第五十五話
「『一条・閃』」
シグルドはそう言って抜刀した。
目にも止まらぬ速さの抜刀は、真空の刃となってロイを襲った。
「いい技だね。『爆炎剣』」
ロイはダインズレフを思いきりふった。
ロイを纏っていた白い炎が斬撃となってシグルドに向かってとぶ。
真空の刃と白い炎はぶつかり、小規模な爆発となった。
「遅くなったな、ロイ。『一条・閃』」
一瞬でシグルドはロイの背後に回り込み、抜刀する。
「うーん、間に合わないね」
ロイは防ぎきれずに真空の刃はロイに直撃した。
「ふん。どうせダメージはないんだろ?」
「うん。まぁね。それが『不死鳥剣』の利点だからね。三回までならどんな攻撃も無効だよ。だからあと二回だね」
「たく。面倒な魔法だな。まったく」
「君に言われたくないね。どうせ爆発に乗じて『転移門』でも使ったんでしょ」
「ま、そんなとこだな」
二人ともまだ余裕の笑みを浮かべている。
「さてと、ウォーミングアップはもういいか?」
「うん。充分だよ。さてと、じゃあ行くよ」
ロイは地を蹴り、駆け出した。
アジトにて
フィンは二人の戦いの映像を見ていた。
「やっと見つけた......」
フィンは強く拳を握りしめた。
「シグルドを倒せれば彼が動くはず...」
フィンの拳から血が流れる。
「兄さん、絶対に仇をとるからね...」
ダインズレフとクサナギが激しくぶつかり合う。
剣技はほぼ互角だが、シグルドが若干押している。
「くっ、さすがに速いね。君との戦闘では大剣は不利だね。防御が間に合わないや」
ロイに纏っていた白く輝く炎はすでに消えており、ロイの体のいたるところから出血が確認できる。
「お前の攻撃の一発一発は重くて強烈だかな、当たらなければさして問題ではない」
「ひどくない!?もう怒ったよ!」
ロイは後ろに大きく跳躍した。
「『雷鳥剣』」
ロイが魔法唱えるとダインズレフから電気が頬走った。
「『魔法特化』」
「おぉー!すげーな、ありゃ。当たったらさすがに痛そうだ」
「これでどうだ!」
ロイはダインズレフを前につきだした。
すると、剣先に電気が集まり、
「『雷撃砲』」
電気の塊が一直線にシグルドに向かってとんだ。
「おっと、あぶねーな」
シグルドは右に跳躍し避けた。
しかし、避けた先の上空には黒い雲が広がっていた。
「ん?なんだこりゃ?」
シグルドは空を見上げた。
「『雷雨』」




