第四十二話
「...お前の魔法って炎属性じゃなかったのか?」
一変したロイの姿をみて、リオンは質問した。
「え?僕、そんなこと言ったっけ?君が勝手に思い込んでいただけじゃないの?
「...じゃあ一体何属性なんだ?」
「さぁ、何なんだろうね」
そしてロイは走り出した。
「なっ!?」
リオンはロイの早さに驚いた。
無理もない。ロイは先程の10倍ほどのスピードで動いたからだ。
「よっと」
ロイはその勢いに任せてダインズレフを振った。
「ちっ!」
リオンは反応し、避けるが、右腕に深い傷を負った。
「.....もう終わりかい?」
「俺はもう終わりでいいんだが、そういうわけにはいかないんだろ?
「君の力の全てを見たいからね、まだ使ってない力があるでしょ?」
「...あれはやりたくねぇ。やったらまじで動けなくなるからな」
「そうかい。なら、もうやめるかい?」
「...今日のところはな」
「そう。じゃあやめようか。『治癒風』」
ロイが魔法を唱えると、リオンの右腕を緑色の風が包み込む。
「こ、これは...」
右腕の傷が一瞬で治ってしまった。
「よし、治療はこんなもんだね」
「...お前の魔法ってまじでなんなんだよ...」
「僕に勝つことができたら教えてあげるよ」
そういうとロイは微笑んだ。
「そのときは一生こなそうだな...」
「さて、帰ろうか。君の力も少しは分かったし」
「...はぁ」
リオンは小さなため息をついた。
「どうしたの?はやく帰ろうよ」
「あぁ、そうだな。帰るか」
二人はアジトに歩き始めた。
「さーてと、疲れたし僕は寝るよ。君はどうするの?」
「俺はちょっとボスに話がある」
「へぇ、じゃまたね」
ロイは自分の部屋に、リオンはフィンの部屋に歩き始めた。
ロイは自分の部屋に帰ってきた。
「はぁー疲れたー。ねぇ、ダイン。リオンはどうだった?」
『お前と比べたらかなり見劣りする。そんなことよりも、お前はなぜ我の力を使わなかった?』
「それはね、うーん、特にないかな?」
『と、特にないだと....。しかもなぜ疑問符なんだ...』
「いやー、正直に言うと、忘れてただけなんだよね」
『......我を忘れるなぞありえぬぞ...』
ダインズレフの声からしてかなり落ち込んでいるようだ。
「仕方ないじゃないか。僕だってそれなりに真剣にやっててそこまで頭が回らなかったんだからさ」
『...もうよい』
「もうー、次戦う時は使ってあげるからさ」
ロイはダインズレフを軽くなだめる。
「じゃ、僕はもう寝るね」
そしてロイは眠りについた。
数日後
「ロイ、入るぞ」
ロイの部屋にリオンが入ってきた。
「どうしたんだい?」
「ボスからの指令だ。"シグルドを倒してこい"だとよ」
「僕がいくのかい?他にも人はいたでしょ?」
「そいつらじゃ話にならなかった。だからお前に行ってほしいんだとよ」
「ふふふ、いいよ。久しぶりにシグルドにあえるんだね」
「よし、じゃこれを使え」
リオンはロイに転移指輪を渡した。
「ありがとう。じゃ、行ってくるね。『シグルド』」
ロイはそう言って、指輪に魔力を流した。
そしてロイは消えた。
「...ロイ、勝ってこい...」
リオンは小さく呟き、ロイの部屋を出た。
今回で第三章が終了です。
明日からはシグルドの話になります。
読んでいるかた、これからもよろしくお願いします!




