第二十七話
さらに奥へと進むシグルドとレイナ。
「なんだかんだ言ってもくるんだな」
「当たり前です!シグルドさんを一人放っておくとなにするかわかりませんからね!」
「ふーん、ま、いいけどな」
そして、広い空間に出た。
「さて、ボスのお出ましだ」
奥の方に仁王立ちしている影が見えた。
「あれは...さっきの竜戦士か?いや、気が違うな。首がない胴体、か、なるほどな」
シグルドは一人で納得していた。
「え?いったいなんでさっきの竜戦士が...」
「あれは竜戦士じゃない。たぶん死霊騎士だろう」
初めて聞く名前に混乱するレイナ。
「死霊騎士ってのはな、首を斬られて死んだやつがなるんだ。死体にそいつの怨念が宿ってな。他にもいろいろいるんだが、そいつらは死霊て呼ばれていてな、死霊は捕まえれないから戦うだけムダなんだよな...」
「へ、へぇ、シグルドさんて物知りですよね」
「好きなことを調べただけなんだがな」
シグルドは頭をボリボリとかき
「はぁ、俺のわがままで来たからなぁ、俺がやるしかないよな」
シグルドはゆっくりと死霊騎士へと歩いていく。
死霊騎士もシグルドの気配に気付き、剣を構えた。
「あーあ、ムダにいい構えしてんじゃねぇかよ...」
シグルドはめんどくさいオーラを出している。
(シグルドさん...いつになくめんどくさそう...)
「本当、めんどくせぇなー。あれは普通に欲しいレベルなのになー、なんでかなー、はぁ、だりぃ」
そんなシグルドとは反対に殺気全開の死霊騎士。
「はぁ、この手のやつは殺さないの俺を追ってどこまでも来るからな~」
シグルドは柄に手をかけ
「『転移門』)
死霊騎士の目の前まで転移し、刀を抜いた。
キン!
シグルドの刀を死霊騎士は剣で弾いた。
「やっぱ弾くのね」
シグルドはその勢いのまま回し蹴りを放った。
ゴン!
と、鈍い音をたてて死霊騎をふふきとばした。
「どうしたものかな...」
シグルドは少し考えて
「ま、いっか」
考えるのをやめた。
シグルドは『緑眼』を使えば楽に勝てると考えたが反動の大きさからやめた。
『偽物門』は純粋にめんどくさかった。
となると、残るのは『奴隷門』だったが、この空間で満足に戦えるやつはいなかった。
「自力か~、めんどくせぇなー」
死霊騎士は起き上がりこちらに向かってきた。
「...ちょっと本気だしますか」
シグルドは刀を右手に、鞘を逆手の左手に構えた。
「これからが、あっちもこっちも第二ラウンドだ」
シグルドは刀ふるが、当たらずにかわされる。
死霊騎士はその隙を狙いシグルドの首を攻撃する。
シグルドは鞘でその攻撃を受け流した。
「めんどくせぇなー、とりあえず、足、貰うぞ」
シグルドは刀を鞘に戻し、居合い斬りを放った。
その速度はかわせる速度ではなく、死霊騎士の右足を斬りとばした。
片足では、バランスをとることができずに死霊騎士は倒れた。
「ふぅ、やっと終わるか」
シグルドは死霊騎士の左足と残っていた右腕を斬りとばした。
「これでようやく終わり、っと」
シグルドは刀を鞘に戻し、腰にさした。
「さてと、レイナー、帰るぞ」
「.....あそこまでする必要あったんですか?
「...あれくらいやらんとダメなんだよ。」
「え?」
「あいつらはな、死霊化したら怨念の対象を殺すまで死ねないんだよ。腕を一本でも残してたらそれに適応してその対象を探すんだよ」
淡々と語るシグルド。
「そして今回の対象は俺。あいつはずっと俺を追ってくる。めんどくさいやつだ。ここで戦えてよかったよ。村とかだったら厄介だからな」
「そう...だったんですか...」
「お前が気負うことねぇよ。ほら、行くぞ」
シグルドはレイナの頭をポンポンと叩いて歩いていった。
「シグルドさんは...本当に強いですね...」
レイナはシグルドに聞こえないくらいの声で言った。




