第三十六話
「シオン、だっけ?彼、おもしろいね」
「...あれだけ無視しておいてよく言うな」
「リオンだって便乗でしょ?次はちゃんと相手してあげようかと思ってるんだけど」
そう言うとロイは軽く微笑んだ。
「そうか、もう一度くればいいが」
「そうだね。彼、心が折れたんじゃないかな。いやー、悪いことしたなー 」
ロイはまだ微笑んでいる。
「...お前、完璧に楽しんでたろ?」
「いやいや、そんなことないよ。本当に」
ロイはまだ微笑んでいる。
「...まぁいい。次はそうだな...」
「あ、僕行きたいところがあるんだ」
「ん?どこだ?」
「あぁ、アジトの中じゃないんだけどいいかな?」
「まぁ、しばらくは何もないから問題ない」
「そう、パイヤンにちょっと用事がね」
「ほう、パイヤンか。実は俺もお前を連れていこうと思っていた」
リオンの言葉にロイは驚いた。
「へぇ、君が僕を連れてどこに行くっていうんだい?」
ロイの言葉にリオンは答えない。
「言いたくないのかい?」
「.....ついてくればわかる」
「そう。ならいいや。僕の用事は後回しでいいよ」
「...おそらくお前の用事は」らなくなる可能性がある
「...興味深い話だな。じゃあ、どうする?今からいくかい?」
「いや、色々と準備がある。出発は来週になりそうだ」「」わかったよ。それまでゆっくりさせてもらうよ
そう言うとロイは歩き始めた。
「あ、僕の部屋ってどこ?それだけ教えてほしいな」
「あ、あぁ。こっちだ」
そして二人は歩き始めた。
数日後
ロイは研究室に呼ばれていた。
「やっほー♪ロイっち♪」
「メルンさん、なにか用ですか?」
メルンのハイテンションな挨拶にロイは普通に返した。
「実はね、ロイっちに見てもらいたいものがあるんだ」
メルンは急に真面目な声で言った。
「これを」
メルンは水晶をみせた。
「これは?」
「試作品の人工石像がみた映像。この子、しってるんだよね?」
そこにはシグルドが映っていた。
「...シグルド、一体これは...」
それはシグルドが人工石像と戦った時の映像。
シグルドが緑色の気に覆われた。
「...僕の知ってるシグルドじゃないね」
シグルドは一瞬で視界から消え、そこで映像が終わった。
「この子は一体何者だい?試作品とはいえ、私が造った人工石像が一瞬でやられた。私はとても信じられない。この子は人間かい?」
メルンは真剣な表情でロイに聞いた。
「...たぶん人間だと思うよ。信じられないかもしれないけどさ。彼の行動にはいつも驚かされる」
ロイは微笑みながら答えた。
「じゃあ、僕はこれで」
ロイは一礼した。
「うん♪ありがとうね♪また今度よろしく頼むよ♪」
最後にはメルンの口調も戻っていた。
ロイは研究室を後にした。
(シグルド、あの強さ反則じゃないかな?でも、僕は負けないよ)
ロイはそう思いながら廊下を歩いていると、
「おい!そこのお前!」
シオンがロイの前に立ちふさがった。
「あー、シオンか。どうしたんだい?」
「どうしたじゃねぇよ!よくも今まで無視してくれたな!俺と勝負しやがれ!」
シオンはそういい放った。
「ふふ」
「なにがおかしい!」
ロイは笑いながら片手で顔を覆い隠した。
「僕、今すごく機嫌がいいんだけど、どうする?君の命、保証できないよ?」
ロイは手を離しシオンと目を合わせた。
「なにを...っ!?」
ロイから殺気が溢れていた。
シオンは殺気を感じとり思った。自分とは次元がちがうことを。
「は、はん!今日はやめといてやるよ」
そう言い残し、シオンは去っていった。
「なーんだ、つまんないの」
ロイも自分の部屋に向かった。




