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無敗の門番  作者: 魃
第二章~旅路~
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第二十八話

なんの成果もなしに洞窟を出た二人。

「..すみません、せっかく来たのになんの成果もなくて..」

「気にするな。久々に疲れる戦いかたしてよかった。なんもしなかったら鈍るからな」

「そう言っていただけると幸いです...」

レイナは精神的に疲れていた。

杖がなかったこと、自分が弱いせいでシグルドに迷惑をかけていること、そして、シグルドとの圧倒的な差を見てしまったこと。

「シグルドさん!帰ったら早速お願いしますね!」

「ん?......あー、稽古ね。じゃ今からするか」

突然のシグルドの提案に

「えっ」

と、思わず口にするレイナ。

「ま、初日だから遊び感覚でいいか」

シグルドはレイナの方を向き

「ここから村までの約5kmある。俺が村につくまでに俺を捕まえる。これで行こう」

「...なんの稽古なんですか?」

「身体能力向上だ。安心しろ。俺は魔法を使わない」

「なるほど、それなら...って無理だと思います..」

「なぁに、頑張ればそれでいい、今回は遊びみたいなもんだからな」

シグルドはレイナの頭をポンポンと叩いて前を向いた。

「じゃ、始めるぞ。俺がスタートと言ってから5秒後にお前はスタートしろ。いいな?」

「はい!」

「じゃ、スタート!」

シグルドは走り出した。

「1...2...3...4...5!」

レイナも走り出した。

シグルドはレイナがギリギリ追い付けないスピードで走っている。そしてその右手にはいつ拾ったのか、木の棒が握られていた。

「いい忘れたけど、攻撃OK、武器OKだからなー。俺はハンデでこれだから」

シグルドは走りながらレイナに木の棒を見せた。

「くっ、このスピードじゃ剣なんて..」

レイナは苦痛の表情を浮かべた。





そして、レイナは追い付くことができずに村についてしまった。

「残念、惜しかったな」

シグルドは涼しい顔をしている。

「はぁ、はぁ、全然...惜しくないです...」

レイナはかなり息を切らしていた。

それもそのはず、トップスピードで約5km走ったからだ。

もっとも、シグルドは流していたようだが。

「さて、訓練part2といきますか」

「えっ?まだやるんですか?」

「もち、今アップが終わっただろ?これからは剣を使った稽古」

「お、お願いします!」

「よし、じゃ始めるか」




場所は村の外。シグルドは先ほどの木の棒を持っている。

レイナは、剣を両手でもち、隙の少ない構えをとっている。

「さっきと同じで魔法は使わねぇから」

「わかりました」

「うし、じゃあ、こいよ」

シグルドは左手を前に出し、指をクイクイっと曲げた。

「行きます!」

レイナはシグルドに向かって走り出した。

まず、縦振り、しかしかすりもしない。

次に、横振り、これもかすりもしない。

次に、突き、からの横振り、しかしかすりもしない。

「...まったく当たらない...、どうすればいいの...」

肩で息をするレイナ。

「おいおい、威勢がいいのは最初だけか?違うだろ。もっとこいよ」

「わかってます!」

レイナは再びシグルドに向かって走り出した。

レイナは剣を振るも当たる気配がない。

「レイナ、少しヒントをやる。なにも剣は振るだけじゃない」

(振るだけじゃない、...そういうことですか!)

レイナはシグルドに近づいた。

そしてレイナは剣を思いきり地面にあて、土を飛ばした。

それをシグルドはサイドステップで避けた。

レイナもそれを読んでおり、避ける場所に先回りし、追いうちを狙った。

「まぁ、正解だが、まだ甘い」

シグルドはレイナの剣を木の棒で弾きとばした。

「うし、今日の稽古はここまでな」

「...ありがとうございました...」

レイナは頭を下げた。

(せめて一矢報いたかったな...)

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