第四十話
二人はアジトへと戻ってきた。
「さてと、ボスにお土産渡さないとなー。君はこれからどうするんだい?」
ロイは軽く伸びをしながら言った。
「いや、俺は部屋に帰って寝る。お前の相手をすると精神的にも肉体的にも疲れる。転移酔いもあるしな。じゃ、また明日な」
リオンは自分の部屋に帰っていった。
「明日は君と遊んであげるよー」
ロイは手を振りながら言った。
リオンは右手を軽くあげた。
「さて、ボスの部屋に行きますかね」
ロイはフィンの部屋に歩き始めた。
「ボスー、入るよー」
ロイはフィンの部屋の扉を開けた。
「ん?あれ?ロイくん?けっこう早かったね。てか、かなり早かったね」
「え?そう?あ、これパイヤンの栗饅頭と、塩大福ね」
ロイは土産を机の上に置いた。
「おぉ!ありがとう!塩大福も好きなんだよね!ちょっとお茶出すから一緒に食べようよ!」
「いいのかい?ボスに買ってきたお土産なのに」
そう言いつつも、栗饅頭の箱を開けるロイ。
「はは、ちょっと待っててね。今、お茶を入れるから」
「で、新しい武器はどうだい?」
栗饅頭を満足そうに食べながら言うフィン。
「ダインのことかい?うん。ちょっと重いけど、いい武器だね」
『当たり前だ。我はダインズレフだぞ』
「へぇ、ダインくんねよろしくね」
『......もう諦めるしかないのか......』
「で、どうやってダインくんを使役させたんだい?こんなにも早く」
フィンは真面目な顔で言った。
「どうやったもなにもね、普通に?」
「はは、なんで疑問符なんだい?しかも普通に、って。ダインくん、どうなんだい?」
フィンはダインズレフにも聞いた。
『...我にもわからぬ。恐らく普通にやられたのだな』
「はは、君まで普通にって言うのかい。なら普通になんだろうね。まぁ、細かいことはいいや」
そう言うとフィンは二つ目の栗饅頭を、口にする。
「じゃ、そろそろ行くね。疲れちゃって、ちょっと眠いや」
「ん?そうなの?じゃ、またね」
そしてロイはフィンの部屋を後にした。
「お、おい!そこのお前!」
部屋に帰ろうとしたロイの目の前にシオンが立ちふさがった。
「あ、いいとこにいたね!」
「は?なにをーーー」
「これ、パイヤンのお土産ね」
ロイはそう言うと、一つの袋を手渡した。
「これは?」
シオンの口調は、普通になっていた。
「饅頭セットだよ。五種類くらいの饅頭が入ってるよ」
「そ、そうか。あ、ありがとうな」
シオンの顔は綻んでいる。
「で、何か用だったのかい?」
「い、いや。なんでもない...」
「そう。じゃあね」
ロイはシオンの横を通り、自分の部屋に向かった。
部屋に戻ってきたロイ。
ダインズレフを壁に立て掛けた。
「ふう、今日は疲れたね」
『ほとんどなにもしてないだろ』
「いやいや、だって君を取りに行ったんだよ。君って重いんだよ?分かってる?」
『何を、我は強いぞ?お前と戦うことだってできる
そう言うとダインズレフは宙に浮いた。
「...君、そんなことできるなら僕に負担がかからなかったんじゃないかな?」
『気にするな』
「明日はその状態で頼むよ。戦う時以外は浮いてね」
『......なぜ貴様なぞにーーー』
「じゃ、おやすみー」
ロイはダインズレフの言葉を最後まで聞かずに寝た。
『...まったく、勝手なやつだな』




