第11話 月面軍基地
月面軍基地。
「お、英雄様のお出ましだぜ」
「今日からここに配属されることになったアマノ=ソラツグです。宜しくお願いします!」
「あなたの二つ上の上官になるマーダ=クリスティよ。階級は大尉。宜しくね」
「俺はケリー=アンダーソン。階級はお前の一つ上、中尉だ。宜しくな少尉」
「少尉?俺いきなり少尉なんですか?」
「MTを操縦できる最低限の階級が少尉なのよ」
「なるほど」
「この部隊は何人編成なんですか?」
「MTが十機、十人編成よ」
「メカニックは8人だな」
「さて、元軍人ならともかく元一般人のお前はまず体力作り、そして雑用だ。しっかりやれよ」
「はい!」
こうしてソラツグの軍人生活が始まった。
◇ ◇
「はあ、はあ」
ソラツグはランニングマシンで体を鍛えている。ランニングマシン自体は旧世紀からあるものだが月面仕様なので腰をある程度固定してあり上下するものだ。でないと高く飛び上がってしまう。
ノルマは30Km。今15Km程走ったところだ。
「どうしたどうした新人!もうへばったのか?」
「ま、まだいけます!」
「ようしその意気だ!」
ソラツグは腕立て伏せをしている。ノルマは100回だ。月面仕様で背中に重りを付けている。
「ぜえ、ぜえ」
「だらしないぞ新人!」
「が、頑張ります」
ケリーは腕を組み、
「いいか!MTの操作は慣性との戦いだ!前後上下左右あらゆる方向に揺さぶられる!体が固定されても体には負荷がかかる!その為の基礎体力作りだ!」
「はい!」
ソラツグは目配せをする。他のパイロットはソラツグよりは楽そうだが肩で息をしている。やはり体力作りは大変なのだ。
「よそ見をするとはずいぶん余裕そうだな新人!よーし次はシュミュレータでの訓練だ!徹底的にしごいてやる!有難く思え!」
ケリーとソラツグはシュミュレータに乗り込む。
「最初はお前に合わせて地球上戦だ。有難く思え!」
「はい!」
十分後。
「馬鹿な!俺が新人に負けるだと!?」
「有り難うございました!」
「いいだろう!次は月面戦だ!」
「お願いします!」
十五分後。
「何故だ!何故俺が負ける!?お前MTのライセンス持ってねぇ筈だろ!?」
「ライセンスは持っていませんが地球でのMTゲーム『MTマスター』のランクはAAプラスですね」
ケリーは唸る。
「AAプラスか。ベテランより上の上級ランクじゃねぇか。そこまで技量がありながら地球軍には入らなかったのか?」
俺は後ろ頭に手を当て笑う。
「お誘いは来ましたけど俺、未成年だし。それにメカニック志望なんで」
ケリーはあんぐりと口を開ける。
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