自分の機体の整備に参加出来るようになりました」
「もうか!早かったな!」
「先輩が口利きしてくれたおかげで早く済みました!」
「・・・お前、意外と人に取り入るの早いのな」
おやっさんは親指を立て、
「まあ丁度良かった。人手が足りないんだ。自分の機体を整備出来るようレクチャーしてやる」
「有り難うございます!お願いします!」
「よし。さっそく取り掛かろう」
こうして俺はパイロットとして、予備でメカニックとして軍に参加することになった。
◇ ◇
それから3週間後。
地球軍と月面軍は地球と月面の中間で睨み合っていた。
月面軍、母艦10隻、戦艦20隻、宇宙型戦闘機200、MTおよそ100機。
地球軍、母艦15隻、戦艦30隻、宇宙型戦闘機300、MTおよそ70機。
ソラツグは正面の中間くらいの位置に配置されていた。
「月面軍のほうがMTは多いんだな」
ソラツグが呟く。ケリーがそれに応える。
「MTの総数は地球が圧倒的に上だが宇宙仕様のMTは急には揃えられなかったんだろうよ」
「その分戦艦を相手にしなければなりませんね」
「俺らの役目は中央を突破された時の抑えだ。あんまり気張るな」
「はい!」
そうしてるうちに戦端が開かれる。
両方のエネルギー波の線が交差する。両者の宇宙型戦闘機、MTが回避行動を始め、同じ場所に止まっている宇宙型戦闘機、MTが撃墜される。
命が簡単に次々と失われていく。
「これが戦争・・・」
ソラツグの額と背中に汗がじっとりと絡みつく。
索敵範囲内の敵機の射線が自機に交わらないようAIに判定させる。それを微調整して回避するのだ。
俺は最前線から漏れてくるMTや宇宙型戦闘機を落として廻る。
背後から閃光が差し込む。どうやら戦艦が落とされたらしい。
「いくらかシールドで防げるとは言え回避性能の低い戦艦や母艦は良い的になってしまう・・・」
この戦いは今後の宇宙戦の在り方を変える。
ソラツグはそう確信した。
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